赤い糸の果て
肌をえぐるような風が吹き始めて間もない日の夕暮れ。
昼間のかすかな日差しさえも退いた宮廷は、冷たい闇の下に沈んでいた。軒先にはつららがぶら下がり、凍てつく風の音が耳元で鳴り響いた。
いつものように一日を終えた私は、**尹**を見つめながら、しばし考えに沈む。
私はどうすればいいのだろうか。
こんなにも愛らしいあなたを守りきれるのだろうか?
そもそも運命通りに流れていくという保証すらなかった。
先日まで尹が熱を出したせいで、丸二晩、一睡もできずに尹に付きっきりで、殿下の顔さえ拝見できなかった。
御医様までもが駆けつけ、脈を診て鍼を打ち、大騒ぎになったが、熱が下がらず困っていた時、熱が出ているからと厚着をさせすぎたせいで、尹の顔に蕁麻疹のように米粒大のぶつぶつができてしまった。
御医様は伝染病かもしれないと言って隔離を話したが、私の考えは違った。
『いや、あんなに熱が出てるのに理由がないんだって! 新生児はそういうこともあるんだってさ。体の免疫システムが菌やウイルスと戦う過程だって言ってたわよ』
少し前、出産時に助けになってくれた、できちゃった結婚をしたあの友人の話だ。皆で幼い頃の笑い話として聞き流していたその言葉が、今こうして役に立つとは思ってもみなかった。
御医様に頼み込んで、「私を信じてほしい」と伝え、王子が飲める解熱成分の湯薬を調合してくれるよう頼んだ。子供の服を脱がせて、ぬるま湯のタオルで頻繁に拭いてやった。そうすると驚くべきことに、尹の熱は下がり、米粒大のぶつぶつも少しずつ引いていった。
もし私が現代に戻れたら……あなたにご飯を奢るわ、必ず……
一騒動あって、ただでさえ落ち込んでいた心がさらに沈んだ。妙に浮かんだ疑念、「本当に運命通りに進むのが正しいのだろうか?」という……。
それにもかかわらず、私ができることはただ運命に従う道しかないと思っていた。
ベタベタと絡みついた「愛」という感情は、運命という巨大な糸玉に巻き込まれていっている。そして、この全てを知りながらも抜け出せない自分自身が哀れだった。
もしかしたら、別の人生が私にもあるのだろうか?
それとも、このまま静かに運命を受け入れるべきなのだろうか。
心が乱れていた。それにもかかわらず、何も改善されることはなく、その現実がむしろ私をより危うくさせた。
その時、戸が静かに開いた。音を殺したキム尚宮が茶碗を持って入ってきた。キム尚宮は常に毅然とした表情と無駄のない洗練された姿で、飛躍的に発展した業務処理能力を誇示し、中宮殿を補佐していた。その後ろから入ってくるチョン女官とソ女官は相変わらずだったが……。
「ママ、お体を温める柚子の茶をご用意いたしました。」
眠れない私を心配していたのか、入ってきた彼女たちは用心深く私の顔色をうかがった。
そうして躊躇しながら私を見ていたソ女官が口を開いた。
「中殿ママが私どものような下の者にまで細やかに気を配ってくださるおかげで、最近宮廷内の女官たちは皆、中殿ママを尊敬しております。」
「そうでございます、中殿ママ。ママの恩徳と細やかなお言葉のおかげで、最近私たちに感謝の挨拶をする女官たちが増え続けております。」
一言付け加えて称賛するチョン女官まで……。
ウニョン、どうしたの……ナリはまだいいとして、あなたは似合わないでしょ……
「あなたたちが円滑に仕事ができるなら、幸いだわ。」
薄い微笑みを見せて、彼女たちの言葉を適当に受け流した。ただ一人になりたかった。
尹を産む前から私を蝕んでいた憂鬱感は、出産後も変わらなかった。いや、むしろひどくなったと言うべきか。幸せになればなるほど、より不幸だと感じる今の状況は、私にとっては毒に他ならなかった。
ずっと私の目をじっと見つめていたキム尚宮は、黙々と茶を淹れると、再び私を穴が開くほど見つめた。
「諦めたいのですか、ママ。」
キム尚宮の声は穏やかだったが、波のように荒れ狂っていた私の心に優しく染み込んだ。
「ご出産前からママの顔色をずっと見てきましたが、ママの顔色は一貫して同じでございました。まだ起こってもいないことを心配していらっしゃるのですか。」
キム尚宮の言葉に、荒れ狂っていた心が激しく動揺した。
「キム尚宮……」
