表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狩猟神と知を得た獣  作者: sento
11/12

日本での攻防 ブラスト

「撃て撃て撃て、撃ちまくれ! 木っ端みじんにしてしまえ!」

 ここに英雄と呼ばれた戦士が一人。

「隊長、弾が足りません」

 その破天荒ぶりから、その圧倒的突破力から、つけられた名は突破の戦車。前方にはびこる異獣たちを、戦車の高火力が吹き飛ばしていく。

「ここを通すな! 市民を守れ!」

 かつて、英雄と呼ばれたこの戦士は昔から無茶な戦いぶりだった。攻撃方針は敵が滅ぶまで、徹底した機動。防衛方針は敵が諦めるまで、継続する弾幕。

「弾幕は力だ。押し潰せ! 押し潰ぶせ!」

 エイブラムスの主義『機動は力。守備は力。攻撃は力。とにかく力で押し潰せ。』である。

「隊長、敵が、敵がぁ」

 異獣に目を向けたエイブラムスは絶句した。

「あれは、ただの脳筋ゴリラが、痩せ、手がしっかりとし、指が軽やかに動いている!?」

 つまりはあれだ。超常というやつだ。進化の定義を奴らは覆してきた。

「なに? 奴ら、銃を持って……」

 と、突然、その小銃を撃ち始めた。

「な、なに? あのゴリラが、あの脳筋が銃を使うだと!? 人間の行動をまねたのか!」

 しかし、厄介なのは、ウィズトム・コングの小銃を使うのに適している腕だった。細くも、筋肉質な腕は、小銃の反動に屈しない。まったくぶれないその銃は、同じ位置に銃弾をぶち込んでいく。

「!? なにを、何をしようとしているんだ」

 訳のわからないまま、撃たれ続けた戦車が爆発した。戦車の爆発で、他の戦車にも引火。

「全車後退! 歩兵隊と機械化歩兵は前へ。」

 うむ、まずいことになった。W・Kは一般歩兵でどうにかできる相手ではない。ましてや、銃を持ち出した。厄介な自動小銃だ。

「民間人の救助を続行! アンドロメダに増援要請!」

 耐えねばならん。ここで折れたら、民間人にかなりの被害が出る。

「持ちこたえろ! アンドロメダが来るまで、何としても、だ!」

 しかし、応戦むなしくも、異獣の一匹がエイブラムスの肩を撃ち抜いた。

「ちくしょう! すまん、俺はここで退却する。」

 隊長の退却というのは、隊にとって致命的な損害である。指揮する者が不在となると、部隊が混乱しかねない。しかし、武器を手にした移住を前に、なすすべもなく、隊は蹂躙されていく。その時、アンドロメダから知らせが届く。

「アンドロメダからブラストへ、アシュレイだ。」

「増援か、ありがたい。」

「いや、増援は無理だ。ここからじゃ狙えない。」

「移動は?」

「無理だ。包囲されてる。」

 万事休す、と思はれたその時、現れたのは思いもよらない者だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