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朝鮮に落ちた女子大生、致命的な王に囚われる  作者: エモい姉さん
第二章 破局の始まり、そして深まる心
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対照的な影



宮廷は疫病の黒い影に窒息しそうなほどの沈黙に包まれていた。

毎日聞こえてくる嘆きの声は、ハニャンを越え、宮廷の奥深くまで染み込んでいき、粛宗の顔は、苦悩で干からびていく川のようにやつれていった。


内命婦ネミョンブのトップである中殿チュンジョンにも、不安の種と不快感の棘がまとわりついていた。


中宮殿チュングンジョンは、依然として凍りついた湖のように清らかだった。

中殿は鏡の前に座り、女官たちの繊細な手つきで髪を結っていた。


宮女たちが、部屋の隙間まで念入りに塞ぎ、消毒された香を焚いたが、彼女の表情には、依然としてどこか不満そうな影がかすめていた。


「疫病は厳かな天の意志であり、また、自ら潔くない者に下される罰だと聞いた。

なぜ宮廷まで、このように不吉な気が漂っているのだろうか。」


彼女の声は氷のように落ち着いていたが、病に対する無知と民衆に対する忌避感が深く宿っていた。


しかし、就善堂チュソンダンのオクチョンは違った。

粛宗に対する心配と民衆の苦痛に対する哀れみ、

そして中殿の態度に対する「苛立ち」と「不快感」が、彼女の足を離そうとしなかった。


「キム尚宮サングン、水は必ず沸かして冷ました後に使い、部屋の女官たちには、手を頻繁に洗うように言いなさい。

特に冷たい水よりも温かい水で洗い、ヨモギを燃やして部屋のあちこちの空気を浄化するように指示しなさい。」


オクチョンは、自分の部屋の周りの宮女たちに、より徹底した衛生規則を伝えた。

彼女はヨモギやショウブのような薬草を活用して、簡単な殺菌・消毒法を周囲に広め始めた。


最初は就善堂の措置に戸惑っていた宮女たちも、

オクチョンの断固とした命令と、実際にオクチョンの部屋では病気になる者が著しく少ないという事実に、わずかな希望を抱き、次第に従い始めた。


中宮殿にも、就善堂の奇妙な噂が流れ込んできた。

オクチョンが「卑しい水遊び」を宮女たちにさせているという報告に、中殿の眉間にごくわずかな皺が寄った。


「淑儀は、なぜそんなに些細なことに心を砕くのか。

宮廷の女性は、当然、殿下を補佐することに最善を尽くさなければならないのに。」


中殿は直接オクチョンを叱るよりも、

彼女の行為を「側室らしくなく、身分の低いことに気を遣っている」という風に、さりげなく貶めた。


数日後、中宮殿では冷ややかな警告が下された。


「宮廷の法度を乱す迷信的な行動で、宮廷を騒がせるな。」


それは無言の刃のようであり、明らかにオクチョンを狙ったものだった。


その件があってから、オクチョンの衛生指示に従っていた宮女たちが、きつい仕事を割り当てられるなど、

中殿の密かで冷たい牽制が始まった。


彼女は、中殿の権力という巨大な盾の陰で、オクチョンの行動に静かに邪魔をしていた。


宮廷の恐怖が深まるほど、二人の女性の影は、より鮮明に対比されていた。


一方は、体面と権威という名のもとに無知な怠慢を続け、

もう一方は、本能的な知恵と行動で、小さな希望の火種を灯していた。


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