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第四話 決意

こっから、(不快な)エロ要素も強いかなと思います。

※なろう運営からの警告によって一部分黒塗り措置を施しています。

「あああ、コレだ……。コレだギャ」


 懐かしい快楽が体中を駆け巡る。

 ガルムは冒険者を討ち取った後、一党パーティーから剥ぎ取った装備と女性を戦利品に、ダンジョン内にあるホブゴブリンの巣を訪れていた。


「どウダ。我が巣の苗床は? 良い██(ようたい)が揃っているだろう」


「んむぅ最高だギャ。とくにコレは名器だな。反応も良い」


 ゴブリン達がたのしんでいる██(ようたい)……忘れてならないのは、それが人間の女性だということだ。四肢を傷つけられ、ただゴブリンの子を産むだけの体にさせられた、地獄に生きる者である。

 彼女はガルムの██████に「殺して、殺して」と懇願を上げる。そんな彼女をゴブリンはまるで物を扱うように『コレ』と呼んだ。


「そウダろう。ソレは我のお気に入りだ」


 そう言うと、ホブゴブリンは先程連れ帰った女剣士の髪を引っ張り、無造作に自らの███へ置いた。

 █████████████、████████████████████████。しかし手足のけんは既に切られており、そのこぶしに力は入らない。

 仮にこの地獄から逃れたとしても、剣士としての再起はおろか、日常生活にも支障をきたすだろう。


「ぐっフッフ。いきが良いな、元気に跳ねておるわ。よしよし、新しい██(ようたい)の具合はどうかな」


「嫌ぁ! やめて!」


 女剣士の声など気にも止めず、ホブゴブリンは██████を確かめる。そして█████ながら、ガルムに礼を言った。


「さッキは助かった。お前が居なければコイツらにられていたかも知れない。僅か一吠えで、あれ程までの数のゴブリンを呼ぶとは……名のある者なのか?」


「いや、俺はただのゴブリンだギャ」


「そウカ、あの統率力があればゴブリンコマンダーを名乗ってもよかろう」


 ゴブリンは莫大な個体数が居るだけに、特異種が生まれやすい魔物である。そのため人間はゴブリンを区別すべく、細かく系統に分けていた。身体能力が高く、大きな体躯たいくを持つゴブリンは『ホブ』と分類されるのと同じように、統率力が優れたゴブリンは『コマンダー』として分類される。ゴブリンにしてみれば、ホブだろうがコマンダーだろうが、同じゴブリンに変わりない。とは言え人間が作った分類はいつしかゴブリンの世界にも浸透していた。ガルムの持つ統率力は、他のゴブリンの追随を許さない。コマンダー足り得る能力であるとホブゴブリンは感じていた。


「コマンダーか……悪くない。いや、実はお前に頼みが有ってここに来たんギャ」


「ふム。命の恩人の頼みだ、ずは聞いてやろう」


「ここから離れたところに俺の巣が有る。そこで俺に雇われて欲しいギャ。このダンジョンはコイツらのように手練てだれの冒険者が来ることがあるが、ゴブリンの巣には新米冒険者しかこない。俺とお前なら恐るに足らんギャ」


「なルホど『雇われ』か。それで報酬は?」


「何が欲しいギャ?」


「高望みはしない。████████それで良い」


「██████████?」


「がハハはは! それ以外に何が有る。格安だぞ? 本来であれば人骨で出来た椅子ぐらいは欲しいところだが、命の恩人にそこまではしない」


 ガルムは考えてしまった。ホブゴブリンを雇うには████が必要だ。その為には村の襲撃は避けられない。███い、なんなら家畜も食べてしまうだろう。でもそれはゼティアとの約束を破ることになる。


「んムゥ? 何を悩んでいるのだ?」


「実は最近人間を襲っていなくてギャ」


「はア? ゴブリンが人間を襲わなくて何になる。しゅの繁栄もどうするのだ?」


「……メスゴブリンを見つけたギャ」


「馬鹿を言え、ゴブリンにメスが居るものか」


「それが居たんギャ」


「だカラと言って人間を襲わん理由にはならんだろ? 禁欲は体に良くないぞ」


 それもそうだ……と、ガルムは思った。それに懐妊期間が短いとはいえ、メスゴブリン一匹だけでは産まれる子の数が足りない。人間の██(ようたい)も作れば沢山の子が産める。先程味わった██(ようたい)は、久しぶりに█████████。


 ――決して人間と、その家畜を襲わぬように


 あの薄気味悪い、令嬢ゼティアの顔が頭をぎる。


「約束を破ったからといって何になるギャ……」


 自問する。


「うン? 何か言ったか?」


 ホブゴブリンはガルムに疑問を投げかけるも、妙に御満悦な顔をしていた。足元には███████████████れ、ぐったりとしている███――。


「わかった、█を用意しよう。我が巣に案内するギャ」


 ガルムは決心した。

 ゼティアとの約束を守る必要はないと。

 本能のまま人を襲い、本能のまま家畜を食らおう。


 † † †


 はじめのうちは巣にゴブリンの数も少なかった為、いきなり村を襲ったりはせず家畜から襲って行った。例えば山羊やぎはその典型で、食って良し、███て良し、とゴブリンの間では人気である。次いで、羊や犬も人気の家畜であった。余談だが、海に近ければエイも████████████悪くないという。

 暫くすると森の中を一人で歩く村人や、一人で作業をする農民など、単体の人間を襲うようになる。

 ガルムは彼の子や、ホブゴブリンのような『雇われ』を使い、ある程度個体数が増えて来た頃に『ゴブリンコマンダー』を自称するようになる。そして持ち前の統率力を活かし、小さな村を襲いだす。

 一つ、二つと襲撃する村を増やし、急速に勢力を拡大していった。群れは次第に大胆な行動を取るようになり、白昼堂々と村を襲撃するに至る。


「ひ、ヒィ! 助けて……」


 ある日、ガルムは多勢を率いて名もなき農村を襲っていた。昼にも関わらずゴブリンどもは村民を圧倒し、村を壊滅させた。田畑や民家に火を放ち、食えそうな家畜を貪り、██████い、それ以外の人間は全て殺した。貧しくも慎ましい平凡な生活は、三日三晩かけて徹底的に破壊された。ガルムはそれでも生き残りが居ないかと、用心深く見回りをしていた。そんな折、燃え残った民家の小さな狭い地下室に、身を潜めている少年を見つけ出した。年齢は十歳に満たないか。


「助けて、何でもします! ど……どうか殺さないで」


 少年は、█████、███████姿を、地下から見て居たに違いない。ゴブリンが去るまでは此処から出まいと息を殺し、空腹は地下室の土壁を削り食って紛らわせ、そんなトラウマを植え付けられた少年が、ゴブリンに「何でもします」と命を乞うなど、その屈辱たるや如何程のものか。

 人間はゴブリンの言葉を理解できないでいたが、逆に多くのゴブリンは人間の言葉を理解していた。故にガルムもこの少年が命乞いをしていると分かっていた。だからだろうか、ガルムは持っていた短剣の握りを少し緩めた。


 ザッ

 突如、背後から足音。

 ――おかしい。此処には誰も居ないはず。


 振り返ると、そこには令嬢ゼティアが立っていた。

縦書きPDFはこちらから

https://ayano-narou.blogspot.com/2019/03/blog-post_2.html

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