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「なんですって…お父様とマリクにもあの謎の病の症状がでてるですって!?」


そう言って宰相の報告に驚きと困惑の声をあげたのはこの国の王女エリル・エトワールであった。

エトワール王国は東西南北に広大な国土を持ち、貴族、平民、農民と身分の違いはあったが身分の違いに関係なく国民は皆幸せであった。

そして国民の繁栄は王家の力も大きく、現在の王に変わってからは、諸外国とのいざこざもなく、国の内乱もない世の中になり王家は国民全員から愛され、尊敬されていた。


そんな王と第一王子のマリクが病に犯されそうになっていた。

今この国…エトワール王国には謎の病が流行り人口が激減、残された民も家族を失い自身も病に苦しみ、畑仕事も出来ずにいた。

国中の医者が方々を駆けずり回り、国民の治療や原因の究明に当たっていたが医者の治療に回復の兆しなく、その医者たちも病に犯されていった。


ただ不思議なことにこの病はこの国の中でのみ広まっており、諸外国にはこのような症状が見られることはなかった。

最初は諸外国から毒のようなものが我が国に撒かれたのかとも思ったが、我が国に戦争を挑むほど諸外国もバカではない。

では……ということでいまだに病の原因、治療、出どころの判明がしていなかった。


「お父様とマリクの病の進行はどの程度なの?何か新しい治療法はまだ見つからないのかしら?」


「まだ初期段階ではありますが、からだの一部に発疹のようなものが出始めてますゆえ、陛下と殿下には自室にて安静にしていただいております。治療法に関しましては……何分、治療に当たっております医師にも症状が出始めておりますゆえ、なかなか有効な手だてが見つからない状況が続いております。」


エリルの疑問に宰相は答えた。


「諸外国にもこのような症状の治療法がないか問合せしておりますが、我が国に以外でこの病にかかってるという声が聞こえてきませんので、他国からの支援も難しいてしょう」


「そう…。解決策がないのね。」


宰相もあたまを悩ませ何か解決策がないかと思案したが何も浮かばなかった。


「街に来ていた旅人から聞いたのですが、我が国のはるか北の方にある山奥に魔女が住んでいるようなのですが、もしかしたらその魔女ならば治療法をしっているのではないかということです。

ですが、詳しい場所もただはるか北の方ということしか分からないのと、我が国の今の状況でそこまでの道のりを越えられる体力があるものが少なく、そのものを旅に出してしまうと国の守りも疎かになってしまう可能性がございます。」


宰相の言葉に、

「そうですか、そのような魔女が北の山に…。分かりました、人員をどうするかは私の方で考えて報告します。宰相は、それ以外に解決策がないか調査をお願いします。」


「かしこまりました」


宰相はエリルの言葉に頷き部屋を出ていった。


お父様やマリクに症状が出てしまった以上、早く治療法を見つけなければ。

そう思ったエリルはある決意をした。

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