ずっと笑ってはいられない コメディ
「あひゃひゃひゃひゃ。先生にお父さんだって。うける!」
俺は学校の中で爆笑していた。
今は放課が始まってすぐ。
クラスの中には、弛緩した空気が流れている。
そんな中に響く俺の爆笑。
何が面白いかって?
さっきの授業での出来事さ。
隣の席の優等生さんが、めずらしく寝ぼけてたんだ。
そんで先生にあてられた時、起きた後あわてて「お父さん」って呼んだんだよ。
「あひゃひゃひゃひゃ、おっかしー」
おもしろくね?
そんな風にずっとツボに入っていたら、隣の席の優等生さんが切れた。
「いい加減にしろ!」
「ぐはっ」
渾身の一撃。
腹にめり込んだ拳から伝わる衝撃が痛い。
「いててて、何すんだよ」
「いつまでも笑ってるからだろ。そんなに人の失敗が面白いか!」
「たりめーだろ。ぶひゃっひゃひゃ。だって、まさかそんな間抜けなセリフが、すかした優等生さんの口から出てくるなんてよ。げひゃひゃ。いつも、俺には関係ないとか、一人にしてくれ、とか付き合ってられないとかクールぶってる優等生さんの口から。あひゃひゃ」
「~~っ!!」
優等生さんは真っ赤になって、拳を振り上げ、ではなく国語辞典を振り上げてきた。
「ちょったんま。さすがにその鈍器はまずいでしょ。死人が出るでしょ。やめ、いてててて。椅子で殴れって意味じゃねーよ。持つな死ぬ俺が!」
ちょっとやりすぎたらしい。
今すぐ笑いを止めないと、殺人現場が一つできてしまうかもしれないな。




