密かなる動き
日没時、
西の空が赤く染まり始める頃。
漢陽北側の路地の奥、
人足が途絶えた瓦屋根の家の裏庭。
外見は長い間空き家であったが、
大門の内側には、静かに風を裂く気配があった。
張禧載はすでに到着していた。
土埃を払いながら軒下に腰掛けた彼の姿は、
すっかり余裕があり、また図々しくもあった。
笠を脱いで膝の上に置き、口角をわずかに上げたまま──
遠くから近づいてくる足音を聞いた。
「ほう、久しぶりに両班らしく身なりを整えているのを見ると、今日はかなり真剣な席のようですな。」
禧載は軽やかな笑みをこぼした。
その姿さえも、致命的であるほど美しい男であった。
そして彼の前に姿を現したのは、南人派の重鎮、
領議政の座に就く前から朝廷に風を起こしていた人物、許積であった。
許積は咳払い一つせず席に着くと、静かに言った。
「噂が絶えないな。中宮殿に不穏な風が吹くというが。」
禧載は茶を注ぐ手を止めずに、
頭だけをそっと傾けた。
「噂は常に水のように流れるものではございませんか、大監。
ただ、その水がどこへ流れるかは、誰も知らないでしょう。」
ぽつんと置かれたこぢんまりとした小盤に乗った小さな茶碗に、
静かに茶を注ぎながら、とぼけたような笑みを浮かべた。
茶碗に注がれた茶が静かに満ち、
それを許積の前に押し出して目を合わせた。
「主上が…私に訓練大将の職を下されました。」
許積の眉が軽く動いた。
「殿下が直々に、か?」
禧載は口角を上げた。
その笑みの中には、明確な意図が宿っていた。
「張尚宮が再び宮に上がりました。
まもなく後宮の牒紙も下されるでしょう。主上の寵愛は天を突いています。
もしや懐妊でもなされば…中宮の座が、いつまでそう盤石であるとご覧になりますか。」
言葉の終わりを低くすると、空気が変わった。
「では──張尚宮を中殿にするつもりか?」
禧載は茶を一口飲んだ。
長く息を整えた後、何気なく答えた。
「私のような者がそんなつもりで、何が変わるというのですか。
志はただ心の中にだけしまっておくものです。
ですが…」
彼は許積の方へ、上体をほんの少し傾けた。
「私のような放蕩者はともかく、
南人たちには今でなければ、二度と機会は来ないでしょう。」
許積の眼差しが鋭く輝いた。
ただ主上の寵愛を受けている妹にたかって、
財産を蕩尽しているという破廉恥な噂とは違い、
彼の目に映った張禧載は、まさに
心中を測り知ることはできないが、野心は満ち溢れており、
本心は見せないが、志を強くアピールする
まさに策略家スタイルの二面性を持っていた。
禧載は言葉を続けた。
「西人派が掌握した朝廷、
勢いよく南人の足を引っ張っていた彼らが、
主上の意図と食い違っています。」
許積は心中を見透かされたかのように照れくさく笑いながら答えた。
「つまり…貴殿が言うその機会とは、
主上殿下と張尚宮の関係を利用し、南人の立場を再び確立せよ、ということか?」
禧載は微笑みながら、杯をそっと口元に運んだ。
その姿さえも、一枚の絵のようであった。
「許大監、お考えください。
朝廷が揺れることよりもっと早く動くのは、
主上殿下の御心です。
あの方の心が向かった場所に──我々が居場所を設ければ、
朝廷は再び南人のものとなるでしょう。」
言葉が終わるか終わらないかのうちに、裏庭の塀の向こうからカラスが一羽舞い上がった。
赤く燃え上がる夕焼けを裂きながら。
その後ろから吹いてくるひんやりとした風に、図々しく身を縮めながら、
ニヤリと笑う禧載であった。
許積はしばらくの間、彼をじっと見つめていたが、
ついに、杯を手に取った。
「貴殿の言葉の意味は分かった、今日はこれで帰るとしよう。」
慎重に杯を置いた彼は、
部下と共に帰っていった。
その姿を見ていると、彼が去った方向に沈んでいく
夕焼けがとても美しかった。
そして、
禧載はふと、少しすましたように微笑む玉貞の顔を思い出した。
膝に置いた笠をじっと握ったまま、
心の中で小さくつぶやいた。
「姉さん、俺はこれが姉さんのためだと信じたい。
だが…この道でなければどうなるんだろう。」
彼の心を代弁するかのように、細く震える指先。
主上とはまた異なる勢力の首長に会うことは、
禧載にとっても簡単なことではなかった。
老練な古狐たちはいつでも彼の本心を見抜こうとしている
という考えに、常に緊張しなければならなかったからだ。
しかし、
許積は思ったよりも簡単に引っかかった。
失脚した南人にとって今よりも良い機会はないということを、
誰よりもよく知っている人物だった。
杯を置いたその手が微かに震えるのを感じた。
老いた古狐たちにとって、権力とはそういうものだからだ。
そのようにしてでも玉貞に力を与えることができれば、
そして主上と玉貞が互いに気兼ねなく心を交わせることができれば、
彼の野心もまた共に満たされるだろうという思いがこみ上げた。
しばらく考え込んでいた彼は、やがて微笑んだ。
主上との最後の面会時の姿が思い浮かんだからだ。
「よほど私が嫌いなようですな、殿下。
私にこのようなことをお任せになるとは…。」
夕暮れの光を宿した赤い夕焼けが彼の瞳をいっぱいに満たした。
一瞬呆れたように笑いながら座っていた彼が、
夕焼けに照らされて輝く絹の道袍の裾を、パンと一つ払って立ち上がった。
「さあ、それではそろそろ、本当の風を起こしてみましょうか。」
鋭い目つきがすぐに子犬のように和らぎ、
いつそんな表情だったのかというように
いつもと変わらず図々しく、ふてぶてしく、
ゆったりと歩きながら市場の通りの中へと消えていった。
運命は徐々に彼が望む方向へと進んでいた。