揺らぐ宮廷
朝、ふんわりと雪が降った後、降り注ぐ日差しにさらに輝く雪が、世界中を覆っていた。
サンソン(尚膳)が直接届けた粛宗の手紙は、内医院を揺るがした。チャン・オクチョンが書き送った手紙は、最初は途方もなく、見慣れない内容だと見なされるかと思われた。しかし、粛宗の断固たる命令があり、何よりも疫病に為す術がなかった御医や医官たちにとっては、藁をも掴む思いだった。彼らは手紙に込められた内容を慎重に検討し始め、間もなく宮廷の内外に変化の風が吹き始めた。
最初は怪しんでいた者たちも、粛宗の厳命と、就善堂で病人が少なかったという事実を知り、次第に従い始めた。ヨモギやショウブのような薬草を燃やして空気を浄化することも、粛宗の指示で宮廷全体に広まった。そうして数日が経つと、驚くべき変化が現れた。疫病の拡散速度が目に見えて減少し、新たな患者の発生も著しく減り始めたのだ。宮廷内には、しばらく忘れていたかすかな希望の気が漂っていた。小さな知恵と決断が、巨大な悲劇を止め始めたのだった。
そのすべては、宮廷の外の民衆にも伝わった。粛宗の命令で、恵民署にヨモギやショウガ、カンゾウといった薬材が支給され、民衆に分け与えられることで、疫病の拡散は急速に収まっていった。
「淑儀様の知恵と殿下の慧眼が、この国と民を救いました。」
状況を報告しに来た御医の言葉に、思わず得意げな気分になる粛宗だった。
しかし、このすべての状況を喜ばない場所があった。
中宮殿だった。宮廷の内外に希望の火種が芽生えるほど、彼女はさらに深い羞恥心と惨めさに沈んだ。自分が無知で怠慢だった時間に、側室であるチャン・オクチョンが疫病を鎮めたという事実と、大妃様のそばを守ったチャン・オクチョンの話は急速に広まり、中殿としての彼女の権威と威信を地に落とした。宮廷の人々の視線の中に、尊敬の代わりに非難と蔑みが混じっているのを、彼女は敏感に感じ取っていた。鏡の中の自分の顔と向き合うたびに、彼女は敗北感とともに湧き上がる怒りを抑えられなかった。
(なぜ、こんなにも無力で惨めになったのだろうか。)
彼女は首を横に振った。オクチョンの功を褒めるには、あまりにも遅すぎた。かといって、何もしないわけにもいかず、人の顔色をうかがうほどだった。淑儀が大妃にあのように振る舞うとは思っていなかったため、彼女はさらに当惑していた。時間を戻せるなら、大妃殿に駆けつけていたかった。
その時からだろうか。
静かに始まった言葉が大きくなり、燃え広がる野火のように民衆の間で噂が広まり始めた。
「中殿様が病気の大妃様を見捨てたそうだ。」
「むしろ淑儀様が大妃様を心からお世話し、最後までそばを守ったそうだ。」
「そんな淑儀様を中殿様がいじめていたらしい。」
噂の出どころはわからなかったが、まるで待っていたかのように広がるその言葉は、王妃に対する民衆の怨嗟を煽った。無能さに加えて、不孝と嫉妬という烙印まで押されたようだった。
民心は急速に悪化し、この噂は西人勢力を揺るがした。西人の重臣たちは、驚愕と当惑を隠せなかった。民心は王でさえどうすることもできない領域であり、民が背を向けることは、党派の存立を脅かす致命的なことだった。彼らは緊急に集まり、対策を議論したが、すでに手に負えなくなった噂を止める方法はなかった。
「中殿様はなぜ、そんなにも無知だったのだ!疫病が蔓延する時に、大妃様の病気見舞いさえまともにしなかったとは!」
「本当にその通りだ。ただでさえ主上の寵愛が淑儀チャン氏に集中しているのに、疫病まで彼女が解決したという話が街中に広まっている。」
「ミン大監、本当にこのまま見てるだけですか。」
西人の首領であるミン・ユジュン(閔維重)の体は、怒りで震えた。自分の姪である中殿が、このようなことをしでかすとは、夢にも思っていなかった。普段は品行が正しく、真っすぐな娘だったのに。
(何か…何か間違った情報に違いない。)
温和だった彼の顔には、失望感と深い怒りが満ちていた。ミン・ユジュンは、中殿が国母としての責務を果たせなかったことを直感し、これが西人にとって取り返しのつかない致命傷になることは明らかだった。彼の怒りは、冷たい静寂をさらに凍りつかせた。
宮廷内は、もはや疫病の恐怖を越え、巨大な権力闘争の激流に巻き込まれようとしていた。