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持ち札 ――ある工場労働者の記録――

作者:でんでん
最終エピソード掲載日:2026/03/15
半導体工場に勤めて一年、安田拓海は毎日同じ作業を繰り返す日々に閉塞感を抱えていた。この仕事を選んだのは自分だと言い聞かせながらも、本当に自由に選べたのかという疑問が消えない。自分の生まれ持ったものでどう生きるか——頭ではわかっていても、今の人生に腹の底から納得できなかった。同期の村田に「納得していないことを認めないと、変えようとも思えない」と言われたことが契機となり、拓海はついて退職届を書く。次の行き先は決まっていない。それでも、納得を探しながら動き出すことが今の自分にはできた。夕風を背中に受け、拓海は新たな一歩を踏み出す。
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