影に隠れて
「シャーリーって言うお嬢ちゃんとエリカはなぜか話が出来るらしい」
火の精霊であるレッドは親しげにユージンに話しました。
「なぜなんだい?」
「それはエリカがこの世界じゃない地球から来たからだろう。ここでの法則が通用しない」
「そうか、大方は魔法の力が作用しているんだろう。それより、シャーリーさんは一体何者だ」
「人魚さ、それもあんちゃんを助けたな」
「ほう、それは……」
「お嬢ちゃんの方はあんちゃんに惚れて、人間になったようだ。振られると泡になるリスク付きでナァ」
「それには、魔女か魔法使いが関与しているようだな」
「そうだな、お嬢ちゃんとあんちゃんがうまくいっても何か裏があるだろう」
「ところでエリカは、どうするつもりでいるか分かるかレッド」
「二人の恋の応援をするって、張り切っていた」
「そうか、二人が上手く付き合ってもらった方がそのほうが好都合だ」
ユージンとレッドは同じことを考えていました。
エリカに近づく虫の数が減って良いと。
「それよりも、ビック・マムのことはエリカに教えないことだ」
「当たり前だ。あのオカマにエリカの大切な髪を与えてやるものか」
ユージンとレッドは同じことを考えていました。
あの子なら髪を丸めてビック・マムに髪を捧げてシャーリーを助けようとすることを。
エリカならそうする。
あの子のぴかぴかと輝く頭頂部。
想像して目頭が熱くなる。
「しかし、オカマってレッド、一応お前の母じゃない…父親だろう……」
「ああ、そうだが千三百五十九番目の子供だ。いちいち覚えてないだろう」
「まあ一応、オヤジに挨拶だけはしてくるよ。会うのは二十年ぶり位かな」
「そうか、よろしくと伝えておいてくれ。レッド」
「ああ、伝えておくぜ、ユージン」




