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御前試合終了後

あの後。


私は寮にある自室で目を覚ました。

…久しぶりに使った古代魔術の連発で、勝敗がコールされた後に倒れた。


結果としては私と団長の相打ちで、二班ともが優勝という、前代未聞の結果を叩き出した。


私の声で歩と薊が団長に向かっていったはいいものの、そこは団長、二人の首の布を一瞬のうちに切り裂いた。

空中でバランスを取ってフィールドに下りた私は、負けを覚悟で捨て身の攻撃を仕掛け、団長の首の布を狙った。

団長も同時に私のバッジを剣の柄で狙ったため、同時にアウトとなったのだ。


決勝なのに生存者なしとなればサドンデスだろうが、そこは時間もおしていたから、二班優勝でいいんじゃね?となったらしい。


ともあれ、疲労感が激しすぎる。


私がこれじゃ、反省会はどっちにしろ明日にするしかないのか。


「は~ぁ…」

まだまだ甘いんだな…。


チートに近い人に成り代わったって、私は私。

そう簡単に変わることは出来なかった。


当たり前か。


私の今の年齢は17歳。

前世だって、おぼろげではあるけど20歳にはなっていなかったように思う。


精神年齢でも四捨五入して40年なんだから、そりゃあまだまだ未熟者に決まってるか…。


また落ち込みそうになった時。

こんこん、と部屋のドアがノックされた。


「はい?」

「オレ、紅牙。今入っても大丈夫かい?」


「うん、どーぞ!」

って、女子部屋の方には極力来ないように取り決められてたのに。

まぁ、行っちゃいけないわけじゃないけどさ。


「優勝が決まった途端に倒れるから驚いたよ。まだ具合悪かったりする?」

「ううん、大丈夫。もうピンピンしてるよ」

「…そっか。よかった。なぁ、燎が使ったあの術の詠唱文ってさ…古代魔術?」

「うん、そう」

私が使うから、紅牙本人は古代魔術を使えなくても、詠唱文を知っている。


「無茶するね。あんなの連発したら精神力への負担がかかってしょうがないってのに」

「……負けたくなかったんだよ」

「そうだろうね。燎はすごく負けず嫌いだから」

「それに、団長だって顔を立てて負けるなんてことしたら怒りそうだし、それなら全力の術を使った方がいいと思ったんだ」

「それで倒れたら周りが心配するよ。それにあの事件のことで疲れもたまってたんだろうしさ」

「え」

「自分のことには相変わらず無関心だな、燎は。責任者はうちの班長だけど、闇の精霊使いが犯人なんだし、結構精神的にきてたんじゃないか?」

「そう、なのかな…」

「多分ね。それはそうと、飯は食えそう?キッチンにおいてあるんだけど」

暗くなってしまいそうな雰囲気を察してくれたのか、紅牙が話を変える。


「うん、大丈夫。今行くよ」

「持ってきてやるから今日は部屋で食べなよ。ちょっとはオレに甘えてさ」


いつも甘えっぱなしなんだけどな、と思いながら、ありがたく紅牙の好意に甘えさせてもらうことにした。



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