俺を理解してくれる人がここに!
「こちらが客間でございます。魔王様はこのさらに奥の王室でお待ちになっております。」
へえ〜。魔王城ってゲームみたくダンジョンって感じじゃないのか。
むしろ普通の城なんだな。
「って感心してんじゃねえよ俺!!!!!」
本当にラスボスに会うの?無一文、装備品ゼロ、ステータス不明の俺は特に何もしないままラスボス戦に突入すんの?
どうにかして逃げれないかな?
俺は前を歩いていたヴォイドを観察した。
うん。無理だ。隙がない。ってかオーラが半端じゃない。こりゃダメだ。
俺は諦めてヴォイドについて行った。
■■■■■■
「着きました。こちらが王室でございます。」
「・・・」
「何をなさってるのですか?ささ、どうぞお入りください」
入るしかないかぁ。もう既に禍々しいオーラが。入ったら出られない希ガス。
いや、ヴォイドと会った時点で俺の人生は終わってたのか。1回死んでるけど。
「ええい!ままよ!」
やけくそだ。死ぬことなんて怖くないもんね〜。
俺は扉を蹴り開けた。
そこには玉座が。その玉座には魔界の騎士?が座っていた。
「あの・・・そこに座っていてもいいのですか?そこ玉座っぽいですけど」
俺は魔界の騎士さんに問いかけた。
「我が・・・魔王だが?」
俺は2回目となるジャンピング土下座を実行した。
選択肢ミスったぁぁぁぁあ!魔王様が鎧着てるとか知らねぇよ!!!うわあああん!!!
「そなたがヤガミ・ケンゴか?」
「ふぁい・・・左様でございますぅ・・・」
あれ?許してくれてんの?魔王様超優しいじゃないですかやだー。
「そうか、ならば死ね」
前言撤回、優しいもクソもないわ。
「ま、待ってくだしゃい!!!俺、この世界に来てまだ1時間も経ってません!!!!!なんで!!俺が何かしたか!?!?」
「そなたは転生してここに来た。転生の目的は我を倒すことだろう?ならばそなたの存在は邪魔でしかない」
ふざけんなぁ!!!俺は魔王よりアイツらを倒してぇんだよ!!!このことを何とかして魔王に伝えなきゃ。
「お待ちください魔王様ぁ!!俺は貴方を倒すつもりは全くありません!!!」
「ほう?何故?」
よし話は聞いてくれるようだ!
「俺は・・・一緒に転生してきたヤツらに見捨てられましたぁ!!!!!」
魔王とヴォイドは顔を見合わせた。
そして俺に哀れみの目を向けた。止めてくれ。泣くぞ。
「それは・・・真か?」
「はい!魔王様に誓って!!!」
俺は転生してからのことを話した。
魔王は下を向きヴォイドにいたっては泣いていた。俺が泣きたいっての。
「そうか・・・それは難儀だったな・・・」
魔王は俺の話を理解してくれたようだった。俺の理解者はアンタらだけだよ。
魔王は思い出したのか俺にこう質問した。
「そういえば転生した者は最初に女神に会うと言われているが・・・」
何それ?俺は即座に、
「なんですか?知りませんねそんな神様らしからぬ駄女神なんて」
魔王も泣いてしまった。俺だっで・・・泣ぎだいよウワァァァァァ!!!!!
「グスッ・・・ぞうか、そなた。願いはあるか?」
魔王は見るに見かねてか俺に願いを聞いてきた。優し過ぎかよ。
俺は本心の願いを言うことにした。
「多分アイツらは女神とやらに言われて魔王様を倒そうとするはずです。でも俺は俺を見捨てたアイツらと女神をフルボッコにしたいです!!めちゃくちゃにしてやりたいです!!!協力してくれませんか!!!!!」
「うむ、喜んで協力しよう!!!そなたを見捨てはしない!!!!!」
すまんな異世界。俺は俺のために魔王軍に協力するよ!!!
牡丹餅です(`・ω・´)ゝ
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・・・宜しければでいいので