第一章 異世界召喚【異世界編Ⅰ】
登場人物
【人間側】
花村翔…剣士
村上恵…魔術師見習い
プリムラ…騎士
ハル・マライト…四大魔術師 地属性
アベル・アストロイド…作中最強の騎士
【暗黒教側】
ユラミ・バーン…暗黒教 闇の王直属四大魔神 地属性
ミヨ…暗黒教 闇の王直属四大魔神 風属性
アゲハ…暗黒教 闇の王直属四大魔神 無属性
マヤ…暗黒教 闇の王直属四大魔神 火属性
ガンマ…暗黒教 闇の王の守護者 闇属性
マイルド…暗黒教 闇の王の守護者 水属性
2030年7月7日 午前10時【現実】
「おーい、めぐみ‼」
翔は恵の家の前で叫んだ。
翔は恵の家の前に来ると、必ず大きな声で叫んで恵を起こしている。
「ん?誰だろ、こんな朝に大きな声を出しているのは。」
恵が少々困惑していると…
「起きてるんだろ~、早く準備しろよ~」
愛しの翔からの声が聞こえた。それに対して恵は甲高い声を出した。
「あっ!翔くんだ!起きてるよ~」
「恵、玄関前で待ってるからね~」
「はーい、ちょっと待っててね♡」
翔と恵はいつもと変わらない日常茶飯事でイチャイチャな会話を続けた。
近所に住んでいる人たちはまたイチャイチャが始まったと内心思っている。
そして30分後…
「翔、お待たせ~」
翔に挨拶をする。
「恵!待ってたぞ~、今日も恵は可愛いな。」
「ちょっと!朝から照れるじゃん。」
二人が朝から砂糖が出るほどイチャイチャしていると、突然目の前の視界が急に真っ暗になった。
「ん?何だよこれ。あっ、恵いるか?」
翔が恵の安否を確認してくる。
「私は大丈夫だけど、翔はどこにいるの?」
恵が不安そうに声をかけてきた。
「良かった。恵、手握っているから俺から離れるなよ。」
「分かった!」
二人が安全確認した後、記憶が遠ざかっていった。
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2030年7月7日 午前11時【異世界】
気を失ってから数分後…
「んっ、ここは?どこなんだ?ってそれより恵いるのか?」
翔が慌てて愛する恵の名前を叫ぶと、
「翔、なの?私はここにいるよ!」
「良かった、無事だったか。」
二人が安否確認をする。
すると、奥の方から奇妙な音と共に誰かが近づいてきた。
「XXXXXXXXXXXXXXX」
「ん?なんて言ってるんだ?」
翔が疑問に感じていると恵が、
「たぶん、現地の言語じゃない?」
と言った。そして、そんな考察を続けていると、知らない人が喋りかけてきた。
「お前たち何もんだ。そして、見ない顔だな。」
二人は驚いた。なぜなら、さっきまで聞こえなかった言語が聞こえるからである。
「えっ、ちゃんと聞こえる…」
二人とも不思議に思っていると…
「おい、返事になってないぞ。」
謎の人物に怒られてしまった。
「す、すみません…。気が付いたらこの世界にいて…」
翔が事情を説明した。すると、謎の人物がこういった。
「そんなことがあったのか。すまない、許しておくれ。」
謎の人物は丁寧に謝った。
「あ、ありがとうございます。その、あなたのお名前はなんですか?」
二人は不思議な人に名前を聞いた。
「私に名をきくか。君たちには教えれないな。」
「な、なぜですか?」
不思議な人は名前を隠した。しかし…
「私はこれでも騎士だからな、簡単には名を教えん。あえて名乗るならユーリだ。」
ユーリと名乗る騎士は名前を翔たちに教えると、何処かに行ってしまった。
「何だったんだろう。」
「確かにな~、気になるな~。」
二人は不思議に思いながらも、次のことを考えていた。
「よし、取り敢えず繁華街に行くか。」
「うんっ!行こっ!」
そして、ここから二人の愛と冒険の物語が始まったのである。
