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挑戦者~次代への試練  作者: 熊原 大智
新世界、第一の試練
7/12

6.鳥君は真の乱闘をその目に移す


なんだかんだで自己紹介は終わったのはいい。

いいんだが――目の前にいる連中を見て、俺は一瞬、本気で思った。

(……これ、人間か?)

 最初は順調だった。

 会話は成立していたし、全員が最低限の理性はあるように見えた。

 だが、時間が経つにつれて理解する。

 こいつら、全員どこかズレている。

 いや、“まともな奴が一人もいない”と言った方が正しい。

 それでも不思議と、空気は悪くない。

 クセの強い連中ばかりのはずなのに、妙に居心地がいい。

 まるで最初から、このメンバーで集まることが決まっていたような――そんな感覚。

 そして、その空気をぶち壊す一言が飛ぶ。

「じゃあ、まずはパーティー名決めるか」

ヒカルの軽い一言。

――ここからが地獄だった。

「“ダークブレイカーズ”とかどうっすか?」

「ダサい」

即死。

「“QUEEN’s Order”は?」

「それ私が目立つだけじゃない?」

詩乃が即却下。

「“最強軍団☆”!」

「却下」

恒一、爆散。

「……ラプターでいいだろ」

俺が出した案。

悪くないと思った。シンプルだし、無駄に痛くない。

だが――

「それ、却下ね」

恵が一刀両断。

「は?」

「なんかダサい」

「いやシンプルでいいだろ!?」

「はい次ー」

完全に流された。

(……ラプター、普通に良くね?)

内心で少し引きずる。

そんな中――

「……“怪鳥”って入れないの?」

不意に、落ち着いた声が入る。

視線を向けると、黒羽の隣に座っていた男――黒瀬が静かに口を開いていた。

存在感が薄いわけじゃない。

むしろ逆だ。

気配を抑えているのに、確実に“いる”と分かるタイプ。

「俺らの通り名、活かすのもアリだと思うけど」

その一言で、場の流れが少し変わる。

「……確かに」

正利が頷く。

「コンセプトとしては統一感が出ますね」

だが――

「いや、それ中二臭くね?」

ヒカルが即ツッコミ。

「お前が言うな」

俺は思わず突っ込んだ。

そんなやり取りを繰り返しながら、議論は泥沼へと沈んでいく。

そして――

「……プロヴォカートルでいいんじゃないですか?」

正利の一言で、空気が止まった。

「……意味は?」

「“挑発する者たち”。あるいは、“世界に抗う者たち”という解釈もできます」

静かな説明。

だが、それは妙にしっくりきた。

世界に挑む。

試練に抗う。

今の俺たちを、そのまま表しているような名前。

「……いいな、それ」

「悪くない」

「かっこいいじゃん」

否定は出なかった。

こうして、パーティー名は決まる。

プロヴォカートル――世界に挑む者たち。

……結果的に、一番まともだった。

だが当然のように終わらない。

「あと、もう一つ」

正利が続ける。

「ダンジョンのシステムで、“ギルド”を作ることができるらしい」

「……は?」

「覚醒者をまとめる組織です」

「ゲームかよ……」

「パーティーとは別枠で、大規模戦力を管理できる」

詩乃が補足する。

「情報共有や拠点運営にも使える」

「……それ、必須じゃね?」

ヒカルが言う。

「だからこそ」

正利が続ける。

「ギルドも作るべきです」

そして――

また地獄が始まる。

「“最強連合”!」

「ダサい」

「“黒翼同盟”!」

「痛い」

「“怪鳥連合”!」

「やめろそれ」

黒瀬が静かに却下した。

ちょっと面白かった。

だが結局――

継承機関(サクセッションプラン)、でどう?」

詩乃の一言で決着する。

「“挑戦者と随伴者”の関係にも合うでしょ?先代からその座を奪わなきゃなんだし」

「……確かに」

自然と納得した。

こうしてギルド名は――継承機関に決定。

「で、誰がまとめる?」

沈黙。

「……正利さんでいいんじゃない?」

恵の一言。

「異議なし」

「賛成」

「任せる」

即決。

「……いや、ちょっと待ってください」

「無理」

俺が即答。

「俺らに運営は無理」

「ぐだる」

「確実に崩壊する」

全員一致。

「……分かりました」

正利が苦笑して頷く。こうして、指揮系統も決まった。そして本題へ。

「どこでレベリングする?」

ヒカルがスマホを見る。

「関東、ほぼダンジョン枯れてる」

「早すぎだろ」

「人が多いからな」

「新潟、長野が有力」

黒瀬が静かに補足する。

「未開拓がまだ残ってる」

「……遠征か」

「このままだと海外に行く羽目になるかもな」

簡単じゃない。

だが。

「行くしかない」

誰も否定しない。

俺は思い出す。

第二の試練。

ダンジョンの可視化。モンスターの流出。人類の覚醒。つまり――

完全な戦場。

「……その前に強くなる」

自然と口に出る。

「だな」

「遅れたら終わりだ」

黒瀬が短く言う。

その一言に、妙な重みがあった。

「今でさえ、壊れてる奴いるしな」

ヒカルが苦笑する。

人間同士の争い。

それは、もう始まっている。

「だから」

俺は言う。

「今のうちに、上に行く」

全員が頷く。

「決まりですね」

正利が締める。

「新潟、長野でレベリング」

「戦力強化」

「試練への備え」

こうして――

俺たち

プロヴォカートル

そして

継承機関サクセッションは、

本格的に動き出した。

来るべき試練に抗うために。



----------------------------------------------------------------



皆のレベル


 -仁 23レベ


 -恵 15レベ


 -正利さん 14レベ


 -ヒカル 12レベ


 -以下同文!


次回、遠征



小説家になろうの読者の評価ほど信頼できる評価は無いと思っています!評価とコメント、お願いします!

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