表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あおい夢~キラメキDaughters~  作者: 千賢光太郎
27/44

武彦が抱く母の姿

おはようございます、いつもお読みいただきありがとうございます

公園に子はなく、ぴゅるっと温かい風に誘われて散る桜の花びら、ベンチに腰を掛け、


「広、あの場に武彦がいたの」


尋ねれば


「おそらく、化け物から逃げている時、強い風が吹いて、それぞれ別の場所にとbされた」


目の前に散る花びらが落ちぬ。


「私はバカな人間だ」

「え、英ちゃん」


中学生に述べても、苦しみは上辺しかわからぬ。いや、述べるべきなりか。


「広、私は別の世界、いや、現実の世界から漫画の世界にやってきた。私は息子を助けるために来た。なのに私は小野田英子として学校生活になじむと、少しだけ武彦を忘れていた。息子が今、苦しんでいると思うと、気が気でならないのに、私は逃げるように忘れる」


空は青く、雲はなし。


「向こうで武彦君が言っていたよ。ママが怖いって」

「私が怖い」


声を一段階上げれば、


「俺が英ちゃんの話をすると、ママが怖いと言って、頭が真っ白になっていたよ。なんというか、考えられないというか。俺、英ちゃんと話しているからあまり疑いたくはないんだけど、英ちゃん、武彦君に暴力をふるっていた。ほら、ドメスティックバイオレンス(DV)ってやつ」


(私が、息子にそんなこと、していない。頭を叩いたことはほとんどないし、武彦が悪いことを下から、頭を叩いた)


顔を彼より背け、地に落とす。


「俺も英ちゃん、いや、張井さんでいいんだよね」

「うん」

「張井さんがDVをやっているなんて、信じたくないけれどさ」


(私はやっていない)


「武彦が、そういっていたんだよね」

「いや、DVといったのは俺。そう思っただけ。ママに殺されるって、英ちゃんが知らない間に、武彦君は英ちゃんが包丁をもっと殺しに来ているところでも、見ているのかなと思った」


夕日が微笑み、影が伸びる。


「ごめん、言いすぎた」

「遠慮がないね、広」

「う、うん。ごめん。張井さんには遠慮したらだめだと思った。小野田の英ちゃんなら言わないけれど」


立ち上がり、手を振る。


「そろそろ日が沈んで暗くなるから、帰りましょ。広、ありがとう。武彦と話をしてくれて」

「俺のカンだと、武彦君は死んでいないよ。絶対に」


彼は手を振る。張井英子は自分に告げた。


私は武彦を殴ったことはほとんどない。殴ったといっても、あまりにも言うことを聞かないから、頭を叩いたことはある。口できちんと叱った。あまりにもいうことを聞かない、逆らうときは激しくしかった。武彦はだまって地面をうつむき、泣くこともあった。おじいちゃんやおばあちゃんにも叱られている。でも武彦はおじいちゃん、おばあちゃんにちゃんとなついている。私の教育方法は正しいのか、間違っているのか。わからない。もしかすると間違っているのかもしれない。もっと優しく言うべきだったのかもしれない。でも、叱るときはあのやり方しかない。子供が悪いことをしたら、どう叱ればよいのだろう。叱るところしか記憶にないと、私を怖いと思うのも無理はないか。


家に帰れば、たたたっと走るロロナ、ゆっくり歩くナツリがお出迎え。


「えいこ、新しいページができた」


急いで登り、テーブルにおいてある小説を読めば


「須田愛良が風邪を引いた。明日谷大和は同じく風邪を引いた明日谷由良に呼ばれ、とうとう寝込んでしまった。ただの病気ではない。須田愛良も原因不明の病気にかかっていた。周りは単なる風邪としか思っていない。

愛良が眠りにつくと気色がおかしくなった。英子は一人で向こうの世界へ足を運ぶ。向こうの世界で、明日谷大和は明日谷由良と楽しんでいた。この浮気野郎と思った。すると大和が見えない何かに刺され、視界が真っ暗に染まり、目の前に明日谷大和がいた。彼は目を閉じていた。頬を叩いて起こすと、英子は言った。この――」


(大和が浮気、まだ須田愛良とも付き合っていないのに)

英子の独白、あまりないので書きました。

私は男ですから、女性の気持ちにはどうしてもフィルターがかかってしまいます。

ひとつの見方だと思ってお読みください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