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朝鮮に落ちた女子大生、致命的な王に囚われる  作者: エモい姉さん
第二章 破局の始まり、そして深まる心
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崩れゆく中宮殿



大殿テジョンから出てきたミン・ユジュンの顔は、半紙のように真っ白になっていた。王の眼差しから読み取った生臭い嘲笑と、「ソン医官を直接尋問する」という予測不可能な宣言は、彼のすべての防衛線を崩壊させた。


彼は出るやいなや部下を呼び、小さく命じた。


「直ちにソン医官を探せ!見つけたら…その場で息の根を止めろ!


絶対に息をさせておくではない。」


ミン・ユジュンは便殿を出るやいなや、彼の部下に血走った目で命じた。部下は感情のない冷たい顔で頷き、その場を去った。


手がぶるぶると震えた。あれほど切実に築き上げてきた努力の塔が、一瞬にして崩れ落ちる危機だった。生き残る道を探さなければならない。このまま崩れるわけにはいかなかった。


彼は方策を見つけるために、慌ただしく退廷しようと足早に進んだ。


その時だった。


遠くから、ほのかな光を背景に一人の女性が歩いてきた。


眩しいほど美しい王の女性、チャン・オクジョンだった。彼女は自身の尚宮と話をしながら微笑みを浮かべて歩いていた。


そして、微笑みながら歩いていた彼女の視線も、気配を感じた方へ向かった。


二人の視線がぶつかった。


オクジョンの眼差しは落ち着いて静かだったが、その中に何か分からない悲壮感が宿っていた。ミン・ユジュンは思わず何かに魅入られたように、彼女の方へ足を踏み出した。オクジョンは彼を見ると、軽く頭を下げて礼を尽くした。彼女の絵のように優雅な動作は、この上なく美しかった。


「奸悪な妖婦だと噂が立っているが、


結局その妖婦が中殿様の座まで狙うのか。」


ミン・ユジュンの声は鋭い刃のようだった。その言葉にオクジョンの目が微かに止まったが、やがて冷たく冷え切った。ミン・ユジュンは全身が震えたが、無理に口角を歪ませ、生臭い微笑みを浮かべた。


「このまま崩れるとでもお思いか?


中宮殿も揺るぎなく座を守るはず。


追放されるのは淑儀様ソクイママの方であろう。」


オクジョンはミン・ユジュンの傲慢な微笑みを静かに見つめた。そして、花のように美しい微笑みを浮かべた。冷ややかに沈んだ太陽の下で、その微笑みはぞっとするほど冷たかった。


「大監が心配すべきは、中殿様ではないはずですが。」


オクジョンの言葉に、ミン・ユジュンの顔が一瞬固まった。彼の瞳に不安がよぎった。彼女は微笑みを消し、淡々と話を続けた。


「殿下のお子様を殺そうとした罪は、見過ごすことはできないでしょう。」


ミン・ユジュンの頭が素早く回転した。粛宗は湯薬についての話は持ち出さなかった。中殿の不妊と、自分を陥れようとした罪だけを問うただけだ。


なぜ……この女がその事実を……。


ミン・ユジュンはひるみ、驚いた顔でオクジョンを見つめた。


「ソン医官が中殿様とだけ関係しているわけではないことを知っています。」


オクジョンの言葉は、鋭い刃のように飛んできてミン・ユジュンの心臓を貫いた。彼はひるみ、たじろいだ。彼の眼差しが恐怖で揺れた。


「ま…さか?」


ミン・ユジュンは思わずオクジョンの下腹部を見つめた。オクジョンは彼の視線を平然と受け止め、冷たい微笑みを浮かべた。


「殿下がソン医官を直接尋問なさるそうですね。


では、直接お聞きになるのではないでしょうか?大監がわたくしに何をしようとされたのか……


そのことが、大監の首をどう締めることになるのか……気になりませんか?」


オクジョンの言葉に、ミン・ユジュンの顔は屈辱に歪んだ。彼の体がぶるぶると震え、怒りと侮蔑感に拳を握りしめた。彼はあえて答えることすらできなかった。


すべてのカードが通用しなかった。


いや、最初から彼はオクジョンの手のひらの上に置かれていたのだ。


「今、お引きになれば、滅門は避けられるのではないでしょうか。


わたくしはただ、大監に生き残るように申し上げているだけです。」


完全に負けた。


どのカードも通用しない。


逃れることはできない。


オクジョンは微笑みながら、静かにミン・ユジュンのそばを通り過ぎた。彼女が彼の襟元をかすめた瞬間、ミン・ユジュンは拳にすべての力を込めた。手のひらに鋭い痛みが走ったが、それすら感じる暇もなく、侮蔑感と怒りに包まれた。


強く握りしめた拳の中で、肉が裂け、血がにじみ出た。その血は、彼の凄惨な敗北と、近づく破滅を予言しているようだった。


その夜、


冷たく沈んだ春の気配が就善堂に降り注いだ。


昼間出会ったミン・ユジュン大監の眼差しが再び思い出され、頭の中を乱した。


ただ通り過ぎることもできたのに、馬鹿みたいに…。


複雑な感情が波のように押し寄せてきた。


運命という名で近づいてきた影が、


自分も知らぬ間に自分の首を徐々に


締め付けていたという事実に、鳥肌が立つほどだった。


私が拒否しても、運命は私を中殿という座に追い立てるのだろう……。


最初はただ感情に忠実だった。


次に、抜け出せないほど彼を愛するようになった。


だから生き抜くことを決心し、彼の傍に留まり、運命に耐えようとしていた。


だが、


いざ、運命が徐々に現実となって近づいてくるのを感じると、


秋風に葦が揺れるように、冷たい風が胸に吹き荒れた。


彼と子供を考えると、妙にときめき、未来が期待できる一方で、


未来を考えると、暗鬱でしかない。


まさに混乱そのものだった。


運命を淡々と受け入れることにしていたが、


このように激しい風が吹き荒れる日には、その風が


胸の奥深くに入り込み、すべてをかき乱す。


今となっては、もう自分でも自分が分からない。


戻りたいという考えは全くしなかった。


ただ、どうやってこの時間を生き抜かなければならないのかだけを考えた。


予想よりも早く訪れた中殿の没落。


そして朝廷に吹き荒れた換局(ファングク/政権交代)の嵐。


そのすべての中心に自分と自分の子がいると考えると、


再び痛み始めた頭に、下腹部がチクチクと固まるような感じがした。


胃がむかむかし、吐きそうになる感覚に不快感が倍増した。


「うっ……。」


繰り返される空嘔吐に、床に涙がぽろぽろと落ちた。


瞬間、


スパークが散るように、意識がはっきりした。


気を確かに持て、オクジョン。いや、イナよ……。


私がこんなに揺れたら、子供が不安がるではないか。


ひとまず子供が無事に生まれてから考えても遅くはない。


だから、しっかりしろ。


吹き荒れる感情を鎮め、再び目を閉じた。


震えるまぶたを感じながらも、再び毅然とした態度を取り戻すことができた。


そうして嵐のような夜が、ゆっくりと過ぎ去っていた。


読者の皆さまのご愛情に支えられ、ついに第二幕を終えることができました。

当初はここまで長く続くとは思いませんでしたが、皆さまと共に歩んでこられたおかげで、誇らしくも楽しい時間となりました。


初めての小説だからこそ、これからも一層心を込めて、より良い作品をお届けできるよう努めてまいります。


第三幕も休むことなく続けてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます!

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