淑儀張氏
晩秋の陽が、交泰殿の障子の奥深くへと傾いていた。
ほのかな陽射しが部屋を満たしていたが、
空気の中には妙な緊張感が漂っていた。
大広間に長く敷かれた赤い絨毯の上には、整然とした尚宮たちが列をなし、
その中央に、美しく着飾った玉貞が頭を下げて立っていた。
彼女の隣には、キム尚宮が息を殺して控えていた。
中殿は席に座り、赤い教旨を手にしていた。
彼女の手は氷のように冷たく、
胸の中では嵐が吹き荒れていた。
粛宗が直接訪ねてきて、張尚宮を正一品嬪に冊封せよと命じた時、
王室の法度も、内命婦の位階も、さらには王妃の権威さえも無視された事実に、
彼女の自尊心は粉々に砕け散った。
名門の娘としての自負が、口を固く閉ざさせていた。
中殿はゆっくりと教旨を広げた。
赤い絹の上に金糸で刺繍された文字が、彼女の目に突き刺さった。
「淑儀張氏」。
正一品嬪よりも下の品階である、従二品「淑儀」であった。
(幸いとすべきか…不幸とすべきか…)
心の奥から熱い息がこみ上げてくるのを感じながら、中殿は数回の深呼吸の後、ようやく口を開いた。
「教旨を下す。」
彼女の声は、微かな震えさえなく、ただ冷たく、厳かに響いた。
数多くの大臣や尚宮たちが息を殺した。
「王室の法度に従い、内命婦の位階を立て、国母としての徳を具え…」
中殿は教旨に記された形式的な文言を読み下していった。
一文字一文字が胸に刃のように突き刺さったが、
彼女の顔にはいかなる感情も現れなかった。
ただ中殿としての揺るぎない威厳だけが、そこに存在していた。
視線は張玉貞に向けられた。
頭を下げたまま静かに立っている彼女の姿が気に障った。
「…これをもって教旨を下す。張尚宮は従二品、淑儀に封ずる。」
彼女の声が響き渡った。
玉貞の肩が微かにぴくりと動くのが見えた。
続いてキム尚宮が前に出て、教旨を受け取った。
張玉貞は頭を上げなかった。
粛宗の心を完全に受け取った喜びが胸をいっぱいに満たしたが、
同時に、中殿の冷たい視線を感じていた。
粛宗が嬪の品階に固執したことを知っていたため、
今の「淑儀」という品階は、中殿ではなく大妃ママ様の口添えと、
調整があったことを推測できた。
しかし、彼女は気にしなかった。
(この道の終わりは決まっている。それでも、この一歩を踏み出せる喜びがある。)
内面は悲壮でありながらも、自分に与えられた運命を淡々と受け入れようとする決然とした意志が垣間見えた。粛宗の熱い心が込められた地位であるから、彼女はただただ嬉しかった。
彼女はゆっくりと頭を上げた。
中殿が冷たい眼差しで自分を凝視していた。
その視線には、露骨な殺意が混じっていた。
「殿下のご恩、深く胸に刻みます。」
玉貞の声は震え一つなく、はっきりとしていた。
むしろ以前よりも堂々と、揺るぎない響きを帯びていた。
中殿の眉が微かにぴくりと動いたが、
彼女はすぐに何事もなかったかのように平静を取り戻した。
儀式が終わり、玉貞はキム尚宮に付き添われて交泰殿を出た。
背後には中殿の冷たい眼差しが突き刺さっていたが、
彼女は振り返らなかった。
これからが始まりだった。
殿下のそばで、彼女の居場所を揺るぎなく守っていかなければならない時間だった。