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ホラーギルド  作者: 時雨瑠奈
科学者ギルドを潰せ!
18/35

科学者ギルドの居場所を特定せよ

 サヤ=ライリー達は依頼者の二人を

客間に寝かせた後、早速行動を開始した。

 ルーンとエリオット=アディソンが護衛と

見張りとしてギルドに残る事になっていた。

 ルーンはそのギルドに恨みを持っていない

事と、第一危険だからで、エリオットは何か

遭った時のための待機メンバーである。

 ほぼないだろうが、万が一科学者ギルドが

襲撃をかけて来た時に二人とルーンだけでは

心もとない。

 ルーンは最初渋ったけれど、自分の力が

そんなに強くない事を知っているので薄桃

色の瞳を潤ませながらも無理やりついて来る

事はなかった。

 サヤは倉木ルカと行動を共にし、ルイーズ=

ドラクールことルーはシオン=エレット、吾妻夙は

ルミアと夕顔と一緒だ。

 地図を調べ、今まで奴らがいた場所を調べ、それ

でも居場所は見つからず、彼らは苛立っていた。

「ちくしょう、科学者ギルドのやつらああっ!!」

 吼えるような声を上げたサヤは、一旦ギルドに

戻って食事を取っていた。

 他のメンバーも芳しい結果は得られなかった

らしく、うなだれたような顔で食事を頬ぼって

いる。

 今日のメニューは野菜たっぷりのキッシュだった

が、誰もが味を感じないのか顔を輝かせたりする者は

いなかった。

 今回も、彼らにとっては砂の味でしかないのかも

しれない。

「俺も手伝うか?」

 見かねたエリオットが言うと、嫌そうな顔をした

サヤが首を振った。

 サヤとしては彼に頼りたい気持ちもあるが、ここを

無人にする訳にもいかないし、ルーンだけでは頼り

にはならない。

「お前はあの子供達見張ってろよ。何するか分かん

ねえぞ。大切な人らしいからな」

「でも、疲れてるみたいだしな。変わるか?」

「いいっつってんだろうが!! お前はここに残れ!!

