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勇者になってもいいですか?  作者: 新城ミキヤ
第一章 異次元での冒険、始めていいですか?
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第一章6話 クズ装備、揃えていいですか?



 初めて魔法を覚えた俺。気分は少し明るいので、今なら何でも出来そうだが、一度俺たちは村に戻る。何故なら、達也と和葉が一度、用事があるので抜けると言うからだ。


 そのついでに、武器を揃えたり、一段落しようと俺たちは考えている。


 村の端っこに俺と阿左美と翔太は設置されている椅子に座っていた。


「そう言えば、二人共、ステータスどんなのですか?・・・一度、見せてください!」


 椅子から立ち上がり、俺は二人を見つめて軽く例をする。


「いいよ・・・『ステータス』」


 翔太は俺が少し前に習ったことをした。流石、俺の先輩的存在だ。


「はい、これが僕のステータスだよ。あんまり大したことはないけどね。」


 俺にそう一言添えて、ステータスを見せてくる。C、B、B、C、B、火属性、と書かれていた。


「総合力がBですか・・・すごいですね!」


「それはどうも。でも最近Bになったところなんだけどね・・・そう言えば、阿左美ちゃんの、見ていないね。良かったら、見せてくれるかな?」


 そう翔太はお願いした。しかし、阿左美は少し考え込んでいた。


「すみません。諸都合により、見せることができないのです。それにあんまり、自信ないですし・・・」


「そうか、分かった。こちらこそ無理なお願いして、ごめんね。」


 阿左美はそのまま黙っていた。何か考え込んでいるのだろうか。


「・・・どうした、阿左美。元気ないな・・・風でも引いたんじゃないか?」


 元気がなかったら風を引いた。よくある定番を俺は阿左美に問いかける。


 自分の額、そして阿左美の額を触って温度差を比べる。すると阿左美は


「ちょ、ちょっと・・・恥ずかしいから、少し触るのやめてもらえる!?」

 

「あ、ごめん・・・」


 俺は心配しているからやった行動だが、なぜか「やめて」と言われてしまった。そんなに俺は悪いことをしたのだろうか。


「とりあえず、時間あるし、阿左美ちゃんも元気なら、少し武器を見に行くかい?僕、いい店知ってるんだ・・・何ならおごってあげるしさ。」


「本当ですか!?・・・って、いいんですか?そんなに親切にしてもらって・・・高いんじゃないですか?」


「大丈夫だ。今はお金にそんなに困っていないし・・・阿左美ちゃんも来るかい?」


「・・・では、お言葉に甘えさせていただきます。」


 そう言って、阿左美は一つ、笑顔を俺たちに見せると、早速何処かへと歩きはじめた。そして


「まじで私をちゃんづけするのは、やめてほしいんだけどな。気持ち悪!」


 翔太には聞こえない声で、そう小さく呟いていた阿左美。俺は苦笑いしか浮かべなかった。


 どうやら、阿左美は影口を言うためだけに少し距離を開けたらしい。女って、心底思うが本当に怖いな。


 だがこれは、妹のときもそうだった。自分の気に食わないことがあったら、その人から離れてボソッと影口を告げる。そんな姿を久しぶりに見た気がする。







「さあ、ここで問題です!」


「は?問題?聞いてないんですけど!?」


 俺たちは今、翔太が勧めていたお店に来ている。お祭り風のお店だが、意外と置いているものはしっかりしている。


 大きな声で馬鹿騒ぎする店長。俺は今、その店長の相手をしなければならないらしい。


「言うの、忘れていたな。ここの店は、初心者なら必ず問題が出される。その問題を解いたら、値段は半額以下になる。」


「それ、絶対難しいやつじゃないですか!?」


 小学校の頃、こういう事はよくやった。『この問題を解いたら俺の勝ちー!』とか言って、いざやって見れば滅茶苦茶難しかったり、猶予時間が1秒も無かったり。最終的には結局自分は負けるように仕組まれている問題(クソゲー)


