表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/14

第五話:噂の拡散 その2

怪談、それは怪しい話でなくてはならない。

高校生が片手間に書いた作品です。

表現力が足りていなかったり、誤字脱字があるかもしれませんが暖かい目で見ていってください。

前回のあらすじ

ある心優しい会社員は悲劇に襲われた。

世間から冷たい目線で見られ会社から見放された。

そんな時彼はある高校生に出会った。

※この作品での出来事は全て空想です。

作品に登場する団体は現存する団体などとは一切関係ありません。

9

ダメだな..いい情報がない。


俺はあれからネットで怪談についての情報を探しているがほとんどが作り話。

と言ってもそれの真偽を測る水準はない。

正確にいえば俺が求めている話でないと言うことだ。


なんでそれで作る話ななるんだ?


まぁそれはさておき。

やっぱ自分の足で無駄足を踏んだほうがいいのかな?

俺はそんな軽い気持ちで外に飛び出した。


いつもは見ることがないがなんだか見たくなったのでポストを覗き込む。

「また勧誘かな?」

俺は中のものを取り出す。

「名刺?」

そこには沼地円太と書かれた名刺が入っていた。


なんで俺も住所を知ってるんだ?

冷たい空気を背中に入れられたような感覚が俺を襲う。


「なるほどな。で何を聞きたいんや」

あの名刺にはパーマのかかった女性そしてヒョロイ男性が入院している病院の場所が書かれていた。

だから俺は今ここに居る。


「あの怪談について何って知ってること全て。あと破れた服の弁償」

俺は破れた服を彼女に見せつけながら詰め寄るように言った。


「服なんかおはぁはんに買ってもらえて。どうせ実費じゃないやろ」

まぁそうだ。実費じゃない。

ぐうの音も出ない。

というかバイトしてない高校生なんて何を買うにしても実費じゃなくて親の金。


「二千歩譲ってそれは許すけど怪談の情報についてはいろいろと聞かせてもらう」

俺は彼女を睨みつける。


「まぁ少しならええで、しかしただっていうのは癪に触るな」

金か..金が欲しいのか...


「何を求めるんですか?」

「せやな。あたしの鼻を折ったお詫びとあたしの願いを一個聞くって言うんでどうや」

鼻を折った詫び?

俺はあんたに爆弾で吹き飛ばされたんだ。その詫びが先だろ...


「わかりました」

イヤイヤだったが話をややこしくしたくなかった。

それに謝れば情報が手に入るんだ。

別に減るものがないんだからいいと思った。

俺は“浅く“”短く“頭を下げた。


「で願いってなんですか?」

「せやな。あたしを外に連れてってくれ」


俺は女性を外に連れ出した。

女性は足も骨折したらしく車椅子に乗っているので俺が引いている。

俺の祖父が意車椅子の生活だから基本的な操作はこなすことができる。

とはいい坂道の操作は手汗をかくぐらい恐ろしい。


「一気に色々教えても理解ができないやろから少しずつ行くで。まずはあの実についてや」

確かに少しずつの方が消化しやすい。

しかしこんな操作をしながら聴けるだろうか。

マルチタスクは好んで行わない。


「わかっているのは突然生えてくるってことや」

「突然..」

俺はそう声に漏らす。


どう言うことだろう。

とてつもない勢いで地面から芽を出すのだろうか?

いや違うだろうな。言葉のままだろう。


「せや、さっき確認したやろって場所にいきなり生えてくる。もう一つ情報を付け加えるならその近くにはおそらく怪物になったであろう人の荷物が置いてあるや」

「いや、それは自然なことでしょ」

俺は突発的に反論してしまった。


あの実を食べてたら怪物になる。

怪物になったら理性がなくなる。

理性がない者が自分の荷物を見分けて持って行くわけがないそう思った。

これが普遍的でないというのか?


「確かにな、でもそれは”実がある=怪物が生まれる“って言う考え方やからや。その場に実があったとしてもそこに人がいるとは限らないやろ」

あぁと声に漏らしその考えに賛同した。


これは論理和回路ではない。

AかBの片方がオンになれば電源が入るわけではない。

木の実があったら怪物がいる、これが罷り通るなら人がいたら怪物になるも罷り通ってしまう。

そうなるとこの怪談は噂話という括りを遠に超えている。


つまりこれはAもBも、両者が同時にオンになる論理積回路の考えが適応される。

木の実があるなおかつ人がいる、このシチュエーションが必要なのだ。


しかしこれも本当に正しい考え方なのか?

