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朝鮮に落ちた女子大生、致命的な王に囚われる  作者: エモい姉さん
第二章 破局の始まり、そして深まる心
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就善堂の夜、染み込む月明かり



夜が更け、就善堂チュソンダンには銀色の影のように、ほのかな月明かりが障子紙を透かして染み込んできた。静かに落ち着いた夜の静寂の中で、じっと目を閉じ、染み込む風を感じていた。


今日、大妃殿テビジョンに行って以来、心の中では様々な感情が静かに渦巻いていた。冷笑的なようでいて、どこか温かい眼差し。表向きは厳格だったが、内心は私を気にかけているような、その掴みどころのない雰囲気は、不思議な余韻を残した。


(ただ…憎いばかりの姑ではないようだ。ドラマで見た時は、殺されそうになったのに…)


最後に見た大妃様の微笑みが、殿下チョンハとよく似ていたからか、妙な気分がずっと続いていた。


乱れた心の整理がつかず、窓の外を眺めていたその時、門の外からキム尚宮サングンの低い声が聞こえてきた。


「様、殿下がお越しになられました。」


(この人は…ほとんど毎晩のように訪ねてくるな…)


なんだか少しこそばゆいような気持ちを抑え、姿勢を正した。


「どうぞ、お通しして。」


しばらくして、キム尚宮が慎重に扉を開け、その隙間から殿下の姿が見えた。彼は慣れたように微笑み、私に近づいてきた。彼の眼差しは、月明かりの下でさらに深く見えた。


「お母様オマママに会ってきたと聞いた。何かあったのか。」


入ってくるなりその言葉から口にするのを見ると、よほど心配していたらしい。彼は私のそばに静かに座り、心配そうな眼差しで私を見つめていた。


「いいえ、殿下。」


私の答えに、殿下はしばらく私の顔色をうかがうようだった。昨日の出来事で、もしや私が心を痛めているのではないかと気にかけているようだった。


首を振り、彼の手を握った。温かく、しっかりとした温もりが、不安だった私の心を穏やかに包んだ。


「本当に何もありません、殿下。むしろ…私を気にかけてくださっているようでした。」


私の言葉に、殿下はじっと微笑んだ。彼はすべてを知っているかのように、深い目で私を見つめた。


「殿下は…大妃様によく似ていらっしゃるようです。」


文脈とは関係なく飛び出した意外な言葉に、しばらく呆然としていた彼が、笑い出した。


「何が似ているというのだ?」


「うーん…目の形もそうですし、話し方も殿下のように端正で、それから私の反応を見て楽しんでいらっしゃるのも似ていらっしゃいます。」


殿下はにこやかに笑い、そっと私の頬にチュッと口づけした。


「きっとそなたがあまりにも愛おしいからだろう。」


ああ…その目…。

さっき大妃様が私を見ていた、あの目だ…。


そばに近づいてきた彼が、私の手を握った。しばらく言葉もなく、お互いの温もりを感じた。窓の外から聞こえるコオロギの声だけが、静かな夜の静寂を満たしていた。月明かりはさらに濃くなり、すべてをほのかに包み込んだ。まるで、すべての心配を忘れさせてくれるかのような、幻想的で美しい月明かりだった。


殿下は優しい手つきで、私の頬を撫で下ろした。彼の眼差しは、深い夜空の星のようにきらめいていた。奥深く、温かい視線に、心がゆっくりと溶けていくようだった。


「今日は…そなたはもっと美しいな。」


彼の低い囁きが、耳元に甘く流れ込んできた。恥ずかしそうな微笑みが口元に広がり、気恥ずかしくて彼の肩に寄りかかった。時間が止まったかのようだった。ただ私たち二人だけが存在しているような瞬間だった。


彼の息遣いが、ますます近づいてきた。殿下の温かい唇が、おでこに優しく降り立った。彼の温もりが全身に広がっていくようだった。何も言わずに彼の胸に抱かれた。何度となく抱かれて、もう飽きてしまってもおかしくないはずなのに、この胸は触れるたびに新しい安らぎを与えてくれるように温かく感じられた。


甘く、しっかりとした彼の胸の中で、ようやくすべての不安を忘れ、安らぎを感じることができた。


彼の息が先に触れた。

膝の上を、彼の手の甲がかすめ、

ゆっくりと服の紐を緩める指先が、慎重だった。


肌が触れた瞬間、

火傷しそうな温もりが、波紋のように全身に広がった。

耳たぶの内側が軽く濡れるような、小さな息遣いがかすめた。

彼の唇が額に、

額から眉に、

眉から鼻先へ、ゆっくりと降り立った。


唇を噛んで、かろうじて押し殺した息が、

ゆっくりと腰のあたりへと流れ落ちた。

ほとんど毎日のように彼の胸に抱かれて眠るが、

毎瞬ごとに感じるこの感情は、いまだに初めてのように胸がいっぱいで、手に負えないほどに感じられた。

心臓が痛むほどに込み上げ、そしてときめいて鼓動が速くなった。


彼は慎重に私を包み込み、

両腕がしっかりと抱きしめてくれた。

私を気遣うように、完全に合わせてくれる動きだった。


口づけが再び続き、

その息遣いの中で、私は少しずつ濡れていった。

まるで一輪の花が夜露に濡れていくように。


(今日も安らかには眠れないだろうな…)


毎日のように訪ねてきながらも、しつこいほどに私をかき乱し、

離してくれない彼に、私はもう深くはまってしまったようだった。


深まる夜、

彼は今日もついに私を離してはくれなかった。

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