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第一話:噂の怪談 その1

怪談、それは怪しい話でなくてはならない。

高校生が片手間に書いた作品です。

表現力が足りていなかったり、誤字脱字があるかもしれませんが暖かい目で見ていってください。

作品をさらっと紹介

2024年の夏を舞台にある高校生が怪談に足を突っ込んでしまう物語。

※この作品での出来事は全て空想です。

作品に登場する団体は現存する団体などとは一切関係ありません。


「なんで俺がこんな目に..」

1

「知ってる?最近の話題。テレビで持ちきりのあれだよ」

「知ってる、知ってる。あれでしょ、あれ、なんだっけ..そうだ怪物が出たみたいなやつでしょ」

「そうそう、本当だったら怖いよね」


最近電車に乗っているとこのような会話を立ち聞きすることがある。


どうして最も簡単に絵空事を信じそれを他人に伝達してしまうのか。


自分が流した情報が“嘘偽り”であった時に責任を背負うことができるのだろうか。


本当に理解し難い。


「バカだな...」

つい言葉になって出てしまった。

2

植物はなぜ昆虫を呼び寄せるのか。

それは交配してより良い子孫を残すためである。

植物はなぜ果実を実らせるのか。

それは鳥に種子を運ばせるためである。

植物たちは自分たちで世界中に分布を増やすために進化するのでなく、他の生物を利用する道を選んだ。

3

パンッ!、ラケットが空気を断ち切る音が体育館一体に轟く。


あんなの止められるかよ....