突然生えてくるという文言から考えるなら木の実と人がバッタリあっただけでは済まされないと思う。

となると

「つまり、人がいるから実が生えてくる」

俺の出した解はこれだった。


「ええ考えやな、意外と頭が切れるんやな。あたしらはそう考えているけどなんせデータが少なすぎるからな」

この仮説を真実だと仮定した時俺がやらなければならないことは何か。


それはどんな人の前で実が生まれるのか。

この発動条件(トリガー)を見つけないと解決できない。


「今日はこんぐらいにしとこうや。この情報で考察しとき、そしたほうが次の情報を取り入れやすいやろ」

「そうですね」

俺はさっきのことを考えながらテキトーに流すように返事をした。

確かにこんだけあれば色々と考えられる。


「ついたな」

いつのまにか近くを流れる川に到達していた。

春には桜が綺麗に咲くのだが最近は木の伐採が進んでしまい痛々しい木が目立つ。

今は青々とした立派な葉っぱで生い茂っている。


「ここで何を?」

もう彼女は用済みなので早く帰りたいという思いが言葉に表れてしまった。


「なんや、もう少し隠そうとしいや。それはさておき、ここはな小さい頃妹と一緒に遊んだ場所なんや」

「妹さんがいたんですね」

昔話か。

どうして老人古い話をしたがるのだろうか。

というか愛知県出身なのか。やっぱりイセ関西弁(偽物)だったな。


「せやな、でももういないんや」

もういない?

この流れからすると...


「まさか、あの実で?」

「せや」

見事的中。


「それはお気の毒に」

こういう会話をしたことがないためにどのような答えが一般的なのかわからず思うがままの言葉を発してしまった。


「なんや兄ちゃんにも人の心あったんか」

世間全般の回答を出せたらしい。


「ひどいですね。あの..妹さんがいなくなったのっていつですか?」

あまり踏み込んだ問を投げかけるべきではないのだろう。

しかしこのまま流すのは違うと思った。


「つい最近や、三月だったかな」

「三月...」


「あたしがやってる仕事が始まったのはそのほんのちょっと前らしい。でもあたしが入ったのは妹がいなくなってからやけど」

「怪物って最近現れたってことですか?」

俺は思ったままを言葉に表す。


「どうやろな。今みたいに上の方で情報をもみ消している可能性だってあるしな」

もみ消している..本当にそうか?テレビや世間の話題は怪物でいっぱいだ。


「揉み消してるって何を揉み消しているんですか?世間には出回ってますけど?」

「沼地さんの考えや。噂話にしておけばこんなアホみたいな話信じる奴はいないだろって、まぁにいちゃんみたいに噂話を信じて肝試しにくるやつもいるけどな」

あれ?会話が成り立ってないような...

いや、成り立ってない。


「すみませんね」

俺は空を見上げながらそう言った。

呆れてしまった。

それに俺みたいな人が出てくるから沼地さんの考えはあまりいいとは俺には思えなかった。


「今何をやってるか知らんけどほどほどにしときいよ」

こっちもこっちで蛍の光が流れ始めたらしい。

「それはできません」

俺ははっきりと断る。


「なんでや」

彼女はこちらを振り向きそう言った。

「俺には力があるからですね」


本当はどうだろう。

前にいろいろと理由を列挙したけど結局は承認欲求を満たしたいというのが俺の心の真意なのだろう。

まぁでも表面上で真っ当な理由を述べることになんら不利益はない。

でもそれを嘘つきという。いい子ちゃんを演じるということなのだろう。

吐き気がする。


「なんや正義ごっこか?」

正義ごっこ...


「そうですね、偽善者ですよ」

善人ってなんなのだろう。

心の底から他人の幸せを願う人?


「バカやな」

軽蔑するような視線を送ってきた。

それに対して俺は笑顔で対応。


「そういえば名前を聞いてませんでしたね。教えてくれませんか?」

「沙羅、井上沙羅や。あんたは?」

そういえば俺も言っていなかった。

「アスノ、アスノソラです」

俺はマスク越しで見えないだろう笑顔を送った。

俺たちはこれ以降話すことなく病院に戻っていった。

10

さて先ほどの内容から色々考えてみよう。


一番考察しがいがありそうなのは突然現れるという点であろう。


さっきまで何もなかったのに再度行ってみるとそこに実がある。

本当に突如として現れるとしてその条件はなんだろうか?


人が来た?


それだったら一度目に回った時に突然現れないとおかしい。

おそらく人が来るのにもう一つ何か条件があるはず。


例えば何かを持っているとか体の状態とか。


そこを今後は気をつけて観察しよう。

今後って..今までに一度も見たことないのに..


