ナツリと広、翌日の愛良と大和
おはようございます、今日もよろしくお願いします。
目を開けると、隣にナツリ、左にロロナ、広はおらず。
「姉ちゃん、大丈夫」
進の声に体を起こし、
「ここは、い、お家」
「そうだよ、姉ちゃん、テレビ画面の前で正座したら、いきなり倒れ込んで」
「そう、ひ、広」
電話がかかり、受け答えをすれば、
「ふう、生きていてよかった」
パラパラめくれる小説、
「姉ちゃん、読むね。
放課後になり、掃除当番だ。愛良と大和が仲良く掃除をしていると、愛良が言った。雪女になった夢を見た。私は必死に逃げたけれど、雪女によって凍らされた。そのとき女の子が私を溶かしてくれた。それが大和君だった。英子かそれを聞いてから買う。その後、英子は大和に言った。よかったね、キラナデシコ」
本をテーブルに置いた。
「姉ちゃん、いや、英子さん。小説の通りに進んでいるけれど、息子さんが帰ってくるのかな」
「わからない、私にはわからない。手がかりもない。わずかなきっかけをつかんでも進まないと、子供を取り戻せない」
うなずくロロナとナツリ。
「とりあえず、大和にキラナデシコといえばいいのね」
翌日、放課後に時は移り、光に反射するちり、ほうきでほこりを集め、塵取りに入れ捨てる。愛良と大和が仲良く掃除を行っていると、顔を赤く染める愛良、
「大和君、き、昨日ね、変な夢を見たんだ。私は雪女だった。あちこち息を吹きかけて、いろんなものを凍らせていた。そしたら女の子が私を溶かしてくれたの。私、ありがとうって女の子に言ったの。その女の子がね、や、大和君だったの」
目はぱちぱち閉じ開け、大和は震えている。話に入る良い機会と捉え、
「大和、あんた女装趣味でもあるの?」
「ば、馬鹿、ないよ」
まばたきが多く、顔は少し震え、金魚のごとし。
「でもお前、昔、お姉さんにセーラー服を着させられたよな」
広が余計な一言を述べる。
(広、本当にあなたが無事でよかった)
「そうなの、広君」
「大和は似合うんだよ」
「広、黙って」
いじられる大和に、少しばかりの愛くるしさをおぼゆ。
「いやあ、笑えるんだけど」
彼の背中を叩けば、愛良は夕日に照らされ、顔が赤く見える。
「ご、ごめんね。大和君にこ、こんなことを言って。ゆ、夢の中でさ、サングラスをかけた女の人が、大和に言いなって述べて。ご、ごめんね。夢だから気にしないで。後、誰かに言うべきことがあったはずだけど、忘れた」
(もしかして、ヤナミが私に何か言うべきこと、あったのか。いや、どうしてそういう疑問を抱く)
「い、いいんだよ、いいんだよ。小野田、広、これ以上、俺をからかうな」
広はうなずき、大和が少し落ち着きを取り戻す。
「愛良があんたを気に掛けるなんて、私には理解できないけれど、よかったね、キラナデシコ」
彼が声を上げた。目がキラキラと輝き、時計の秒針を数える音、はっきりと聞こゆ。
「じゃあ、掃除が終わったから私は帰る。広君、一緒に帰りましょ」
「英子も付き合っているの」
愛良が尋ねると、
「違うよ」
次回はドーターズの話に関連する部分を一つ。