息子が愚かな王様になる日
今日はクリスマスイブですね。クリスマスよりも盛り上がりますね
「ここは」
扉の先にあった、お城の入り口。
空が黒にそまり、乱れた緑色の光が空を痛める。
「うひゃあ、雷だ」
「緑色の雷、初めて見た」
道はただ一つ、石でできた橋を渡れば、尖った屋根のお城あり。
「なんというか、夜のお城に雷、ホラーゲームの世界だ」
「俺なんて、昨日見た映画の世界にそっくりだ」
空より光が放たれ、心臓をハンマーでたたき割る音を聞こゆ。
「危なく私たちの頭上に落ちるところだった。早くお城に入るよ」
「走って」
ひょこっと顔を出すロロナとナツリ。ロロナは吠えて、ナツリはたたたと走り、三人がお城の入り口に入れば、
「ドアが閉まった」
「昨日の映画そっくりだ」
そっくりだ、声のみ響き渡る。入口に鎧をまとった巨人あり。巨人の顔は鼻がなく、目はぎょろり、口に牙、されと動かず。
「どうすればいいんだ、これから」
「王様の命令は絶対」
響く怒声、息を殺して向かえば、画面あり。
「武彦」
「おい、貴様、王様の言うことが聞けないのか。今からお前たちは裸になる、王様の命令は絶対」
画面の向こうにいる男女、武彦に似た王様をのぞき、裸にならんとす。中に須田愛良あり。
「愛良、あの野郎」
「何が起きているんだ」
「わからない。そういえば、このあたり、あの王室に部屋がそっくり」
ロロナ、吠える。
「えいこ、これをみて」
ナツリ、前足で本を叩く。
「少年は怪物になった。怪物にならないと、自分が殺される。相手を威嚇し、殺すためには怪物になるしかなかった。少年を襲おうとした怪物も、元は人間だった。しかし怪物に食べられないためには、怪物になるしかなかった。
怪物になったら、周りはみな怪物に見える。たとえ神様が目の前にいても、怪物の目には怪物しか映らぬ。
怪物の連鎖を止めるには、自分が怪物となるか、浄化してもらうしかない。早く浄化してくれ、キラメキドーターズ、あなたたちの光だけが怪物を人間に戻すカギ。でもキラメキの力は封じられた。取り戻さなければならない。
キラメキの力は地下にあり、ただしクスミに知られて奪われると、」キラメキの力は二度と復活せず。クスミは頭が悪い。だからクスミでないなら、おそらくわかるだろう、三つの場所を記す。
A 21453 fukidasidane 広い空間 まの当たりにして
B b29 一所懸命 ワインを飲む
C ぎりの息子 ヨットで一周 クッシーに ざんざざん の神の 裏
クスミにはとけない。人間ならすべてのはじめを見ればわかるはず」
画面の向こうで、小さな暴君が暴れる。らうたしな姫が睨んでも、見えない紫の鎖に縛られ、ギシギシ音を立てれば、
「なんでゲスな奴なんだ」
「武彦、いや、武彦の体を乗っ取った怪物め、よくも」
怒りがたまり、考える力など出てこない。
「小野田さん、落ち着いて」
「大二郎君、ごめん」
進は大二郎をじろっと見る。彼の手は震えていた。
「えいこ、部屋を見て回った。怪物はいない。誰もいない。とても不気味」
ナツリが見て回ると、
「危険でしょ、一匹で走り回ったら」
「ロロナと一緒に走った」
ナツリはじっと見つめる。
「隠したところ、どういう意味なんだろうな、進」
「わからないっす、大二郎」
もう一度読み直す。
「キラメキの力は地下にあり、ただしクスミに知られて奪われると、キラメキの力は二度と復活せず。クスミは尻が悪い。クスミでないなら、頭の良いあなたならわかるだろう、三つの場所を記す。
A 21453 fukidasidane 広い空間 まの当たりにして
B b29 一所懸命 ワインを飲む
C ぎりの息子 ヨットで一周 クッシーに ざんざざん の神の 裏
頭が優れたあなたはわかる。尻に興味あるクスミにはわからないだろう」
「なんだろう。なんで尻って書いているのだろう」
大二郎は腕を組んで歩き回る。
「とりあえず、この文章を写真に収めたから、歩き回ってみましょ」
二人はうなずき、ロロナを先頭について回る。
1階は大広間、大きなしゃんでりら、玉座、長いテーブル、3つの扉。
真正面の扉を開けて2階へ上がれば、芸術品が飾られている美術室、広間、厨房、トイレ、エレベーター。
地下へ下れば、冷蔵庫、冷凍庫、たくさんのワイン、風呂場。
「いろいろ見て回ったけれど、特にこれといった大きな特徴がないね」
大きな壺の中をのぞく弟。
「うん、でもこの絵、絵というよりなんか、動いているよ」
絵画をじろりと見る大二郎。
「アンアン、ドッグフードなの」
「ロロナ、食べたらだめ、毒をもられているかもしれない」
「食べちゃったの、うんまいのー」
ナツリはロロナの背中を叩けど、餌をバクバク食べる。
窓の向こうに画面あり、武彦に似た少年、血のジュースをグラスへ注ぎ、飲み干す。
「くくく、母の血でできたジュース、なかなかの美味だ。よし、貴様ら、今から尻を突き出せ、王様の命令は絶対」
息子の醜態など見たくもない。仮に息子でないとしても、体が息子なり。何とかせねば。撮影した文章を見れば、
「小野田さん、やっぱり気になるよ、どうして尻って書いているんだろう」
大二郎、携帯画面を指させば、
「頭と尻といえば、頭隠して尻隠さずということわざがある。頭だけ隠しても、尻を隠していないから、結局見つかる。頭、も、もしかして」
走る、考えが正しければ、まず向かうべき場所は二階のあそこだ。
……二階のどこへ向かったのだろう。
<先日の答え>
宇宙より神が現れた。
神は空に手を振った。
次に地にたどり着き、教えを広めた
神は地球なり、地球より生まれし存在は神なり。
神の誕生に従い、子に道を示せ
1 虹はなぜ現れるのか
2 地底から怪物モグラが現れた
3 火星に宇宙人が存在した
4 湖に潜む宇宙恐竜
5 人類はどうやって地球から月へたどり着いた
順番:
宇宙→月へたどり着く3
空→虹の1
地→怪物モグラの2
よって「312」