 以上!! はい、これで終わり!!」

 ムッとしたようにエリオットが薄青い瞳で睨みつけた。

サヤも苛立っているので、炎のような紅い目をぎらつかせ

ながら睨み返す。

 不穏な空気にルーの金色の目が潤み始めた。

シオンがおろおろしながら、慰めるように金色の髪を撫で、

夙が二人の頭にげんこつを落とす。

「「いってええっ!!」」

 涙目になる二人に、夙は明るい茶の瞳に冷たい光を浮か

ばせた。その瞳のあまりの冷たさに、エリオットもサヤも

ぎくりとなって思わず黙る。

「争っていても何にもなりませんわ。時間の無駄です」

 事実なので、サヤ達は文句を言えなかった。

そこに、か細い二つの声が届く。

「あの……様子はどうですか?」

「見つけられました?」

 アニタ=リスキールと、イルク=タルデアだった。

期待に輝く黒と灰色の目が、サヤが首を振った瞬間曇る。

 サヤがため息交じりに説明した。

「悪いけど、まだ見つけられてないぜ。だけど、絶対に

見つけて見せる。安心しな」

「僕達、場所を覚えています!! ご案内しますよ!!」

 イルクが熱のこもった口調でサヤの手を握ってくる。

サヤの手からフォークが落ち、からんと涼しげな音を

立てた。

 明らかに眉がしかめられた。

「あのな、あいつらは同じ場所に長くいる事はねえん

だよ。同じ場所にいるんなら、俺達があんたたちみたいな

被害者が出ないうちに奴らの組織壊滅させてるさ」

 そう、ここのギルドのほぼ全員が恨みを抱いているのに

関わらず、見つからないのはそのせいである。

 イルクの目に涙がたまり、アニタも青ざめた顔で立ち

尽くした。

「そう……なんですか」

 サヤの手を握る手に力が籠った。それでも、サヤは痛みに

顔をしかめつつも優しく手を放してやる。

 ルカに差し出された新しいフォークを握り、サヤは再び

食事に戻った。

 こんな時に食事をしていていいのか、と思うなかれ。

食料補給は大切なのだ。接種しなければ、倒れてしまう。

 食料補給しなくてはハードな仕事など出来ないのだ。

夕顔が、追加で本来は美味しいであろう、パンやスープや

肉料理を運んで来た。

 キッシュも、パンも、スープも、肉料理も、一つ一つが

とても美味しいはずなのに、全員の顔は通夜ででもあるかの

ように暗い。

 いつもの通りの最高の味の料理を、全員はかきこむように

食べていた。

 砂でも食べているかのように味など感じない。

ただ食料補給のために食べているだけだ。楽しむ余裕など

今はなかった。

「ごちそうさま……」

 サヤは食べ終わると、ナプキンで口元を拭いて立ち

上がった。

 本当ならばその時間さえもおしいのだが夙に叱られて

時間ロスするよりはマシだ。

 ルカがぎょっとしたように慌ててパンと肉を口に放り

込み、咳込みながら水で流して立ち上がった。

「ゆっくりでもいいのに。俺一人で行くから」

「いいえ、僕も行きます!!」

 二人は連れ立って外に行こうとした。

が、いきなり扉が開いたので驚いて後退する。

入ってきた人物を見るなり、サヤは敵意剥き出しの

視線を向けた。

 ギルドマスターのルイア=ラクレンサだった。

今日も眼帯をしている右目は見えず、左目だけが

濃いエメラルドのような緑色に輝いている。

「てめえ、何しに来た!! 俺らは今忙しいん

だよっ!!」

「迷惑ですので帰っていただけませんか!!」

 ルカの言葉に、ルイアはムッとしたように彼を

睨みつけた。

 何か言いかけた時、彼を突き飛ばすようにロッカ=

ロッタが短い青い髪を揺らして前に出る。

 チッとルイアが舌打ちしたがロッカは聞こえない

振りをしていた。

「大丈夫ですよ、ギルドマスターは仕事をしに来たん

ですから」

「あんた、この前の……」

「ロッカ=ロッタです。……ルイア様、仕事しないなら

今すぐ帰っていただきますよ。書類がたまっているん

ですから」

「……分かったよ」

 もう一度舌打ちをした彼は、ためらいがちにサヤを

見つめた。

 サヤは不満そうな顔をしつつも黙って話を聞く。

「『科学者ギルド』の居場所を知りたいか?」

「はあ?」

 サヤは一瞬何を言われたのか分からなかった。

思わず気の抜けた声が出たくらいである。

「私達はスパイをそこに向かわれてあるんです。彼らは

よく働いてくれますよ。……こっちのギルドマスター

とは大違い」

「ロッカ、てめえっ!!」

 あまりにもサボリ癖に悩まされているのか、ロッカは

最後に批判を混ぜる事を忘れなかった。

 睨んでくる彼を再び無視し、サヤの紅い目を見つめる。

「どうですか、リーダーさん? 行きますか?」

 サヤは迷うように目を泳がせた。

『科学者ギルド』に行く。それは、過去を呼び起こす

行為だ。

 どくん、と胸の鼓動が早くなる。

冷汗が体から流れ出す。怖い。だけど、行かなくては

ならない。

 これ以上の被害を出さないために。と、温かい手が

自身の手に添えられた。

「サヤ、大丈夫だよ」

 ルカだった。彼の手は本当に安心する。

勇気を、もらえる気がする。サヤはキッ、と顔を上げた。

「行く。あいつらを許してはおけない」

 しっかりとした声を聞き、ロッカはにっこりと笑いながら

主に説明を促した――。

 ちょこっとだけ描写増やしてみました。

科学者ギルドに潜入しようとするサヤ達。

 また何かやらかす予感ですね~。

あ、間違えました。これから潜入しようと

するシーンでした。

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