燃え立つ火種
気だるげに降り注ぐ午後の日差しの中、落葉はすでにほとんど地面に落ち、秋の終わりを告げる風は一段と冷たくなっていた。
障子越しに差し込む日差しが手元に降り注ぐと、心地よい顔をしている小さな生命は、あの赤くてブサイクな顔を脱し、白くふっくらと肉がついて、可愛らしく愛らしい殿下のジュニアとなっていた。
文字通り、殿下をそのままスタンプで押したようだと言っても過言ではなかった。血と汗の中で子どもを産んだ瞬間がまだ鮮明なのに、私の傍らで小さく温かい息を吐いている子どもを抱いている。小さな手が私の指を握りしめるたびに、世界が崩れても生きるべき理由ができたように胸が締め付けられた。
殿下は毎日、子のそばに座り、もぞもぞ動く子をあちこち揉み、終日何かを呟いており、その姿が可愛くて自然と笑みがこぼれた。端正で洗練された彼の顔が、子の前ではただの父親の顔になっていた。
「ユンが殿下を母と勘違いしてしまいますよ。」
私の言葉に、殿下は少し止まると、くすりと笑い、首を横に振った。
「誠に驚くべきことだ。この小さな手が、私の血を継ぎ、そなたの息を宿したとは。このちっぽけなものが、母をあれほど苦しめたというのか。」
彼の温かい言葉と平和な日常、気だるげに日差しが降り注ぐ窓、輝く殿下と子……全てが完璧すぎて、喉元まで込み上げてくる幸福感に笑うしかなかった。
「一日中ユンばかり抱きしめていらっしゃるので、とても寂しいです。」
「ならば……そなたもこちらへ来い。」
殿下は平然と私の肩を抱き寄せ、私を引き寄せた。突然の殿下の行動に驚いた私は、「きゃあ」と声を上げて引き寄せられた。
愛おしそうに強く抱きしめ、ひっきりなしに口づけを重ねる殿下を感じながら、この瞬間だけは本当に、世界で最も幸せな守りを受けているように安らかだった。
「幸せ……だな。」
顔を胸に擦り付けて潜り込んでくる彼の行動に微笑んでいた私は、独り言のように漏れたその言葉を聞き逃さなかった。何気なく出た言葉のようだったが、そのどんな言葉よりも重みがあり、大切だった。私という存在が残ることができた理由、耐えることができた理由、ここにいなければならない理由、その全てが殿下のこの一言で報われる気分だった。
擦り寄せる彼の頭をしっかりと抱きしめ、しばらくそうして座っていた。
しばらく中宮殿を満たした静寂、そして彼の止まった動き、全てが温かく幸せなだけだった。
日光を受けて輝く殿下の**袞龍袍**をなぞるように温かく絡みつく手。やがて私の手を彼の顔に持っていき、手の甲にも顔を擦り付けた。
どこかにしきりに顔を擦り付けること。
何か悩みがある時や決断をしなければならない時、あるいは辛い時に出る、彼の癖だった。
「殿下、お疲れでしたら、お休みになられますか。」
私の言葉に、少し首を横に振った彼が、ふいに起き上がり、私の真上に覆いかぶさった。深く押し入ってくる彼の息遣いに、ドキドキする心臓がその存在感を現した。久しぶりに感じる痺れるような感覚に、彼の首に手を回した。濃厚に深く入り込む粘り気のある唾液の音が耳元をくすぐった。
「いつまで駄目だと申した。」
低く抑えられた声の中に、充満した渇望が感じられた。突然の彼の言葉に、顔が赤く上気した。
「せめて百日までは……絶対にいけないと申しました……。」
日光が降り注ぐ真昼からこんな話をしていると、恥ずかしい気持ちさえした。再び深く入り込む彼の唇がくすぐったく感じられた。
「世子冊封も、全ての騒動も百日以内に終わらせておこう。だから百日になる日には、そなたの全てを私の褒美として捧げよ。指先から足の先まで……その夜、私はそなたを残さず手に入れるだろう。」
耳が溶けてしまいそうだ……。
甘く染み込む甘美な声に酔いそうになった瞬間、殿下の後続の言葉を悟り、跳ね起きた。
「せ、世子と仰いましたか?」
私の反応に、かえって殿下の方が驚いたように私を見つめた。
「私の長子であり、嫡子であるユンが世子になるのは当然のことではないか。」
いや、まだ言葉はおろか、首も座らない子をすぐに世子に冊封しても良いのだろうか?
首をかしげる私を、決意に満ちた目で見つめた彼が言った。
「オクジョン、私はユンに最も強い君主の座を用意してやるつもりだ。賢く聡明なそなたに似たのだから、誰よりも輝く君王になるだろう。」
知っている。この子の運命を……。詳しい内幕は知る由もないが、私が産んだこの子が悲運の君主という名で残される歴史を考えると、今から胸が血を流すように痛んだ。
ユンを輝く瞳で見つめる彼を見て、私にできることは何もなかった。背後の障子越しに通り過ぎる風が冷たく染み込んできた。
幸福は短く、風はいつだってその隙間をこじ開けて入ってくる、ということを。
それでも今日だけは忘れたかった。
今日だけはこの温かい息遣いの中に留まりたかったので、輝くあの二人の男を見つめ、ただ光の中に溶けていった。