俺はあの日実を食べた場所に来た。


優斗はまだ行方不明のままだ。

見つからない可能性の方が高い。

というか真実を俺は知っている。

知っているだけで理解していないのだろう。


いや違う。

理解しようとしていないんだ。


とはいい今まで目を逸らしていたがもう一度焦点を当てようと思った。


俺は最後に優斗を見た場所に向かった。

「ない...」


あの時ここにはあの青い木の実が成る気が生えていたはずだ。

なのにそこには跡形もない。


でも冷静になって考えてみればあの奇人たちが処理していると思い納得がいった。

一応情報の流れの操作はしているらしいし。


俺はうる覚えの記憶をたどりに木が生えていただろう場所の土を掘り始めた。


おそらく奇人たちが爆弾で吹き飛ばして処理している。

しかし地下に生えているものなら残っていると思ったのだ。


結果から言えば空振りだった。


まぁ結構地面も抉れているし無理もないと自分を納得させた。


俺は一応ここの写真を撮っておこうと思った。


記憶というのは曖昧だ。

思い出すたびに誇張されてどんどんと真実からかけ離れていく。


これが何かに使えるかはわからないがが役に立つ可能性があると思ったからだ。


「あれ?圏外じゃない....」

ふと気がついた。前にここに来た時は圏外だった。


あの人たちの爆風か何かで圏外になったと考えるのが正しいと考察。


以外のいろいろやってるんだな


俺はここから離れて次の場所に向かう。


優斗はさっきの場所に出ると言っていたが俺の調べでは他にも出没していたらしい。


それがここ。

近くの住宅街を囲うようにある森。


最近は開発が進められて少しずつ平地になってきている。


小学生の頃はちょくちょく遊びにきていた。

その時の風景とは似つかないものが数多くある。


「熊になった人はどこであの実を食べたか...」

一番初めに思いついたのは東の方向のある公園。


以前遊びにきたことのある公園で遊具はあまりなく他に比べて標高が高く山に接している。

上に行けば行くほど草がぼうぼうに生えている。


ここで夜景でも見ていた人があの甘い香りに惹かれてしまった?

という少しロマンチックな想像をしてしまった。


「そういえば甘い香りがするとかなんとか言ってたな」

お顔が甘いと思っていたが経験的に魅力的に甘い香りがすると言うことだろう。


しかしどうだ?


俺たちは後ろから来た熊に気づけなかった。


もし甘い香りがするならその違和感に気づくはずだ。


まぁネットの情報だからなと思った。

それに自分の家の匂いは何も感じない。それと同じなのだろう。


「ないな...」

かなり奥まで潜った気がしたが何一つ情報源は見つからなかった。


まぁ元々ここにあると決まった訳じゃない。

候補を一つ潰したと思えば悪くないと思った。


俺はそれからもう少し探索して日が暮れたことを確認して家に帰った。

家に帰った俺はSNSを確認していい情報があるかを確認した。


「ある...」

それは青色の狼の怪談。


強風が吹くで有名な橋を渡った先にある地域での話らしい。

「近いし明日行ってみるか。」


俺はその投稿を隅から隅まで読み込んだ。

いくら読んだってそれがフィクションかどうかなんて見分けられなかった。


嘘を嘘と見抜けない者にネットは厳しいのだろう。

11

朝だ。


暑い。


こんな日に外に出るのはなかなか嫌だが仕方がないので目的の場所に向かう。


真昼間から怪物がぶらぶらと街をうろつくかと言われると反論が出てこない。


でもこれは怪談だ。奇想天外なことは日常なのだろう。


「ここだな」

俺が初めに行ったのは公園。


あれからあの怪談について色々調べている中で似たような投稿を三件発見した。


そのうちの二件がここでの目撃情報だったのだ。


これは事実なのだが情報自体が事実じゃない。


と言うのもこの三件の投稿の言葉遣い、句読点の使い方、表現方法からなんとなくフィーリングでわかる。


これは同じ人物が書いている。


まぁそれはさておきこんなことをわざわざ無関係な人間がやるとは考えにくい。


何か裏があるはずだ。


情報統制というべきなのか?

何か力が働いている気がする。


考えすぎか。


それはさて置いてとりあえず今日のところは踊ってやることにした。


目撃時刻は午後9時から11時と遅い時間である。

今から12時間以上ある。


これはしくじったと思ったがそれも後の祭り。

俺は準備に取り掛かる。


俺はかなり強くなっているとはいい何があるかはわからない。


だから備えようと言う訳である。


俺は近くの店に行ってスコップを買った。

落とし穴を作ろうと言うことである。


古典的な方法ではあるがかなり効果があると思った。

人であっても不意の落とし穴は効く。



まぁ懸念点は公共の場所に大人よりも大きい者が埋まるような穴を作ると言う点である。

子供が引っかかって怪我でもしたらどうするのだと言うことである。


だがしかし、それ以上の脅威を退けるのだからノーカンだし常に見張るから引っかからないだろうと言う希望的観測。


そんなこんなでどこに穴を開けるか考えているとベンチで座っている男性を見つけた。


よく見てみると泣いているのだった。

「あの...泣いてます?」

俺は何故か彼に話しかけていた。

いかがでしたか?

少しずつでも表現力を手に入れられるようの日々努力します。

では軽く登場人物のプロフィール紹介といきましょうか。

名前:アスノソラ(主人公)

生年月日:2008年4月(16歳)

身長169cm

体重51kg

趣味:絵

説明:いつのまにか行動的になっている人。

学校に行っていないため青髪を隠そうとしていない。

沙羅に求められたらすぐに謝罪するくらいのプライドの持ち主。しかしどこか天邪鬼な一面があるため度々面倒ごとを起こす。

ちなみに二個下の妹がいる。


名前井上沙羅

生年月日:不明

身長:自称170cm

体重:自称55kg

趣味:アニメ

説明:体のあちらこちらを骨折した人。

ちなみに全治三ヶ月と医者から言われた。

その間の仕事は何もない様子。

度々上の人が“彼女にだけ”見舞いに来るらしい。

ちなみに沙羅には三個下の妹がいる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