石を投げる
月明かりが編殿の柱を斜めに伝って降り、墨の匂いと湿気を薄い膜のように床に敷き詰めていた。護衛は門の外の影に退き、私の足首をかすめる風さえも気配を隠したように静かだった。虎紙の上に流れ落ちた文字がまだ乾ききらない夜、殿下の呼び出しを受け、宮廷へと入った。
編殿の重い雰囲気を切り裂き、殿下の声が耳元を叩くほど大きく響いた。
「連判状?彼らが本当に連判状を回しているというのか。」
声は低く、低いだけ深かった。その声に、腰をさらに低くし、書簡の束を両手で捧げ持った。指先の血が脈を伝って降りていくのを感じた。
「左様でございます、殿下。西人の領袖格である閔維重と金学洙を中心に、**宋時烈**まで加勢し、西人勢力を糾合しております。」
心の一角で、墨色の雲が刃のように鋭く立っていた。彼らの書面が、即ち姉の息の根を狙う槍となることを知らぬわけがなかった。
「いかなる理由だと申すか。」
短く静寂を切り裂く殿下の言葉に、用意してきた封筒の封を切った。蝋が切れる音が軽く響いた。
「中殿ママの廃位と廃妃閔氏の復権、王子ママの世子冊封反対……この三つを掲げ、朝廷を揺さぶろうとしております。接触した人物と書簡が交わされた内訳、筆跡と印章、日付と場所を対照して表にまとめておきました。」
用心深く懐から書簡を取り出し、殿下に差し上げた。紙の繊維が殿下の指の関節で一瞬くしゃっとなり、再び伸びた。灯火の下、そのまつげが非常に微細に震えた。複雑な表情で書簡を見つめていた殿下が、また複雑な表情で私を見下ろした。
「南人たちの動きはどうだ。」
その言葉に、もう一つの封筒を取り出し、机の角にきちんと置いた。
「申し上げた通り、**許堅**の動きがございました。輪郭はまだ希薄でございますが、**巫俗**を行う者たちとの接触があったことを確認いたしました。さらに確認が取れ次第、殿下に上げさせていただきます。」
短い静寂が流れた。
殿下は口元に笑いのようなものを浮かべた。しかしそれは喜びではなく、信じるに足る者がいないという事実をついに認めた者の笑いだった。
「この者もあの者も……信じられる者が一人もいない。」
殿下の言葉に、しばらく息を整え、編殿の床にひざまずいた。私がここまで関与すべきかという思いにごくわずかにためらったが、中殿ママと王子ママの顔を思い浮かべると、これ以上遅らせることはできないことのように思われた。
「殿下がまず石をお投げください。」
低く吐き出した私の言葉に、主上殿下の視線が私に向けられた。
「世子冊封を水面上に引き上げ、彼らの足取りを急がせなさいませ。その隙を突き、連判状を殿下の御前に持ってまいります。」
灯火が揺れたのか、私の視線が揺れたのかはわからなかった。殿下の目は鞘を閉じた剣のように静かで、静かであるゆえに一層鋭かった。
「できるのか。」
一文字一文字が石のように重く、頭も上げられないまま答えた。
「殿下が助けてくださるなら、できないこともございません。」
しばらく編殿内に静寂が流れた。
この件は私にとってもリスクが大きいことであるにもかかわらず、これ以上遅延することはできなかった。連判状を先に手に入れ、彼らの意図を叩き潰すには、今動くしかなかった。
「張大監。」
重々しく落とされた殿下の声から、非常に多くのものを感じ取った。何よりも心に響いたのは、いぶかしむ殿下の眼差しだった。
「今、前後をわきまえる時ではないと存じます。この張希載、退きません。王子ママと中殿ママ、そして王室の安寧のためにも、私が進み出ます。」
私を見つめる殿下の眼差しは重かった。私的なぬくもりではなく、一国を支えるぬくもり。その重さがしばらく私を押し付けた。
「そなたは見れば見るほど有能で、知れば知るほど情が湧くな。」
愛情のこもった殿下の言葉に、突然全身に鳥肌が立った。
そ、その情は姉上にだけお与えください……。
愛情が宿った殿下の眼差しがさらに負担に感じられたその刹那、
「殿下の御命をお待ちしております。」
一言を残し、編殿を飛び出した。絶えず押し寄せるむずがゆい感覚に、とても耐えることができなかった。
門の外に出ると、夜はさらに濃くなっていた。後苑の入り口の松の木が、風に低く身を傾けた。
しばらく呆然と立っていた私は、腰帯の紐を再び結び直した。緩まないように、結び目が一度で締まるように。世は依然として大きな水流を予感させていた。
だからこそ私が先に、小さな石を拾わなければならなかった。
暁の鐘が鳴る前、闇の筋に逆らって、その石を水の中に投げることにした。
波紋は広く、そして真っ直ぐに広がるだろう。
その果てで、中殿ママと王子ママを狙う勢力の末路を見るだろう。
固い決意と共に、殿下のむずがゆい眼差しと全身に立った鳥肌を後にし、急いで宮廷を出た。
世をひっくり返すことよりも、殿下の愛情交じりの言葉の方が堪え難いとは……やはり私も男だったか。




