王妃の初夜
お待ちくださった読者の皆さまに、ご不便をおかけしてしまい本当に申し訳ございません。
そして、いつも支えてくださる読者の皆さまに心より感謝申し上げます。
今夜もどうか幸せな時間をお過ごしください!
冊封の儀式が終わった後、交泰殿へと向かった。正宮の中殿であれば必ず初夜を過ごさなければならない場所。数百年の間受け継がれてきた規範が、その一箇所に染み込んでいた。
交泰殿の内部は、すでに整えられた帳と灯火、そして香炉のほのかな香りで満たされていた。朱色の灯篭の火が絹の帳に当たり、部屋の中を恍惚とした光で染め上げ、香炉からは竜骨と梅香が混ざった濃い煙が立ち上り、息遣いごとに胸を熱くした。
ふと、ここまで辿り着くと、廃庶人となった**仁顕王后**が思い浮かんだ。
私が実家にいたあの夜、
彼女はどんな気持ちでこの敷居を跨いだのだろうか。
ときめき?それとも恐れ?
しばらく考えもしなかった彼女が思い浮かび、何とも言えない微妙な違和感が私を包み込んだ。中殿という名前で再び戻ってくる彼女、今のこの座は、再び彼女に帰るべき場所……。朝鮮最高の女が座れるという座。この座に座ってみて、実感が湧いた。中殿という座の重さと重圧感を。
翟衣の上にかけられた絹の帳がそっとめくられ、尚宮たちが私の後ろでひれ伏して礼を尽くした後、下がっていった。
ゆっくりと降りてくる静寂の中、品格が感じられる薄い絹の寝間着姿の彼が、正面に立っていた。絵画のように端麗な姿で向かい合う彼の顔は、いつもの見慣れた姿だったが、今日はなぜか少し違って感じられた。しっとりとした雰囲気のせいだろうか、それとも変わった立場のせいだろうか。
そっと近づき、私をぎゅっと抱きしめる彼の姿が、より愛おしく感じられた。
「私の生涯に、これほど完璧な夜が来るとは……そなたがついに私の中殿になるなんて。」
低く響く彼の声は、帳を揺らめかせるように深く、固かった。心臓がドキドキと音を立て、くすぐったく落ち着いた。
「初めてお目にかかったあの日から、たった一日も殿下の女でなかった日はありませんでした。」
愛おしそうに見つめる彼の瞳から、蜂蜜が滴り落ちるようだった。
紅い口紅とコンジ、華やかな宝石と双鳳簪まで。つい先ほどまで王妃の象徴だった装飾品たちが、彼の前で一つずつ外されていった。絹の紐が解け、重い簪が下ろされるたびに、私の体は次第に一人の女へと戻っていった。
初めて彼に抱きしめられたあの日と同じように、心臓は休むことなく高鳴った。あの時と変わったのは、慎ましやかに膨らんだ下腹くらいだろうか。涼やかな寝間着の金糸の刺繍が私の腕にかすめると、全身が火照った。
彼が私の顎をそっと持ち上げ、唇をゆっくりと重ね合わせた。
嵐のように深く、激しい口づけ。
息遣いが混ざり合うほど、全身が彼の炎に包み込まれるようだった。
彼は私を抱きしめたまま囁いた。
「知っている。最初から今まで、一度も私の女でなかったことはない。
私だけが知る……私が摘んだ花ではないか。」
濃密な囁きと共に唇が首筋を伝って流れ落ちるたびに、炎はさらに激しくなった。
しかし、彼の指先は限りなく慎重だった。
節制と熱望の間で揺れる眼差し。
それが、かえってさらに致命的だった。
彼は私の肩に唇を這わせるように、低く囁いた。
「骨の髄まで、すべて私のものにしたい。」
名残惜しさがかすめた瞬間、彼はゆっくりと唇を舐めた。その小さな動作一つさえも官能的に見え、息が詰まるほど胸が躍った。
彼が優しく触れてくれる下腹に、暖かい温もりが広がった。
「オクジョン……。」
私の名を呼ぶその声は、甘くも熱く、耳朶を突き刺した。
「覚えておくがいい。そなたは私の王妃であり、**私の女**だ。
もう、死んでも私の傍から逃れることはできない。」
その致命的な所有の宣言に、全身が震えた。恋心を告白する言葉よりも強烈だった。
完璧に……幸せだ。
私の心は、すでに完全に彼に囚われていた。
夜は深まり、交泰殿の灯火はさらに赤く燃え盛った。




