日本での攻防 アルテミス
前回から、かなり間が開いてしまいました。申し訳ございません。
「異獣を分散させた。各個撃破を狙え」
各隊に命令を送る。自分自身も戦わなければ。しかし、全部隊には命令を出したところだ、ここで退却するわけにはいけない。かえって、好戦的に敵と対峙すれば、痛い目を見る。先ほどから、異獣が銃を持った、という報告が数件来ている。
現状は、東京が壊滅。並びに大阪、福岡、宮城、北海道が崩壊。派手にやられている。
「無線を貸せ!」
ひとまず、ここは本部に報告と提案を一つ。
「こちらアルテミス大隊。ニューヨーク本部、どうぞ」
「なんだ? 何か問題が起こったのか?」
「ああ、W・Kが銃を持ち出した。やつら、腕を進化させて、銃に適応させやがったぞ!」
そこで、提案を一つ。
「だから、頼み事が一つある。東京都民全員を都外に避難させてくれ。その後、東京都を爆撃しろ。おれ達も市民に付いて行く」
だからこそ、この東京は捨てる。都知事?総理?気にすんな。
「待て、今、首相に連絡を取る。十分持ちこたえろ」
「了解」
十分か、長い。とりあえず、エイブラムスの戦車中隊に状況を確認する。
「エイブラムス、状況は?」
焦った声が聞こえてきた。
「問題ない。いや、敵が来た。すまん、通信を切る」
ジッという音と共に、連絡が途絶えた。
「全隊員に告ぐ。一部作戦変更だ。エイブラムスの守る高速道路に向かう。援護するぞ」
高速道路に向かう途中、予期せぬ敵が来た。グリード・レオ。通称、GL。常に獲物を求めている、凶暴な異獣だ。
「第四戦闘態勢。距離を保ちながら撃ち続けろ」
第四戦闘態勢。これは、凶暴な敵と対峙した時に、一定の距離を保ち、一方的に撃ちまくる、という雑かつ的確な対処法だ。え?雑で的確の意味が分からない?ま、まあ、そこはどうでもいい。
とりあえず、ここで勝たないと、全滅する。急がなければ。