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朝鮮に落ちた女子大生、致命的な王に囚われる  作者: エモい姉さん
第一章 ― 朝鮮に落ちた女子大生、ユン・イナ ―
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濡れた心は、もう隠せない




雨は予告もなく降り注いだ。

空は今にも夜が訪れるかのように暗くなり、

息をつく間もなく、

まるで穴が開いたかのように、あっという間に激しい雨が降り出した。


彼が私の手を引いた。


「こちらへ来なさい。」


彼とともに雨の降る通りを越え、

濡れた石畳の上を滑るように進み、

狭い路地の奥にある古い藁葺き屋根の家の中へ入った。


藁葺きの家の中は冷たく暗かった。

濡れた土の匂い。

穴の開いた障子の向こうから降り注ぐ、雨の音。

外は今にも崩れそうな雷鳴と豪雨で壊れそうだったが、

家の中は息遣いさえ聞こえるほど静かだった。


荒い息を整えて顔を上げると、

彼が私を見つめていた。

濡れた髪から、ぽたぽたと滴り落ちる水滴。

びっしょり濡れた道袍ドポの裾。

そして、奥深く、深遠な眼差し。


再び胸がドキドキしてきた。

服の裾は重く体に張り付き、

髪は濡れたまま首筋を伝って流れ落ちた。


彼がゆっくりと私に近づいてきた。

ほとんど触れそうなほどの距離。

その距離を越えて、慎重に近づき、

濡れた私の髪を優しくかき上げた。


全身が緊張でこわばっていった。

しかし、避けることはしなかった。


「大丈夫か。」


囁くように染み入る声。


「はい…大丈夫でございます、殿下。」


震える息が唇の間から漏れた。


上着を脱いで私の肩に掛けてくれる、彼の指先。

雨に濡れた布越しに伝わる、温かい体温。

胸のあたりが、ゆっくりと熱くなった。


「寒さはすぐに去るだろう。

だが私は…そなたが消えてしまうのではないか、それが怖いのだ。」


その言葉の向こうに、別の意味が込められていることが痛切に感じられた。

息すら止まりそうな告白。

頭を下げた。

どうしても、彼の目を見つめることができなかった。


「殿下にご迷惑をおかけしました…」


かろうじて絞り出した言葉。

返事の代わりに、彼は私を胸に抱きしめた。


雨と風、世の中のすべての騒音が、

一瞬にして遠のいた。

残されたのは、お互いの体温だけ。

その胸はとても温かかった。

あまりに温かすぎて、

怖かった。


「愛している、オクチョン。」


短い一言。

胸に響く彼の言葉に、心臓が「ドクン」と大きく跳ねた。

両の目が自然と大きくなった。

信じられなかった。

このすべてが夢のようだった。

むずむずと喉までこみ上げてくる感覚に、彼を見上げた。


こらえていた感情と、言葉が、思わず溢れ出した。


「このまま殿下と一緒にいたら…本当に、戻れなくなりそうです。」


喉の奥までせり上がった息を、かろうじて吐き出した。

彼は静かに私を見つめた。

慌てて、心を繋ぎとめた。


「まだ…戻らなければならないと思っています。」


そう言いながらも、

胸の奥深いところが、

細く裂けるような気がした。


「でも、その気持ちがだんだん消えていくのです。

そしてそれが…怖いです。」


すべての感情が、

不器用な声で溢れ出た。

高ぶった感情は理性を拒み、

考えとは関係なく言葉が飛び出したので、戸惑うほどだった。


(でも…私の言っていること、分からないだろうな…。)


それでも彼は変わらず温かい目で私を見つめた。

すべてを包み込むかのようなその視線が、

かえって胸がいっぱいに感じられた。

詰まった胸を、そっと押さえた。


「時々、私の心が…ここにいるような気がするのです。」


耳元に降り注ぐ雨の音。

心臓の音。

すべてが重く、熱かった。


粛宗は黙って笑った。

子供を抱きしめるように、優しい目で。


「そなたが大丈夫になるまで、待とう。」


低く深い囁き。

言葉よりも重く、胸に降り積もった。

私の手の上に重ねられた彼の手。

雨は相変わらず激しく降っていたが、

不思議なことに、

寒さは感じられなかった。


この人。

この胸。

私はいつの間にか、

静かに飼いならされていた。

まるでずっと前からここが私の居場所だったかのように。

本来は1話ずつの投稿を予定しておりましたが、読者の皆様にもっと頻繁に作品をお届けしたく、当面の間は一日2話ずつ更新していく予定です :)


誤字脱字や修正が必要な箇所など、お気づきの点がございましたら、ぜひお気軽にお申し付けください。皆様のご意見が、作品の発展に繋がり、大変励みになります。


いつも応援してくださり、心より感謝申し上げます!

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