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ホラーギルド  作者: 時雨瑠奈
笑顔の終局のために
35/35

それぞれの想いと力 その5

 ゆきんこであるゆきなは、休みの間に皆がいなくなっていた事にかな

り怒っていた。

 久々にギルドへと出向いてみるとそこはもぬけの殻で、置き手紙だけ

が残されていた。

 いわく、彼女達は依頼人の願いで科学者ギルドへと向かったという。

「何であたしに一言も告げずに……! 呼び戻してくれればよかった

のに!」

 怒りを誰にもぶつけられず、ゆきなは周囲に冷気を飛ばしながら歩い

ていた。

 その声に気づいて科学者ギルドの人間が飛んで来たが、彼女の怒りは

すさまじく氷漬けにして進んでいく。

「あいつら、出会ったら絶対に許さないんだから!」

 全員と会ったら一発ずつなぐるつもりだった。

自分だって仲間なのは変わりがないのに、休んでいたというだけで仲間

外れにされてしまったのがひどく嫌だった。

 痛いのは体ではない。心だ。

思わず涙が目からこぼれ落ち、氷の雫となってかつんと地面に落ていき

ライトの光を浴びてきらきらと光る。

 それでも、歩みだけは止めなかった。仲間達に会いたかった。

「侵入者が! 調子に乗るな!!」

「はん、そんなセリフはあたしに勝ってから……!?」

 強気に言い返し、ゆきなは動けなくなって眉をしかめた。

一体何が起こったのか、まるで分からなかった。

 金縛り。その言葉が脳裏に浮かんだが、どうする事が出来る訳でも

ない。

「死ね!」

 ナイフが振り上げられる。死ね……?

あたしは、ここで死ぬの……?

 ゆきなはぼうっとする頭できらめく刃を見つめていた――。


「ゆきなさんっ!」

 響いた声に耳を叩かれ、ゆきなはびくりと体を跳ねさせ咄嗟とっさに飛び

退いた。

 今までゆきながいた場所を、ナイフがかつんとぶつかり音を立てる。

「い、今の声は……!」

 ゆきなは、以前家の者達というか、親族に呼び出されてお見合

いをさせられた。

 その相手が、今目の前にいる男だった。

雪男という事だったが、人の姿にもなれるのか人型をしたその青

年は整った顔をした若干やんちゃそうな顔立ちをしていた。

 思ったよりいかつくはない。

「無事で……よかった」

 背中に手が回り、ゆきなの冷たい体がしっかりと抱きしめられ

る。

 やはり、雪男だからか氷で出来たゆきなに触れても、ダメージ

はないようだった。

 とっさにゆきなは動く事が出来なかった。

何故なぜ、彼がここにいるのか。何故ゆきなの事を心配したのか。

 何も分からなかった。頭が理解しようとしなかった。

「あ、あんた……何で……」

「セイファールです。セイでいいですよ」

「名前呼ぶほど、あんたの事知らないわよ」

「これから、知ってもらいます」

 強引な男だ、とゆきなは思った。雪男だから、ゆきなの体の冷

たさも感じないようだし、抵抗ていこうした所で叶うはずもない。

「ちょっ、は、離して! 人を呼ぶわよっ!」

「呼んだら困るのは、あなたのはずだ」

「こ、こいつ……!!」

 どうやらお腹の中に黒い物を持った男だったようだ。

確かに、さけんだ所で仲間達が来る可能性は薄い。

 ここは、科学者ギルドなのだから、研究者達が来てしまい

ピンチになるだけだろう。

 どうしよう、と思った次の瞬間だった。

「今の悲鳴は何事なの!?」

 駆けて来たのは、なんと夕顔だった。

白い尻尾をぱたぱたと揺らし、顔を青ざめさせているのを見

るとなんとなくゆきなはうれしくなり、目に涙をにじませてしまう。

「ってゆきな!? 何でここにいるの!?」

「何で自ら危険に飛び込んでいるのよっ」

「う、うるさい……あたしだって仲間に入れなさいよぉ」

 ルミア達にも注意され、思わずむっとなって叫ぶ。

と、セイと名乗った雪男がゆきなの手をまだにぎっていた。

「何よ、とっとと離しなさいよっ」

「私は、諦めません……あなたが好きになってくれるまで」

 ぷぃっと視線しせんをそらしながら言うゆきなだが、相手が

にやりと笑ったのには気付かなかったようだった。

 「あっ……!」と言ったのは誰だったろうか。

ちゅっ、とリップ音が響き、手の甲にキスを落とされた

ゆきなが真っ赤になって振り向く。

「な……ななななな!?」

「では、また……雪の姫……」

 あの人誰なの!? どんな関係!? と仲間達に問われた

けれどゆきなはまるで返事が出来なかったそうな――。

 今回はゆきなの話になります。

うっかり別の話でゆきなの名前を出して

いた気がするので修正していくつもり

です。

 新キャラも出してみました。

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