「行くよ、アスノ」

俺に合図を送る声がしたのでそちらを振り向く。

俺は同意を伝えるため首を縦に振りそれを表現する。


相手がシャトルコックを打つのは視認することは容易にできた。


しかしまばたきをする時間さえなく突如としてシャトルコックが新幹線とすれ違った時のような風をまとって目の前に現れた。


俺はギリギリで反応しそれを捕らえて山の形を描くようにして最善を尽く優しく打ち返す。

それは“ラリーを続ける”という意志を乗せて打ち返したはずだった。


しかしながらその思いは通じることなく俊敏な反撃を叩きつけられてしまった。


思わず心の中で笑ってしまった。


取ろうと思ば取れたのかもしれない。しかし俺の体は思うように動かなかった。


そういえば前もあったな。テニスの授業の時だったけ。

トーナメント形式の勝負。


俺は授業以外でテニスを触ったことがなく本当に下手で下位にいたというのは紛れもない事実。

だとしても打てない。


俺が打てば相手の子に勝ち、その子が一番下になってしまう。

そんなことが脳裏によぎる。


俺が犠牲になればこの子はそれなりの成果を残すことができる。

そう思って後一歩を踏み出すことができない。


いや本当にそうなのか


都合のいい言い訳を列挙して勝利から目を逸らしているだけじゃないのか。


そんなことを考えながら俺はすぐさま地面に落ちたシャトルコックを取りサーブの姿勢に入る。

「行くよ」


俺は相方に合図を送り山投げのサーブを出す。

しかし、何時ものごとく、目にも止まらぬ速さのシャトルコックが俺の胸を直撃する。


なんだか慣れてきてしまった。

だからと言ってこのままやられっぱなしと言うのは不服である。


だから次は打ち返すと心の底から決意する。

しかしそんなものは口先だけの決意にすぎなかった。


俺の渡したシャトルコックは倍以上の速度を帯びて俺の元に帰ってきた。

それはまるで相方との熱量の差を表すようだった。


もう少し手加減してラリーを続けたいと言うのが本音だが両者の思いはこの先も通じ合うことはなかった。


まぁいいや


息が篭り汗がついたマスクを取り服の裾でそれを拭き再度付け直した。


体育の授業は終わった。

六限の物理が始まる。


はっきり言ってここは無法地帯と化す。


先生の監視が甘いため後ろの席の奴らはこっそり隠れてスマホをいじったり寝たり喋ったりとやりたい放題だ。

俺をはじめとしたクラスメイトも呆れてはいたが俺はそれついてどうすることもできないと思っている。


学校内でスマホを使うのは校則違反。

これが自称進学校の象徴なのだろう。


それはさておき通報して彼らに反省文を書かせそれをみるというのも非常に滑稽でなのだろう。


しかし俺と彼らの間にある“あってないような微少な量の絆”を切って困窮した際に助けを求められなくなるのは悪手でしかない。

人間関係と言うのは賭けのようなものだ。


誰とどのくらい時間の賭けて信頼関係を築くか。

厄介者と親しくしていると客観視いい印象を持たれることはないだろう。


そういうことだと。


他人が悪行に手を染めるのを見たら結託するのでなく注意しろと大人は常日頃言っている。


だがそれを実行することによるに“メリット”は皆無に等しい。

なのに『誰がチクったんだ』という犯人探が始まる。

特定されたあかつきには村八分になると言う“デメリット”ただそれだけが残留する。


だから俺は大人が見つけて摘発して欲しいと身に沁みて思う。

それにこれは責任転嫁のように感じてしまう。

なんて不合理なんだと常々思っている。


ほんとめんどくさい

4

翌日。

今日は1学期の終業式である。

まぁ1学期の終業式。


悲しみなんてものは全く湧かない。それに反比例するように嬉しさがある。

それはほぼ全ての学生の総意だと思っている。


終業式の名物といえば悠久の時を感じる多方面の先生方のありがたいお話である。


いつ頃までであろうか。

こんな永遠とも感じる話を熱心に聴き、毎回のように必ず感想を持っていたのは。


いや、今だってそれが日々腐敗していっているだけで感想の一つくらいは持っている。

“早く終われ“という感想を


気づいた頃には必要ないと独断専行し馬耳東風の姿勢を貫いてしまっているが。


それが不心得なことであるということくらいは既知である。

そのために時折、損をしてきた。


だから以前より人の話を聞くようにしたがこのような話はどうにも聞こうと思えない。


そしてこの日最も不愉快だったこと、それは時間割である。

俺たちの高校は25thを迎えたのだ。

それに伴い人文字で校章を作り撮影するということになったのだ。

焼けつくような暑さの中かなりの時間待たされ危うく焼死するかと思ってしまった。


しかしこれは主催側すなわち学校側にとっては思った以上に短い時間で終わったらしく次の事までの時間が1時間半も空いてしまった。


どうしてだろう


どうしてこんなにも待つ羽目になってしまったのだろう。

入学する前は高校というところは落ち着いていて能率がよい場所だと思っていた。


ところがどうだろう。


学校側の指示と計画は曖昧、それと生徒の理解力、やる気のなさがかけ合わさってみるに耐えない状況になっている。


数学の世界では、負と負がかけ合わさると“正”になるはずなのだが、現実ではそんなことなく“負”になるらしい。


そしてこの無限とも思える時間を待った先にあるのもかなりつまらないとこだというのに。


つまらない話とは礼儀知らずなのかもしれない。いや礼儀知らずであるが本当につまらないのだ。


それは俺たち一年生に向けてこの春卒業した大学生が大学または高校生活について話してくれる会。

通称”卒業生と語る会“である。


その中でためになったことが一つあったのでそれについて軽く紹介しようと思う。

「ねこ」それを英語にして欲しい。


cat。


「いぬ」それを英語にして欲しい。


dog。


「とり」それを英語にして欲しい。


bard。


「かっぱ」それを英語にして欲しい。


うん?と思ったのではないのだろうか。

「かっぱ」は“河童”だから“Kappa”ということなんだろうか。

一般的に馴染みのない単語を聞かれた時には困惑してこう答えるだろう。


お恥ずかしい話、俺はそれすらも思いつかなかった。


確かにkappaで正解なのだがここで“rain coat”と答えた人はいただろうか。

「かっぱ」は河童であるがrain coatすなわちカッパつまり雨具である。


前者3つが動物だから「かっぱ」も動物だと勝手に決めてかかってしまう。


そこでかっぱを雨具と答えれる柔軟性。

一つのことに縛られてしまう。

そういう考えはよくないという話であった。


たまには聴くもんだな


ついに終わった。


俺は淡々と荷物をまとめて校門を出てせかせかと駅のホームに向かった。

駅のホーム電車を待っていると同中で同じクラスの優斗がやってきた。

「よっ、アスノ。また一人か?悲しくないのかよ」

「別に」


痛いところついてくるな...


また一人、そうだクラスに馴染めていない。


それは常々感じている。

これは言い訳なのかもしれない、でも俺は思うことがある。


類は友を呼ぶ。


うちのクラスの男子はあまりいい人たちとは言えない。


言い方に語弊があるな。

心の優しさなら思いやりがあり、それが眩くて自分の心の醜さを再認識させられる。


だとしても校則違反をしている。


物理の時間のようにスマホの使用。


俺はそれを一緒になってやろうとは思ない。

一緒に反省文を書こうだなんて思ない。


この軽率な行動がこれからの高校生活にどのくらい響くのかわからない。


だから一緒にいたくない。


本当はこのことを密告したい。

でも、薄い絆の糸をこれ以上薄くしたくない。

ここでも感じる世の中の闇を。


あれ?また同じこと言ってるな...


「まっそれでいいならいいけど。必要なことは話すしいいんじゃね」

そう俺に告げてすぐに彼は友達が来たのでそこの群れに入って行った。


結局は友達が来るまでの暇つぶし役、中継ぎにすぎなかったのだ。


電車が来た。

目的の駅に着いた。


駅に着くまでの電車内での高校生をはじめとした若い人たちの会話内容はあの絵空事、“怪談”で埋め尽くされていた。


ついにその話題は俺にも牙を剥いてきた。


「遅いぞ、アスノ」

改札で偶然ではなく必然的に優斗と出会った。

「出待ちかよ。てか遅いってなんだよ」

たちが悪い。


改札はここにしかない。つまりここを通る以外にホームを出ることができないのである。


「なんで待ってたんだよ」

俺は見るからに毛嫌いしている態度をとる。

「知ってるかこのニュース」

俺のこの態度が見えていないのだろうか?

