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あおい夢~キラメキDaughters~  作者: 千賢光太郎
12/44

誰が息子を連れ去ったのか

1週間ぶりです。更新情報はツイッターでお知らせします。

ID @megabi0



向こうで広が叫べば、


「他にもこの霧に覆われている人がいるんだね。大丈夫だろうか」

「大丈夫だと思います、たぶん」


煙が少しずつ晴れ、紫色の影も薄くなりぬ。


「お嬢さん、どこにいますか」

「ここですよ、あなたもどこに」

「私は」


声がつゆも聞こえず。代わりに現れる広、画面の向こうにて、ナデシコとアスナが無事、木の怒りを鎮めになりぬ。


「とれたねえ♪ シリウスイチゴ、さ、ナデシコ、熊さんたちに作ってもらいましょ」

「う、うん、アスナ、私はあいつらがちょっと苦手。勝手に胸や足、太ももを触ってくるし」

「気にしない、しな~い♪」


晴れ渡るお声、響く叫び。


「怖いよう、おばあちゃん、おじいちゃん。お姉ちゃん、助けて」

「武彦、どこにいるの」


ナデシコのすぐそばに武彦あり、袖を引っ張れど、お答えしない。


「助けて、嫌だ、あっちいって、ごめんなさい」


青色の怪物、武彦の手を握りて連れ去りぬ。画面が消え、ただの風景に戻る。


「今、子供の声が聞こえ」

「た、武彦」

「え、英ちゃん」


足に力が入らず、化け物を食い止めるために痛めた手、心にもじんじんと来たり。


(英ちゃんについている人はあの子の母親か。あの怪物は、霧はいったいどこから。大和が女に化けていた。いや、あれは大和なのか。大和にそっくりだけど、あそこに入っていた画面はアニメだ。目や鼻すじ、それにリアルな陰影もない。変身する前の声は大和だった気がするけれど、女の子に姿を変えたら声は違った。何が起きているんだ)


広は推測す。英子がゆっくり力を入れ、立ち上がる。


「広君、ありがとう」

「いや、いいよ。先ほどの声、もしかして英ちゃんの息子かい」

「そ、そう、あれが私の息子、そしてあの子を助けるために、気づいたらこの子についていた」


夕日が彼の顔に当たる。瞳はまぶしく、頬よりニキビがぶつぶつ見えたり。


「俺、何かできないか。いや、他人事と思ったら俺の心が苦しくて」

「お願い、武彦に関する情報があったら、息子を見たら私に伝えて、お願い。この状況をだれにも相談できないの」

「わかった、英ちゃん、何かあったら連絡してね。こっちもするから」


夕日が落ち、金星が微笑みだすころに帰宅すれば、


「姉ちゃん、友達が言っていた小説、姉ちゃんと同じものだって」


進がすぐに降り、ロロナにナツリもやってくる。


「よかったらあんたの友達に会いたいのだけど」

「言っておいたよ、明日会ってくれるって。その子さ、石井徹って言って、おっさんなんだ、姉ちゃん」


うなずけば、にゃあと鳴くナツリが近づき、


「えいこ、武彦君が見えた。何者かに連れ去られた」

「何者ってどんな奴」


ナツリは口を小さく開け、英子の脳に画を送る。


「ごめん、わからない。大人のおばさんだった。私が猫でなければ顔を描けるのに」

● 前話の答え


「辞」

stand→立つ 10→十 千→千 くち→口


後は並び替えておしまい。

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