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光と影


青々とした 緑が** 深まっていく** 夏の** 気配が 朝鮮に 降り立った。


温かく 懐に** 食い込む** 風でも、冷たく 固まった** 心は** 相変わらなかった**。


叔父上の** 死後**、一層** 身の** 振り方に** 注意し、心を** 固く** 閉ざした**。対外的には 何の** 動きも ない** ただの 廃位された 元 中殿でいる 必要が あった。


そのため**、今日も あの** 水汲み 女の** 子を** 呼び** 話を** 聞いいるところだった**。


最初は 私を** 尊敬すると 言っていた 子と** 思えるか** 疑わしいほど** 淡々として 冷ややかだったが**、芯が** 強く** 野望が あるように 見える 堂々とした 鋭い** 子だった**。


「では**、提堰と 洑の** 工事現場に 殿下と チャン 氏が** 直接** 出向いていたというのか。」


「そのとおりです、ママ様。また**、チャン 氏は** 宮中の 内命婦の** 間で** 相変わらず 崇められています**。」


酷い** 女人だけと 思っていたが**、その** 女人の 本質を 見ていなかった。当時の 私は** 嫉妬に とらわれて 彼女を 正しく 見ようとしなかったように** 思う**。


確かに 彼女は 有能だった。連続して** 知らせを** 持ってくる 大臣たちと、この** 子の** 話を** 聞くだけでも**、彼女は 中殿の 座で** 自分に できる 仕事を 果たしながら** 朝鮮を 動かしていた**。


虚しい 気持ちに** 溜息が 漏れた。


私も 殿下の 愛を* 受けていたなら……違っただろうか?*


殿下から** 完全な 愛を** 受けながら 子まで 産み**、中殿の 役割を 立派に 果たす 彼女の 顔を** 思い浮かべると、胸の** 奥から 湧き上がってくる** 生臭い 不快感が** 鎮まらなかった。


「そうか。主上** 殿下との** 関係は どう** 見えたか**。」


私の** 問いに 少し** ためらった 彼女は 私の** 目を** 見つめた**。言わなくても** 眼差しから 読み取れる 当惑に 乾いた 笑いが 漏れた。


「傍にいた** チャン 大監が 気まずくて 立ち去るほどに 殿下は 深く** チャン 氏を** 抱きしめておられました。」


苦々しい** 気分が 口の** 中に** 広がった**。きらきらと 輝いていた 彼女が 今や** 本当に 完璧な 朝鮮の 月となってしまったという** 思いが よぎると**、元々** 暗かった** 私の** 心は** 一層** 悲惨に なった。


もう 彼女は 朝鮮の 月として* 輝き**、私は** 更に** 深い** 影として** 残る** ことに なったのだな**。*


更に** 驚くべき** ことは、殿下が チャン 氏を** 抱きしめていたという** 言葉よりも、チャン 大監が 共に** いたという 言葉の 方が** 大きく 心に** 響いた ことだった。最後に 共に** 空を** 見た** あの** 日以降、どこか 火傷のように** 残っていた あの** 夜の** 記憶が 再び** 鮮明に 蘇った。何か** 傷口に 塩を** 触れられたように** ひりひりと する** 感覚が した**。


私の** 精神が 現実に 戻ったのは あの** 子の** 次の** 言葉を 聞いてからだった**。


「あの**……ママ様……最近** 誰かに 後ろを 付けられている 感じが して**、最大限 遠回りして 参っておりますので、万が一の** 事態に 備えて 人を** 付けて いただくことは できませんか**。」


後ろを 付けられている 感じか……。もし あの** 子を** 監視するとしたら**、恐らく チャン・ヒイジェ** その** 人だろう**。


「分かった**。キム** 大監に 人を** 付けるよう 伝えよう**。」


礼を** 尽くして** 立ち去る** 彼女の 後ろ姿を** 見ると つい** 溜息が 出た**。動かせる** ものが 限られている** 上、目立たないように** しようとする** ため**、遅れている 感じしか** しなかった。


おとなしく している** わけにはいかない**。予想とは** 違い** 横暴かと** 思われていた** チャン 氏が** 思ったよりも** 遥かに 立派に 中殿の 役割を 果たしているという 話を** 聞くと、もはや 静観している** わけにはいかなかった**。


民衆の 民心が 彼女に 固まっていくほど**、私の** 立ち場は** 益々** 縮小するだろう。認めたくなかったが 現実は 冷酷だった。


別の** 方法が 必要だった。


「パク** 上宮は 外にいるか。」


私の** 呼び声に** 彼女は 急いで 扉を** 開けて 飛び込んできた。


「お 呼びですか、ママ様。」


「キム** 大監に 伝えたい** 話が** あるので**、今日の 夕方**、愛舎**(サランチェ)へ 来るよう** 伝えなさい。」


このままでは** いけない**……このままでは**……。対策が** 必要だ。

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