〜プロローグ〜 少し死んでもいいですか?
この話を読む前に。
単刀直入に言います。愛読していた方々。申し訳ございません。
第二弾とでも言うべきでしょうか。実は『この勇者になってもいいですか?』を私は一度書いておりました。そこそこ書いていたのですが、諸事情により、なんの前触れもなく消してしまいました。
ですが、これから新しくなった『勇者になってもいいですか?』を作成していきます。何卒、これからも応援の方、よろしくお願いします。
ーー神様ってなんだろう?
俺にとって、神様は醜い。神様は世界中の人を見ているはずがない。きっと何処かでサボっているのだろう。
「こんな世界!滅びたらいいんだよ!!」
30階程のビルの屋上で泣き叫ぶ少年、水徳絆17歳。
母は俺の妹を産んだとき、容態が変化して亡くなった。
父は二年前、謎の事故に会い、病気にかかって亡くなった。
祖父や祖母は俺が産まれる前に亡くなっていた。
俺には一人の妹がいる。妹は父の事故にいつも疑問を抱いていた。ある日、父の事故を解明するために妹がは家を出た。しかし3日経っても家に帰ってこなかった。俺は妹を探した。交番に行ったり学校の友達や近くの人に聞いたり。ま、友達なんていないのだが。
半年ほどして、妹の行方が分かった。自殺だった。
俺に隠れて死んでいった妹が許せなかった。俺をおいて亡くなっていく父と母が許せなかった。相談にのってくれない近所の人や友達、先生、皆憎くて仕方がなかった。
そして、こんな世界に産まれてきた自分や人一倍の努力では足りない状況にした神様が大嫌いだった。
更に半年過ぎて、今の状況に至る。足元を見ると奈落の底だ。落ちたら死ぬだろう。俺は目をつぶって、今までの出来事を回想した。だが思いつくのはろくでもない思い出ばかり。
それでも俺は、つまらなくても想像した。楽しくなくてもいい。自分は今まで頑張ってきたから。だからもう仕方がない。
ーーー俺はビルから飛び降りた。