この女騎士をアヘらせたら100万円
女騎士「王様に幾ら貰った?」
ベネット「10万ドルポンとくれたぜ! でもな女騎士様、お前をアヘらせと言われたらタダだってやるぜ!?」
とある女騎士団に、絶対にアヘらない事で有名な女騎士がいました。
王様はどうしてもその女騎士のアヘ顔が見たくて、こっそり女騎士に内緒でお触れを出しました。
――女騎士をアヘらせた者100万円の報酬とする。なお、女騎士を傷付けたり乱暴したり、このお触れについて話してはいけない――
街の人達はとても驚きました。
「女騎士をアヘらせるだけで良いのか?」
「女騎士と言えば年中アヘってる奴等だろ?」
「へへ、簡単だぜ!」
皆が口々に発しました。それから暫く街中の人が女騎士をアヘらそうと色々と頑張りました―――しかし、女騎士は全くアヘりませんでした……。
「止めた止めた」
「あんな堅い女騎士初めて見たよ」
「無理無理無理……」
街の人達は次第に諦めました。
「……どれ、一つ俺がやってみるか」
そこで、とある青年が名乗りを挙げました。見た目も冴えない普通の青年です。
青年は先ず女騎士と仲良くなろうと挨拶をしました。抜き身の剣を下げ常に警戒を怠らない女騎士に声を掛けるのは、中々に勇気が要りましたが100万円に比べれば安いものです。
「おはようございます」
「うむ、おはよう」
青年は毎日女騎士に挨拶をしました。日常的な会話の中から女騎士がアヘるヒントを見つけようとしたのです。
「おはようございます」
「やあ、おはよう。今日も良い天気だね」
青年は次第に女騎士と打ち解けました。しかし女騎士をアヘらせる手掛かりは見付かりませんでした。
次に、青年は女騎士を食事に誘いました。
「美味しいヤキソバのお店を見つけたんだけど、一緒に如何ですか?」
「!! 行こうではないか!!」
青年は毎日の会話から女騎士がヤキソバに目が無い事を知り、上手く食事に誘う事が出来ました。
「何にします?」
「ううむ……色々食べた過ぎて決められないぞ!」
青年はヤキソバを食べる女騎士を観察しましたが、美味しい物を食べた位でアヘる女騎士ではありません。
「良かったら、俺の塩ヤキソバも食べてみますか?」
「―――え!? 良いのか!?」
女騎士は幸せそうな顔でヤキソバを頬張りました。
続いて青年は女騎士を景色が綺麗なお花畑へと誘い出しました。人気が無い大自然のお花畑なら緊張から解放されてアヘリやすいと考えたからです。
「綺麗な花だ……良い匂い♪」
「本当だね」
しかしまたしても青年の思惑は外れます。リラックスして花を楽しむ女騎士でしたが、アヘるところまでは行きませんでした。
青年は女騎士の身辺を探り日常生活を観察しました。しかし至って普通の生活で、アヘリそうな気配すらありませんでした……。
青年は女騎士を酒場へと誘いました。お酒が入ればいくら何でもアヘるだろうと考えたからです。
「おい、もう酔ったのか? だらしないなぁ……」
「ほへほへほへ~……」
ザル並の女騎士に対して、青年はグラス一杯でへべれけです。呂律が回らず足下はおぼつきません。
「あのーですね……女騎士しゃん」
「……何だ?」
「女騎士さんはぁ……好きな人とか居るんですかぁぁ?」
「な、何だその藪からエクスカリバーな質問は!?」
不意を突かれ頬が僅かに赤くなる女騎士。それを見た青年はここぞとばかりに口を開いた。
「さては……俺の事が好きなんですねぇぇぇ?」
「なっ! 貴様そこに直れ! 叩っ斬ってやる!!」
顔中真っ赤に染まりながらも剣を抜く女騎士。
「俺はぁ~、女騎士しゃんの事しゅきでしゅよー?」
「―――んぉ!?」
「だってぇ~、女騎士しゃんヤキソバ美味しそーに食べるし、食べてる時の顔滅茶苦茶幸せそうで可愛いしぃ……花とか愛でるのもぅ~とっても可愛らしいし~。あとたまに『どっこいしょ』とかオヤジ臭いのも可愛いーし、料理出来るし美人だし可愛いし私服とか以外とオシャレだし可愛いし寝るときに『ムニャムニャ』言うの可愛いし熊のぬいぐるみが無いと寝れないし剣術は街一番だし強いし可愛いし評判良いし可愛いし可愛いし兎に角可愛いんですぅぅ!」
青年が話し終えた時には女騎士は両手で顔を覆い隠していた。
「―――らめぇぇぇぇ……」
そして……ついに女騎士はアヘった。アヘ顔こそは手で隠れて見えなかったが、確かにアヘり声を聞くことに成功したのだ!!
「……あれ? 今アヘりました?」
「……アヘってない」
顔を隠したまま女騎士は答えた。
「アヘりましたよね?」
「アヘっていない」
「……可愛いね♪」
「んほぉぉ……」
「アヘったね」
「らめぇ……それ以上言わないでぇぇ……!」
顔を隠したまま首を振る女騎士。
「ククククク……! アハハハハ!!」
男は酒の勢いが頂点に達したのもあり、笑いが止まらなくなってしまった!!
「ハハハハ…………あーあ。でも可愛い女騎士しゃんのアヘ顔は、何だか王様に教えるのは勿体ないなぁ」
「何か言ったぁぁぁぁ……?」
「なんでもにゃい。ハハハハ!」
「もう! こんなに辱めて! 乙女の純情を傷付けて責任取って貰うわ!!」
「あらら、100万円パァになっちった」
「返事は!?」
片手で顔を抑えたまま剣を振り回す女騎士。実に恥ずかしそうだ。
「はいよ。喜んで♪」
「くっ……! ばかぁ……♡」
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