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 俺は、アイから逃げて、台所に来ていた。

 適当に食パンを焼いて、コーヒーを淹れる。

 部屋には戻らずに、コーヒーを一口含んだ。


 苦みで目がさめる。


 アイは、急に静かになった。俺は少しだけ彼女のことが心配になる。


 俺たちが、共同生活を始めて、もうすぐ二カ月が経過するところだ。

 スマホの中に住む女の子との二人暮らし。

 字ずらだけ見たら、俺は完全にやばいやつだ。

 仮に警察に捕まった時、ワイドショーで自称「同級生」たちから、スマホを見てニヤニヤしながらしゃべっていたとか、どう見ても「やばいやつ」とか好き放題言われてしまいそうな感じだ。


 この生活は、夏休み前の最後のゼミから始まった……。

 その日は、とても暑かった。


 ※


「おーい、中村くん。ちょっと、いいかな?」

 ゼミが終わって、帰宅の準備をしていた時、いきなり“教授”に呼び止められた。


「どうしたんですか? 教授?」

「ちょっと、頼みたいことがあってね。昼食まだだろう? おごるから、僕の研究室に来てくれないか?」

「はい、わかりました」

 突然の話だったが、昼食に釣られてしまった。

 こういう時は、教授が出前を取ってくれて、奢ってくれるのだ。

 貧乏学生の俺にとっては、魅力的な話だった。


 そして、俺はホイホイと教授の研究室に行ってしまった。


 この選択肢が、俺の平穏な学生生活を一変させるとは知らずに……。

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