「これほどか弱き中殿ママを拝見するにつけ、過去の私の決心が嘆かわしいばかりでございます。いつまで主上殿下の顔色をうかがわせるおつもりでございますか。」
交泰殿の雰囲気は、獰猛な風も一歩引いて帰るほど冷ややかに沈み込んだ。キム尚宮について入ってきたウニョンとナリもうさぎの目のように丸くなってキム尚宮を見ていた。
しばらく窓の外を見ていた私の視線は、すぐにキム尚宮に突き刺さった。驚くべきことに、キム尚宮の表情は最初と同じく落ち着いて安定した状態だった。
彼女を見て、瞬間的に感じた。
こういう人を「忠臣」というのだな。
殿下は私に「本当の人間」をつけてくださったのだな、という感動的で温かい心が潮のように押し寄せてきた。
あの人に愛されるだけで十分だと思っていた。彼が幸せなら、私の運命はどうなっても構わない**と。
思えば、その考えは私の傲慢だったのだ。
私の不安と動揺は、殿下にそのまま伝わっていただろう。その残酷で悲しい運命を知りもしない彼が、共に背負ってくれていたのだ。そして、私に仕えるこの女官たちまでも……。
席から立ち上がり、窓辺に近づいた。厳しい風が一瞬でも静まり、いつにも増して明るい月明かりと星の光が、中宮殿を照らしているように見えた。
風に揺れていたのは、灯火ではなく、私の影だったのだ。
目頭が熱く高揚した。冷たい風よりも厳しいキム尚宮の言葉に、かえって慰められたようだった。
「ありがとう、キム尚宮。」
後ろは振り向かなかったが、彼女がどんな表情をしているか感じられた。
用心深く戻って席に座った。彼女は相変わらず乱れのない姿勢で礼を尽くしていた。
目上の者にこのようなことを言う時は、間違いなく命を懸けているはずなのに……。
老練なだけだと思っていたが、殿下は私に本当に「人」をつけてくださったのだ。
すっきりした。彼女の言葉を聞くと、まだ起こってもいないことで悶々としていた自分が情けなく感じられた。
私の場所で、私に与えられた日々まで、できることをすればいいんだ……
キム尚宮のそんな姿を見て微笑んだ。
いつも私が迷って揺れるたびに、常にその場で均衡を保ち、私を支えてくれる……本当にありがたい人だった。
「明日朝が明け次第、兄上を呼んでくれ。伝える話があるから、急ぎ入宮するようにと。」
むしろ何でもないように話す私の言葉に、彼女の目がようやく私を見た。
「小人に対するご処分は……」
言葉を濁す彼女を見て、何も言わずに首を横に振り、微笑んだ。
一瞬、かすめるように交差した眼差しを見て理解できた。彼女の目に映る信頼という感情を。
普段と変わらない姿勢で礼を尽くし退がっていく彼女を見て思った。彼女がいなかったら今の私が存在できたのかと。
再び静かになった交泰殿の中、眠っている尹を見つめながら考えに沈んだ。
尹よ、お前が統治する朝鮮……
そして殿下が成し遂げていく朝鮮のために、私に何ができるだろうか?
破局へと向かう運命に蝕まれて生きるくらいなら、私が愛し、守るべき人たちに光となる人生を生き抜こう。
それが、部下たちの信頼に対する、そして殿下の愛に対する、そして子供への母性愛に対する、私の決断だった。
「ママ……大丈夫でいらっしゃいますか。」
中殿ママの鋭い反応にかなり心配した様子なのか、チョン女官とソ女官は中宮殿から出てからもしばらくの間、私の後を追ってきた。
中殿ママの心中をまともに察することすらできない二人を見つめながら、深いため息が漏れるのを止めることはできなかった。
この二人までもが、私を心配してそうしているのだろうから……。
最善を尽くして毅然とした態度で彼女たちを見て微笑んだ。
「私のことは私が自分でやるから、今すぐ張大監様の家に行ってきなさい。中殿ママのお言葉を聞いただろう。」
私の言葉に、しばらく互いを見つめ合っていた彼女たちは、ぱっと明るく微笑むと、急いで走り去った。
交泰殿の外に出た空は非常に美しかった。
咲き乱れるように美しい星の光の中に染み込む冷たい気配に、体が縮こまった。
あの時の殿下が言われた言葉が思い出された。
『そなたの真価を見抜けるのは玉貞だけだと思っていたよ。いや、そうではないか?』
上がる口角を無理に引き下げながら、足取りを速めた。
高鳴る心を後にしながら……。




