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⑲
「ぴんぽーん」
朝、チャイムが鳴った。
いつもは、アイに起こされるところだけど、今日はなぜか目がさめたので、布団の中で本を読んでいた。
そこに、突然の来客である。
まあ、どうせ宅急便だろうと思い、おれは、ドアを開ける。
「やっほー、来ちゃった」
そこにいたのは……。
バイト仲間の女子大生、武田だった。
バイト仲間の女子大生、武田だった。
バイト仲間の女子大生、武田だった。
大事なことなので、俺はこの事実を心で三回唱えた。
これで、極楽浄土へと行ける。
「あれーどうしたの?」
現実逃避をしていた俺に彼女は話しかけてきた。
「どうして、武田がここに……」
「昨日、連絡したじゃん。明日、遊びに行きますって。もしかして、気がつかなかったの?」
そういえば、昨日の帰り、スマホが鳴ったような記憶が……。
そして、部屋にはアイがいる。
ここから導かれる結論はただひとつ。
「ちょっと、部屋の掃除してくるから、五分だけ待ってて」
俺は、スマホへと走った。




