表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あおい夢~キラメキDaughters~  作者: 千賢光太郎
42/44

みんなとはぐれてしまった

おはようございます

「あれ、広」

「英ちゃん、どうしてここに、というかここはどこ」


広が学校におり。


「学校、広、美術館にいたんじゃないの」

「大和に電話をかけた後、いきなりあたりがおかしくなって、道路がなくなって、気づいたらここにいた」


ばくり、ばくり、ばくばく。音がなり、目を向けると黒い影に覆われた怪獣、風景を食べる。


「空を、大地を食べている。お、俺、言っていること、おかしい」

「いや、正確な表現よ」


ナツリが言えど、英子のみうなずく。食べた後は真っ暗一面なり、陰影もなし。


「早くこっちへ」


校内に入れば怪物、入り口前にて眠る。体が軽くなりぬ。


「あ、あれ、武彦は」

「小野田さんがずっとおんぶしていたはずじゃ」


武彦、煙すらなし。


「あそこ」


進が指をさせば、2階の校長室にある窓を叩きたり。血の気なく、両手で強く窓を叩けば逃げぬ。


「どうしてそこに」


大地揺れ、床は斜めに上がり、天井はひっくり返り、仲間とはぐれ、闇にひょうひょうとした音、


「み、みんな」


ぽつりと光あり、向かえば小型のLEDライトなり。


(お化け屋敷。私は今、一人。みんなの気配もない。普通の廊下、壁は老朽化、肌は老化していない。これはろうそくか。ロウの色が違うろうそくが4つ並んでいる。白い、火のついていないロウが一つ。赤・青・黄・緑。クリップボードがある。


あるろうそくだけ本当のことを述べている。


赤:俺は赤だ、間違いない

青:黄色は俺を通り過ぎた

緑:赤が俺の色を奪いやがった

黄:赤が横暴すぎて困っている


本当のことを述べているろうを白いロウへたらせ)


直感に身を任せ、ロウを選べば「きぃ」音を立て、扉が開きぬ。


「お、お母さん」


息ができぬ。いる。彼がいる、息子がいる。武彦がいる。


「武彦」


気づく。今は小野田英子で張井英子にあらず。


「わ、私は」

「おかあさん」


抱き着きぬ。冷たい手、指、ジワリと温かみがあふれ、頬から一筋の光、震えを抑えられず、


「武彦」

「お母さん」


手を握る。温かい。ぎしい、ぎしい。背筋冷たく、指の感触なく、


「あ、あいつが来る、怪物が」

「武彦、私から離れないで」


息子の手、温かい。

扉より現れる白い顔の「張井英子」、包丁を握り、のたり、のたり。

周りを見れど、武器はなし。逃げ場もなし。隅に追い詰めらるる。


す、す。


無口で迫る張井。なんと不気味な存在か。


「やめて、怪物」


包丁を天にかざせば、体が勝手に動きぬ。ゆっくり下す包丁。傷ひとつなくかわし、


「逃げるよ」


扉を出て、閉めれば、右も左もわからぬ道を走り、一つの部屋にたどり着く。


「図書室だ」


入ると、一冊のアルバムのみぞ、椅子にあり。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