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朝鮮に落ちた女子大生、致命的な王に囚われる  作者: エモい姉さん
第二章 破局の始まり、そして深まる心
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夜明け、希望の曙光




大妃様の葬儀は長く、重苦しかった。宮廷内は悲しみの波が押し寄せ、その影は毎日の日常のように深く垂れ込めていた。あらゆる哀しみと悲痛が果てしなく続くかと思われた葬儀が終わり、宮廷は深い息を吐くように静まり返った。しかし、その静けさの中でも疫病の不安はなかなか消えず、あちこちから聞こえる不吉な音とうめき声は、依然として民衆の苦痛を代弁していた。


殿下の顔は依然としてやつれていた。母を失った悲しみと、民を守れなかった自責の念が、彼に影のように付きまとっていた。本宮に戻ってきたものの、彼の眼差しは相変わらず疲れ切っていた。重臣たちはそれぞれのやり方で疫病の責任を論じ、政争を続け、彼らの声は宮廷内の空気をさらに冷たくしていた。中宮殿は依然として沈黙し、その中に閉じこもった中殿チュンジョンは、まるで固い殻の中に自分を閉じ込めたかのように、外部との接触を避けていた。


そうして、息苦しい日々がゆっくりと過ぎていったある日の夜明け。深い眠りから覚めた私は、しばらく目を閉じて暗闇の中をさまよった。あの夜、大妃殿の前で分かち合った悲しみと、その温かい抱擁の記憶は、今も私の胸に鮮明だった。殿下の深い悲しみと無力感を思い出すと、その瞬間、私の心の中で眠っていた何かが呼び起こされた。


それは、単に「毒薬ルート」を避けるためだけではなかった。民の苦痛を無視できない気持ち、そして殿下の重荷を少しでも軽くしてあげたいという切なくも熱い気持ちが、私を突き動かした。


静かに起き上がり、筆を取った。昨夜、眠れずに悩んだ考えを紙の上に広げ始めた。現代医学の知識と朝鮮時代の状況を結びつける方法を、昼夜問わず熟考した。「病は見えない不潔さから来る」という私の信念を、どうすれば彼らに納得させられるだろうか。「手洗い」、「沸かした水を飲む」、「換気」…あまりにも当然な真理が、この時代には見慣れない知恵と見なされるだろう。それらをこの時代の薬草と関連づけ、その効果を説明し、宮廷医学への尊敬を失わないようにしながらも、私の方法が持つ力を説得力をもって解き明かそうと努力した。


夜がまだ明ける前、考え抜いて書き上げた手紙を手に、殿下の部屋を訪れた。戸惑いながら急いで礼を尽くすサンソン(尚膳)に軽く会釈をして言った。


「殿下にお目にかかりに来ました。」


サンソンは殿下に告げ、急いで扉を開けた。彼の目からは、温かさと信頼が感じられた。


静かに足を踏み入れた彼の寝所は静かだった。彼の顔には依然として暗い影が落ちており、眠れていない彼の顔には疲労がはっきりと見て取れた。顔を上げた殿下の目に、驚きがよぎった。


「オクチョンか、この時間に一体どうしたのだ?」


そうね…いつも殿下が私の部屋を訪ねてきたから、私がこのように直接彼の寝所を訪れるのは、本当に久しぶりだわ。


驚いた様子の殿下の前に、慎重に手紙を置いた。


「殿下、恐縮ではございますが、急いでお話ししたいことがあり、お伺いいたしました。完璧ではございませんが、この方法で疫病を少しでも鎮めることができるかと存じ…先日、御医殿にお話しした内容を、具体的に書き記してみました。」


私の言葉に、殿下の眼差しが大きく揺らいだ。昼夜を問わず悩んでいた解決策が、思いがけない人物から、しかも最も絶望的な時期に現れたのだった。彼は手紙を受け取ると、震える手で広げた。


夜明けの冷たい空気の中、私の小さな手紙によって、殿下の眼差しは次第に混乱を越え、希望の曙光のように輝き始めた。そしてついに、何かを決心したかのように唇を固く結んだ。


「サンソン!」


切羽詰まった殿下の声に驚いたように、サンソンが急いで飛び込んできた。


まだ何も言わないうちに、殿下はその手紙をサンソンに差し出し、サンソンは急いで入ってきて、言われるままに手紙を受け取ると、殿下を見つめた。


「これをできるだけ早く内医院に伝えろ。」


冷え切っていた寝所に、温かい風が吹いた。冷たい冬が暖かく感じられるほど、彼の顔に温かい微笑みが浮かんだ。

いつも力になってくださる読者の皆様に、心より感謝申し上げます。本日もお疲れさまでした。:)

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