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朝の光景

朝から、剣を打ち合う音が聞こえる。

…精が出るなぁ。


しばらく眺めていると、打ち合いが終わったらしい。


「おはよ。いたなら声かけなさいよ」

「おはよう。ごめんごめん。歩、浅葱さんと真剣に打ち合ってたから、つい」

「そりゃ、鍛錬だもの。真剣に取り組むでしょう?」

真面目で正義感の強い十六夜班の歩。

精霊術も上手くて剣術も強いし、頼りになる。


「おはよう、燎。お前も打ち合っていくか?」

木刀を渡そうとしてくる彼は、月光班の浅葱さん。

男性ではあるけど、橙がかったくせのある長い茶髪を高い位置で括っている。


…まぁ、だからって女装が似合いそうだとは思わない。

似合いそうなのは―と、そこまで考えて近づいてくる気配を感じたから考えるのをやめた。


「おや。鍛錬をする音が聞こえたから来てみれば、燎もいたんですね。おはようございます」

いつも微笑みを浮かべている蜂蜜色の髪をした男性。

彼も月光班の一員で、玲夜さん。

数少ない、治癒術の使い手でもある。


「「おはようございます」」

「ああ、おはよう、玲夜。珍しいな、お前がこんな時間に起きているなんて。遅くまで本を読んでいたんじゃないのか?」

「たまには早起きもいいと思いまして」

「……なら、そのバスケット一杯の薬草は何だ…」


基本、朝はゆっくり寝ている玲夜さんが早く起きている理由は、一つしか思い浮かばない。


趣味の薬草集め。

それで薬湯を作っては実験台とばかりに浅葱さんたちを中心に飲まされているものだから、浅葱さんの顔が引きつるのも無理はない。


「これは見ての通り薬草ですよ」

「…俺はもうお前に騙されんからな?!」

「大丈夫です。満もいますから。彼の場合、あの子に介抱してもらえるからいいでしょう」

満さんもまた、月光班の一人。

戦うことよりも細かい作業とか家事をやっているのが好きな人だけど、精霊術とは違う遠隔魔術の使い手でもあるから、この騎士団では一目置かれる立場にある。


「あれ?みんな集まってどうしたの?

もう梓君たちが朝ご飯作って並べてたよ」

その梓君も月光班で唯一の年下。

ただし、彼の兄が若干ちゃらんぽら…ユルい人間だから、とてつもなくしっかり者だ。


「燎ちゃんも歩ちゃんもお部屋に行ったらいないから吃驚しました」

「探しに来てくれたんだ、ありがとう、環」

「どういたしまして、です」

満さんの後ろから姿を現した環もまた、十六夜班の一人。

普段はちょっと内気なぽややん系美少女なんだけど、戦闘になれば双剣を手にトリッキーに戦う。

ゲーム的にも、必ず当たる攻撃技とかカウンターとかがあって、戦いにくかったと思う。


独りぼっちを恐がるこの子が壊れるのも見てる側としては辛いから、彼女に対応する満さんの攻略とスチル集めの時だけしかやらない

プレイヤー多かったしね。


平和がいいよ、うん。


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