憤怒と決心
すべてを聞かされた粛宗の体は、憤怒で微かに震えていた。チャン・ヒジェの口から吐き出された中殿の悪行は、彼が想像していたよりも深刻だった。
内命婦の首長という職責にありながら、これほど破廉恥な真似をするとは。しかも、子供を持つことができないという事実を隠していたのか。
中殿の不妊という致命的な事実は、好き嫌いを超えて、王室の存立を揺るがす問題だった。王家の女性として、そして国母として、後継者を生むことは最も重大な責任だった。
まあ……そうは言っても、
望まぬ女を抱いてまで、子供が欲しいとは思わなかったが。
複雑な気流が粛宗の眼差しの中で揺らめき、波紋を起こした。
粛宗は、チャン・ヒジェが提出した書状と不正帳簿、そしてソン医官から得た証拠をじっと見つめた。
「さて……いかがなさいますか、殿下。」
チャン・ヒジェの慎重な問いかけが、便殿の重い空気をさらに重くした。粛宗は何も言わず、目を閉じた。細かく震えるまつげが、彼の心境を代弁しているようだった。
彼の頭の中では、激しい嵐が吹き荒れていた。憤怒で散り散りになろうとする理性をぐっと押し込め、必死に感情を抑えつけた。今は感情に振り回される時ではなかった。王として、そして愛する女性の夫として、また、もうすぐ生まれる子の父として、最も冷徹で冷たい頭で判断しなければならない瞬間だった。
しばらくして、粛宗は何かを決心したかのように、ゆっくりと目を開けた。その眼差しには、固い決意が宿っていた。
「わが心は変わらぬ、チャン大監。
いまだに朕の心の中の唯一の王妃は……オクジョンだけだからな。」
確固たる彼の声が、便殿の中に響き渡った。チャン・ヒジェは粛宗の変わらぬ心に安堵し、少し頭を下げた。互いに同じ志を持っていることを確認した二人の間には、張り詰めた緊張感の中に妙な同質感が流れた。
「ただ、このすべてをいつ爆発させるのが最も致命的であるか、それが悩みだ。」
彼の言葉は悩みというよりは、最も完璧な一手を見つけるための苦悩に近かった。チャン・ヒジェはそんな粛宗を見つめ、しばし考えに沈む彼に慎重に言葉をかけた。
「時間がございません、殿下。
淑儀様の胎内で育っておられるお子様を、いつまで隠し通せましょうか。」
チャン・ヒジェの言葉には一理あった。懐妊したという事実が広がり始めれば、権力という名のもとにどんな恐ろしい悪行を犯すか分からないことだったため、彼の心配は十分に納得できるものだった。
粛宗は頷いた。彼の眼差しは相変わらず深い考えに沈んでいた。
「わかった。チャン大監、近いうちに再び呼ぶゆえ、そう心得よ。」
チャン・ヒジェはこれ以上ためらわずに下がった。
どうせ決定は殿下がなさることではないか。
自分はただ退く以外に、何もすることはできなかった。
便殿には粛宗だけが一人残された。彼は荒い息を吐きながら憤怒を鎮めた。拳を固く握っては開くことを繰り返した。彼の脳裏には、ミン・ユジュンの醜悪な顔と中殿の偽りの微笑みがよぎり、それによって危険に晒されそうになったオクジョンが、まだ膨らんでもいない腹を抱えて微笑んでいた顔が浮かんだ。
彼は大きくため息をついた。
こんな時こそ……冷徹で冷たい頭で判断しなければならない……。
王の座において、感情は贅沢だった。彼は静かに憤怒を抑え込んだ。最も痛いところを突き、二度と頭を上げられないようにする完璧な瞬間を探さなければならなかった。
便殿の中は深い闇に包まれていたが、粛宗の決意に満ちた眼差しは、夜空の星のように冷たく輝いていた。