二人はこの世界の過酷さをまだ知らない。
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2030年7月14日 午前8時【異世界】
あれから一週間後…
二人はどうにか現地のお金を集めるため、森の中のアイテムや素材を拾って売り、繁華街のホテルもどきに泊まっていた。そして、ユーリという人物との待ち合わせ日になった。
「恵、起きろ~、朝だぞ!」
翔が恵の部屋の前で大きな声を出した。
「え~、まだ寝てたい~。」
恵は翔に甘えん坊さんなのである。
「だーめ、今日はユーリさんに会う日なんだぞ、遅刻は絶対だめだ。」
翔が必死に恵を起こそうとしていると、恵が甘え声で…
「じゃー、寝起きのキス、して。」
翔は恵のわがままを何でも叶えてあげたくなる性格なのである。
翔は恵の甘い声に弱い。
「仕方がないなぁ~。んっ。これでいいだろ。」
翔は恵に軽くキスをした。
「んっ、んっ。よしっ!今日も頑張ろう!」
恵はさらにキスをし、恵はすっかり目が覚めた。
そして、ユーリさんに会う時間になった。
待ち合わせの場所に向かう。
「お久しぶりです、騎士ユーリさん。」
ユーリという人物に声をかけた。
「お、ショウだったな。久しぶりじゃないか。」
「あ、あの~、いつになったらユーリさんの本当の名前を教えて頂けるのでしょうか。」
翔はユーリに名前を教えてもらえるか聞く。
「あ~、名前か。まぁ、もういいだろう。ショウ、メグミだったな。」
『はいっ!』
二人は元気よく返事をした。
「私の名前は…アベル・アストロイドだ。」
『アベル?』
二人はアベルと呼ばれる騎士の名前を聞いた途端驚きが込み上げてきた。
「なんだ?そんない珍しいのか?」
アベルという人物が疑問視した。
「い、いえ。その、騎士アベルって最強騎士ではありませんか?」
「あ~、そう言えば言われていたな。気にしてなかったから覚えてなかったよ。そして、君たちは今、どこで寝泊まりしているんだい?」
アベルは半笑いで答えた。
騎士アベルのその問いに翔は…
「えっと、宿です。」
「そうか。なら、プリムラのとこに行くといい。俺から直接説明しておく。」
アベルは二人にこれから過ごす宿を紹介した。
「えっ、いいんですか?迷惑じゃありません?」
「いやいや、そんな迷惑な。全然大丈夫だ、プリムラのとこに居れば護衛はいらないからな。」
騎士アベルが護衛と言った途端、翔はある疑問が浮かび上がってきた。
「えっと、護衛ですか?」
そして、続けて恵が、
「何か悪いうわさがあるんですか?」
二人が不安そうにしていると…
「あぁ、噂なんだけどな、暗黒教がこの辺りに潜んでいるらしい。だから、お前たちを護衛したいんだが、私は前線にいないといけないからプリムラに頼んだんだ。」
アベルがそう言うと、一枚の紙を渡してきた。
そこにはプリムラの居場所がこう書かれていた。
『ユークレット村のリーダー:騎士プリムラ
ここから北に真っすぐ森を抜けたところに大きな城がある。そこがプリムラの居場所だ。』
二人一緒に返事をする。
「ありがとうございます。」
「お前たち、元気でいろよ。」
『はいっ!』
そうして、翔たちはプリムラのいる城を目指し、旅を始めた。
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次回予告
「第二章 我が名は…プリムラ!」
更新日は未定(来年中かも)
【異世界編Ⅰ】の目次は以下の通りです。
第一章 異世界召喚
第二章 我が名は…プリムラ!
第三章 不気味な様子
第四章 暗黒教
第五章 最強騎士 アベル・アストロイド
第六章 倒したはずの…