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連載中「サークリングアプローチ」

構想上の一部分



だったもの


予定されていた構成の中から

消えました なむ( ̄人 ̄)

 滑走路上に二人の人間が正対している。

 片方は斜陽に照らされ、前身に赤みを帯びていて、その手にはライフルが、銃口

を真っ直ぐと互いに向けて無言の鍔迫り合いが展開されていた。

「もう終わりにしよう、無駄に足掻いても意味は残りはしない、ここが終着点だ」

 そう言われた私は銃を体に引き寄せて、更に狙いを絞る。

「ここで終わる程度の器なら、今私はここに立ってすらいなかったでしょう」

 そう返して張り詰めた空気が緩んでもう一つ上の境地にシフトする。

「確かにそうだ、だからこそ俺はお前は選んだ」

 不思議と心地良い緊張感が全体を支配した。

「そう、ですか」

 人差し指に神経を集中させながら相手の動きを見る、体は振れていない、伊達に

この戦争を潜ってはいないか。先制するかしないかの判断に迷いを挟む余地は無い

、きっとその刹那的な瞬間に額を撃ち抜かれて終わりだ。

 そう思い、右足を少し横に滑らせて軸線を抜け出しながら相手の左目を狙って銃

口を合わせ、引き鉄を絞る。

 甲高い発砲音が響いたのと同時に炎が一瞬視界を遮った後に薬莢が出て行くすぐ

傍を相手の弾丸が通り過ぎて、右目でその軌道を視認しながら紙一重でそれを動き

の静止で躱して胴体へ狙いを付けて二点射してハンガーへ。

 相手に後ろを晒した状態で必死に走る、地上の、特に平地戦で本職に勝てはしな

いので機体に搭乗すれば良い。出来るだけ軸線を一定にしない様に、予測を外す様

に軌跡を描いて走ってはいるが、未だに発砲されていない。

 初弾の一発で仕留めるつもりなのだろう、息が苦しい、こちらの身体能力が割れ

ているなら今、仕掛けて来る。

 ライフルを落として懐に入れていた取って置きの信管を抜いて後ろに放り、口を

開けて耳を塞いで前に伏した。その後すぐに極めて強い閃光と高周波音が発せられ

ていたのを確認せずに、格納庫へ向けて一直線に走り始めた。

 もし、対応されてしまい、片目だけでも生きていれば私は背後から確実に一撃、

致命傷を加えられてしまう。これは一種の賭けだったし、上手くいく保証も何もな

いのだが、やらなければ死しか待っていないならば、最後の最後まで足掻くのは正

解だと、昔の彼も言っていたし、少なくとも間違いではないだろうと思った。

 機体までもう十数メートルだ、頼む、間に合ってくれ。

「そこまでだ」

 背後から言葉を叩き付けられたと同時に両足が左に吹き飛ばされ、体勢が崩れて

空を仰ぐ視界の下方に銃口。

 即座に左手で拳銃を掴もうとすると逃げられて逆に銃床で殴り落とされながらも

右手で抜いた拳銃の照準を、相手の拳銃に向けて発砲して武装を無力化したが、こ

ちらの拳銃も吹き飛ばされてしまい最後の手段を失う。

 体を起こす勢いに合わせて右膝を相手の腹に思いっきりぶつけて、仰け反った所

に足で体を蹴り飛ばしてから、視界の端に映る二つの拳銃の位置を見る、機体まで

走った方が早いと判断して全力で残り十メートルを詰めた。

 操縦席へ立て掛けて有った梯子を踏み台にして直接中に飛び込み、キャノピー、

閉鎖、機体の立ち上げに入る。

 マスターオン、エンジン点火、戦闘規格まで一気に上昇させてハンガーを飛び出

そうとする刹那、機体の傍を、ライフリングが加えられた弾丸の束が通り過ぎて行

ってから滑走路までの距離を目測で計算し、離陸を決意。

 後方から対空誘導弾のロックオンアラートが鳴ったがしかし、もう遅い、臨界出

力まで上昇、推力を最大偏向、操縦桿も一杯まで引いて空中に前輪が僅かに浮いた

ままを維持する「ソフトフィールドテイクオフ」を作り、アラートが発射を告げた

と同時に左後輪を浮かせ、ラダーを踏み込んで右へ大きく旋回し誘導弾を振り切っ

た。

 速度は十分に得ていたので高度に変換し、急上昇する。翼端でハンガーを掠らせ

ながらも、それを飛び越えた。横目に小さな空間で激戦を繰り広げた男性が、指令

本部へ直接回線を開かせて報告をしている様な姿が映る。

 急がなくてはいけない、私は空へ戻ったが「本来の役目」はこれからなのだから



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