「問題。男性と女性が、夜な夜なに、ふかーく、ふかーく、キスする行為を・・・」


「この人、初対面に何言わせているのですか!?ありえません!」


 俺がその答えを言えば恥ずかしがるとでも思っているのだろうか。確かに少し恥ずかしいかも知れないが、誰も聞いていないなら簡単に言える。


「答えはディ・・・」


「・・・ディープキスと言います。」


 これもよくあった。答えを言わそうとした直後、『ーーですが、』と繋げて落とし穴に入れ込むというか作戦。まんまと引っかかってしまった。


「その行為をし終わったあと、いい感じになって服を脱いだりして・・・この行為はなんといいますかー?」


「もっと重いの来たー!!」


 先程よりも、もっと言いづらい答えを要求してきた。だが、半額以下なら、これくらいの事、なんのこれしき・・・


「皆さんー!彼に注もーく!!恥ずかしーいお言葉が出てきますよー!!」


「こいつ、最低だ!最低!死んでしまえ!初対面に本当に厳しいな!?」


 周囲にいた人は、みんな俺を見てくる。すごく痛い。一人ひとりの視線が、まるで矢のようだ。


 しかし、ここで逃げたら半額以下にもならないし、武器も手に入れられない。言うのは恥ずかしいが、勇気を振り絞って言うしかない。


「セ・・・」


「なんて言いましたか?」


 本当にヤバイやつだ。小さい声で答えを言ったら、聞こえなかったからもう一回。俺の印象は、この店長の人のせいで、滅茶苦茶だ。


 そして、俺の回答を期待している。明るく笑うその笑みを握りつぶしたくなる。どうやら俺のおかげで、店長はご満悦のようだ。


「セ・・・!!」







「結局、大声で叫んでしまった・・・」


「ハハハ・・・でも、安く手に入れれたから、良かったじゃない。」


「でもこれ、本当に鎧ですか?・・・触り心地がなんと言うか、布って言うか・・・」


 初心者の俺から見て、鎧ではないと判別できる点が2つある。


 1つ目は、色だ。普通なら、銀色のはずなのだが、この鎧は緑色をしている。


 そして、何よりも決定的なのは、鎧にしては軽い。これを受け取った瞬間、少し強い風が吹いて、飛ばされかけていた。


「・・・確かに布だね・・・」


「・・・訴えましょう。」


 実の所を言うなら、俺は選んでいない。店長が、『これオススメ』と言ったから選んだのだ。後で詐欺で訴えてやる。


「・・・でも、だからこそいいんじゃないかな?」


「どういうことですか?」


「初心者が、重い鎧を着たって、動けるはずがない。確かにそれは布だけど、ある程度はちゃんとしているぞ。火には弱いけど・・・」


「それを言っては終しまいです。」


 だが、確かに言われてみればそうだ。俺が本物の鎧を着て、まともに敵と戦えるのだろうか。


 他の店だったら、ちゃんとした装備を選んでいただろうが、あの店だから俺の本当のオススメが分かっていたのかもしれない。もしそれを考えていての行動なら許してやらないといけない。


「それと、あの問題の意図なんだけど、あの人は君に試したんだよ・・・例えどんな困難があっても、何かをやり遂げるっていう。」


「例えそうだったとしても、やり方は本当にクソですよ!?下ネタを言わせてくる店なんて、初めてなんですから!しかも初対面!」


 そんな俺達を阿左美は遠目で眺めていた。馬鹿にしているような目。なんだか少し愛想がないから怖い。 


「とりあえず、他の店にも行くわよ。服だけで敵とは渡り合えない・・・だから、さあ、早く行こ!?」


 いきなりテンションが上がった。何がどうなっているのか、俺の脳では整理しきれない。女の子は本当に不思議だ。


 その後も俺と阿左美と翔太は三人で、色々な店に行った。まともな店もあるが、そうではない店もある。ここの村は変わっているのかも知れない。だがそれが逆に盛り上がっている所だろう。


 だが、結局俺は阿左美に貸していた剣を使うことにした。やはり慣れているのが一番いい。使ったの、少しだけど。


「これからどうします?武器や鎧は大丈夫ですよ。」


 俺は先程もらった布を装着している。風が吹いたらなびくけど。


 それでも文句は決して言わない。それを狙って布を選んだ可能性があるが。嫌がらせにしか思えないが。


「そうだね。もう一度、今度はその布を着て行きますか?」


 俺の鎧を見ながら翔太は少し半笑いになっている。先程言っていたのはどうやらお世辞、そして言い訳のような物だったらしい。


「本当に大丈夫なのかな、これ・・・」


 笑われると、本当に心配になってきた。火でも吐かれたら、俺は燃えちまうだろう。


「3人でもいけますか?勝てますか?」


 俺は俺の鎧のことも踏まえて、質問した。先程は5人。そこから3人になると無論、余裕は無くなる。


「まあ、大丈夫じゃない?基本的な敵はCまでだし。Bなんて、この近くでは今ことないけど、仮に出たとしても、翔太さんがいますから。」


「僕はそんなに頼りないと思うけど・・・まあ、危なくなったら、逃げれば問題ないと思うよ。」


 俺の言葉を阿左美は否定し、それに流される翔太。こういう油断が危ない気がする。


「・・・でも、だからといって油断はだめだからね、阿左美ちゃん。」


「分かってますよ・・・」


 お、油断していない。ならいいんだ。


 少し膨れた顔をする阿左美。ちゃんは子供みたいな扱いだから、それに納得できていないのだろう。先程も少し考えていたが、今阿左美は思春期なのだろう。


「それじゃあ、先程の森に入ろうか。少し強くなった姿を、あの二人に見せてやろうぜ?」


「「「オー!!」」」


 そう言って、俺たちは森の中へと入って行った。たったの3人で。





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