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「あの時は、いったいどの乗り物に乗ったんだっけな?」

 武田が、チュロスを買いに行っているので、俺はひとりごとをつぶやいた。


 俺は、小さなころこの夢の国に来たことがある。

 あの時は、近所に住んでいた女の子と一緒だった。


 彼女は、俺より少しだけ年下で俺によく懐いていたことをおぼえている。

 名前は……。


 思いだせない。


 この思い出の後、彼女は外国へと引っ越してしまった。

 だから、彼女との思い出は、ここで途切れてしまっているのだ。


 もう一度だけ、俺は彼女に会いたかった……。



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