表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/18

16.新たな仲間?


ドアが勢いよく開いた。

「一大事ですよ!」

 ヒカルだった。

 珍しく、というより初めて見るレベルで慌ただしい。

「……どうした」

 嫌な予感しかしない。

 ヒカルは息を整える間もなく言った。

「新人のパーティーが——一人を除いて全滅した」

 一瞬、思考が止まる。

「原因は?」

「汚染」

 短い返答。

 だが、それだけで十分だった。

「……生き残りは」

「いる。ただ——」

 言葉が一瞬詰まる。

「そいつも汚染されてる。今は意識不明」

(来たか)

 遅かれ早かれ、こうなるとは思っていた。

 だが、実際に起きると話は別だ。

 重い。

 現実として、突きつけられる。

(……浄化手段が必要だな)

 そう考えた、ちょうどその時だった。

「見つけたよ!」

 今度はドアが開く音と同時に、恵が飛び込んできた。

 息を弾ませながら、真っ直ぐこちらを見る。

「汚染を治せる方法!」

 全員の視線が集まる。

「……詳しく」

 短く促す。

 恵は一度頷き、言葉を整えた。

「ダンジョンのドロップ。私の鑑定で見えた」

「鑑定……そこまで見えるのか?」

「うん。自分がソロで攻略できる等級までなら、モンスターもドロップも全部」

 さらっと言うが、十分異常だ。

 だが今はそこじゃない。

「場所は」

「九十九里浜。3級ダンジョン」

 続けて、恵は言った。

「モンスターは半魚人。問題はドロップ」

 一拍。

「——聖玉」

 空気が変わる。

「水に浸すと、その水が“聖水”になる」

「その聖水が、汚染を浄化できる」

(……当たりだな)

 条件は揃った。

 場所も、手段も。

 後は——

「取りに行く」

 即断だった。

「その前に」

 正利さんが口を開く。

「生き残りに会っておけ」

 頷く。

 それも必要だ。

 病室の扉を開ける。

 中には、静かな機械音だけが響いていた。

 ベッドの上。

 一人の少年が横たわっている。

「……名前は?」

「雨宮透」

(……こいつか)

 近づく。

 そして、手を伸ばす。

 額に触れた瞬間——

【対象を確認】

【魔力の逆流が起こっています】

【修復率:5%】

(……やっぱりな)

 正利さん。

 そして、プー。

 あの時と同じ反応。

(適合か、崩壊か)

 分岐点。

 ここを越えれば——

 “人ではなくなる可能性”すらある。

「……助かる可能性はある」

 静かに言う。

「ただし」

 一瞬だけ言葉を止める。

「死ぬ可能性も高い」

 誰も何も言わない。

 だが、それでいい。

 綺麗事で済む話じゃない。

(それでも)

 視線を落とす。

 まだ呼吸はある。

 まだ、生きている。

(なら——)

「絶対に、間に合わせる」

 小さく呟いた。

 車に乗り込む。

 キーを回し、エンジンをかける。

 その時だった。

 コンコン、と窓が叩かれる。

「……なんだ」

 見ると、ヒカルが立っている。

 無言。

 だが、顔を見れば分かる。

「乗せろ、ってか」

「当たり前だろ」

 ドアを開ける。

 ヒカルは当然のように乗り込んできた。

「お前、一人だと死にそうだからな」

「……舐めんな」

 反射で言い返す。

 が。

(一週間前、2級で死にかけたな)

「……」

 何も言えなくなった。

「ほらな」

「うるせぇ」

 諦めて、車を出す。

 走り出して数分。

 後ろから、電子音が聞こえてきた。

 ピコピコピコピコ——

(……は?)

 バックミラーを見る。

 ヒカルがスマホで音ゲーをやっていた。

「おい」

「ん?」

「今それやるか?」

「暇だからな」

(……殴るか)

 いや、ダメだ。運転中だ。

 ぐっと堪える。

(帰りに殺す)

 そんなことを考えているうちに。

「着いたぞ」

 九十九里浜。

 ダンジョンの入口が、静かに口を開けていた。

「行くぞ」

「おう」

 中に入る。

 瞬間。

 視界いっぱいに、影が広がった。

(……多いな)

 半魚人。

 その群れが、こちらを取り囲むように現れる。

「4級以上にたまにあるやつか」

「ボスと同時攻略型ね」

 面倒だが——

 やるしかない。

「まとめていくぞ」

 念動力を展開する。

 一気に潰す。

 そう思った、その瞬間——

 咆哮。

 空気が震えた。

(……ッ!?)

 頭が重くなる。

 体が鈍る。

 スキルの感覚が——消えた。

「……リセットか」

 舌打ちする。

「ヒカル!」

「分かってる!」

 すぐに回復が飛ぶ。

 体が軽くなる。

「行けるか」

「問題ない」

 日本刀を抜く。

(なら——)

 斬る。ただ、それだけ。数を減らし、空間を作る。そして——

「……来たな」

 ボス。

 明らかに格の違う個体。踏み込む。

 同時に、拳が飛んできた。

 速い。が、レベル差がある。一発は腕で防ぎ、

 そのまま、一閃。

 音もなくボスは崩れ落ちた。

「終わりか」

「雑すぎるだろ」

 宝箱が現れる。開くと中にあったのは——

「……聖玉」

 バレーボールほどの大きさ。確かに、それだった。(間に合う)

 ヒカルを見る。

「連れてきて正解だったな」

「だろ?」

 ニヤついている。

「……調子乗るな」

 そのまま外へ。

「帰るぞ」

「おう」

 車に乗り込み——

「やっぱ俺必要だったろ?」

 うるさい。

 軽く蹴った。

「いってぇ!?」

「黙って乗れ」

 車に乗り、エンジンをかける。

(間に合え)それだけを考えながら。車を走らせた。






----------------------------------------------------------------


ステータス


名前_源藤仁

称号_次代の挑戦者、才覚を秘めし者

レベル_78

魔力_

体力_

スキル_念動力、魔力操作


仁の魔力、体力は鑑定魔法が使える西恵が仁より弱く、鑑定魔法の結果が一部しか表示されないためわからずじまい。



汚染への適合


・汚染を食らい、それに適合すると強い肉体が手に入る。ただし、適合できなかった場合待っているのは異常覚醒者になる。それはもはや人間ではなく。適合するか、人間を辞めるかなのだ。


聖玉


・数あるアイテムの一つで、よくダンジョンドロップで出てくる聖水(回復薬)を作れる道具。

使い方はシンプルで水に浸すとその水が聖水になる。ただし、回数を重ねるごとに効果は薄れていき、最終的に魔力を込められるガラス玉になる

小説家になろうの読者の評価ほど信頼できる評価は無いと思っています!評価とコメント、お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