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朝鮮に落ちた女子大生、致命的な王に囚われる  作者: エモい姉さん
第一章 ― 朝鮮に落ちた女子大生、ユン・イナ ―
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彼女は変わった




彼女が宮廷に入ってきた日が、今も目に焼き付いている。

一目惚れという言葉は、ただ小説の中だけのものだと思っていた。

あの日、張玉貞チャン・オクチョン──彼女を見るまでは。


生まれて初めて見る顔であったにもかかわらず、

息すらできないほどの彼女の美しさが、私のすべての視界を呑み込んだ。

そうして私の目には、ただ、彼女だけが存在するようになった。

言葉の一言、つま先の動き、少し弧を描く微笑みまでもが気品に満ち、

彼女の振る舞いには、人の心を静かに揺さぶる力があった。

私が初めて彼女の名前を呼んだ時、

少し躊躇いがちに、恥ずかしそうに答えるその姿が、

私の心の中に、かすかに刻み込まれた。

宮廷の誰とも違っていた。

彼女はただの一度も、他の人々の前で柔弱な姿を見せようとしたことがなく、

私だけに向けられた、彼女の別の側面が、私をより深く惹きつけるきっかけとなった。


だが、

どこか違う、彼女の息遣い。

見慣れた香りの中に、ほんのわずかに異なる温度。

彼女は「別のオクチョン」になったが、むしろ私に、より深く近づいてきた。

彼女はより正直になり、

より不器用になり、

その分、さらに…目を離せなくなった。


梅の木の陰に隠れて、私から逃げようとする姿。

息すらまともにできず、赤くなる顔。

以前なら想像もできないオクチョンだった。

彼女は記憶を失ったと言ったが、

いつも視線の先には私がいた。

記憶を失ったというその言葉が、

むしろ私を安心させようとする努力のように感じられた。


寒さが去り、春の雨がちらつく、ある春の日。

傘もささずに歩いていて、突然雨に降られた私たちは、ただ歩いていた。

霧のような雨が体を濡らす。

冷たさが滲む天候に、急いで彼女と戻ろうとした矢先、

そっと手に広がるその瞬間に、すべての息遣いが止まったようだった。

微妙に違うと感じられる彼女は、私のすべての感覚を研ぎ澄まさせた。


私は知っている。

彼女が何か変わったということを。

記憶を失ったように見えても、

話し方が不器用で、眼差しが違っても、

今の彼女もまた、張玉貞だった。

いや、もしかしたら、今の方がもっと本物なのかもしれない。


障子の向こうから、雨の匂いが深く染み入る。

濡れた塀の向こうの風景はぼやけているが、

その中の彼女の姿だけは鮮明だった。

静かに目を閉じた。


(そなたが誰であろうと、私のオクチョンだ。)


唇の間で小さく呟いた。


「逃げるな。私がそなたを愛することを、そなたが恐れる必要はないのだ。」


その言葉は、

静かに響き渡った。

まるで、長い間胸に秘めていた告白のように、

彼女に届くことを願いながら。



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