そう言いながら優斗は得意げに俺にスマホを見せてきた。

その内容はあの怪談だった。


「お前、あれを信じてるのかよ」

俺が呆れた口調でそう言うと不満そうに

「なんだよ。つまんねな、そういう所だよ」

と言ってきた。

ノリが悪いそう言いたいのだろ。


確かに虚言癖があり面白そうと思うとそれに乗るがこういう時はストレートに返す。


それの何が悪いのか俺には理解できない。

というかそう言うところだよと言いたいのは俺の方だ。


「で、それが?」

『そっ』と言って帰ろうとしても引き留められるのが目に見えてるので他に打つ手がなく話題を繋げた。


「いやーさ、その怪物が出たっていう場所が近くにあるんだよ。」

一緒に行こう。そう言ってくるだろう。


まじかよ


「今日行かない?」

案の定だ。


「行かない。俺はそんなものを信じない。」

俺は強い口調で反撃する。

あんな怪談のために時間を割きたくない。

「けー、つまんね。まぁまぁこいよ。」

どうしても行きたくない。


この怪談に興味がないのも一つだが俺はこいつと一緒にいたくない。


「どうしてもか?」

「そんな遠くないからこいよ」

”断る“その言葉が喉から出ることはなかった。

5

なんやかんやで怪物が出没したという場所にきた。


そこは寺とお墓が隣接したオカルト的な話によく出て来そうな場所だった。

周りは住宅街に囲まれているが敷地の内部は木が繁茂していて動物がいてもおかしくない場所だ。


「なぁ怪物ってどんなやつなんだよ。漠然と怪物って言われてもわかんねーよ」

俺は疑問をストレートにぶつける。


「青い熊だってよ」

「青い熊?」

「背丈は人間くらいで少し細かったっていうんだよ」

そこまで聞いても理解できないことがある。

なぜそれだけで怪談になってしまうのか。


それにどこに怪しい要素があるのかがわからない。

青い?目の錯覚かもしれない。

ただそれだけで怪物?

不思議だった。


もしかしたら何か決定的な何かがあるのかもと少し気になってさらに深く尋ねてみた。

「なぁそこのどこが怪物なんだ?今聞く限り青い、それだけじゃないか。それだって目の錯覚だってことはあり得るだろ」

「そうなんだよ。俺も変だと思って調べてみたんだよ。そしたらさ。甘いんだってよ」

何がと聞こうと思ったが肉が甘いというわけがないから顔が甘いのかと思ってしまった。

「それだけで怪物?」

俺は首を傾げてそう尋ねた。

「いや、かなり怪しいだろ。みんなその甘さに惹きつけられるって」


どんな顔をしてやがるんだ。


こうなってくると非凡な何かを想像していた身からするとテンションが下がってしまう。


「ほらみてみろよ」

優斗は右側の方を指差した。

そこには3人の大人がいた。

「多分あの人たちも見に来たんだよ」

馬鹿馬鹿しい人々もいるものだ。呆れてしまう。こういう人たちが怪談を流してるのだろう。

そんなブーメランを勢いよく自分に投げた。


「これいつまでここにいる気なんだ?」

せっかく学校から早く帰れたというのに何もない虚無の時間を過ごしたくなかった。


「怪物がくるまで。いいだろ、もう夏休みなんだし」

不服だったがまぁ1日くらいと思ってしまった。


少し時間が経った。

「本当のくるのか?大体前にここに来たから今日もここにくるとは限らないでしょ。まぁしらみつぶしに探すよりマシかもだけど」

発言している際に意見が変わってしまった。

まとめるとあまり長くここにいたくない、それを言いたかった。


「せっかちめ待てって」


結果論になってしまうがこの時どこから怪物が来るのかということは最も重要視するべきだったと思う。

動物は森の中に住んでいる。すなわち熊は森に住んでいて森のあるところから住宅地の向けて行動している。

そんな素朴な考え方、そう決めつけた考え方。それが命取りだった。


俺たちは森しか見ていなかった。

後方に警戒をしていなかった。


その怪物は熊ではなくて熊に近しい何か、そう捉えて考えるのが正しかったんだ。


これは怪談、怪しい話。

怪物の登場方法がゾンビのように土の中から出て来たり吸血鬼のように人間の影に潜みそこから出てくる。

そんな風に予想外な登場方法だっておかしくない。


そう今回の怪談の怪物の登場方法は住宅地から平然と現れるだった。


つまり俺たちの後方から奇襲して来たのだった。

いかがでしたか?

かなりの頻度で修正をかけています。

読むたびに見つけるんですよね。

少しずつでも表現力を手に入れていきます

では軽く主人公のプロフィール紹介といきましょうか。

名前:アスノソラ

生年月日:2008年4月(16歳)

身長169cm

体重51kg

趣味:絵

説明:インキャ、無口であまり周りと関わらない。人のために行動するのは嫌いと言いながらなんだかんだ理由をつけて人を助けてしまう。

本音を隠していい子ぶる人を嫌っている。


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