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朝鮮に落ちた女子大生、致命的な王に囚われる  作者: エモい姉さん
第二章 破局の始まり、そして深まる心
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咲き誇る毒花(どくか)


いつも温かかった就善堂に、冷たい冷気が漂った。その冷気が何とも感じられないほど、オクジョンの表情は冷え切っていた。


彼女の顔から血の気が引いていくのを見て、私は少し躊躇した。殿下にすべてを告げる前に、それでも一度はオクジョンの意中を尋ねなければならなかった。どうであれ、彼女のことだったのだから。


懐妊が確実となった今、お子様の健康も心配だったが、この程度は彼女も知るべき真実だと判断した。


ソン医官の口から出たすべてを、一つ残らず伝えた。


中殿チュンジョンミン氏が、自身の不妊を隠すためにオクジョンの不妊説を広めたこと。


ミン・ユジュンが直接オクジョンの湯薬に手を加え、懐妊を妨げる薬草を混ぜるよう指示したことまで。


「それが…すべて事実だというのですか?」


冷たく凍りついた彼女の瞳が揺れた。そのか弱く美しい顔に、苦痛と共に次第に冷たい冷気が広がっていくのを見て、妙なデジャヴを感じた。唇をぐっと噛み締め、必死に感情を抑え込んでいるようだった。


私も驚いたんだ、お前ならなおさらだろう。


しかし、お前は知らなければならない。


この宮廷内の争いが何を意味するのかを。


オクジョンはまるで夢から覚めた人のように、虚ろな眼差しで虚空を見つめた。そして、やがてゆっくりと視線が私に向いた。そして、彼女の唇が静かに開かれた。


「お兄様、ミン・ユジュン大監がわたくしの湯薬に関与した話は、まだ殿下に申し上げないでください。」


予想外の言葉だった。ミン氏一族を一気に破滅させる最も強力なカードだった。


当惑を隠せず、聞き返した。


「なぜそのようなことを?ミン氏一族を一瞬で終わらせる機会ではないか?」


オクジョンはかすかに微笑んでみせた。その微笑みは、限りなく冷ややかに感じられた。


「重要なことには、タイミングというものがあるのではないでしょうか。


すでに中殿様の件だけでも、殿下は衝撃を受けられるはずです。


ですから、そのカードはわたくしにくださいませ。


わたくしと関係していたことですので、わたくしが必要な時に使いたいのです。


この険しい宮廷で、命を繋ぐ糸の一つは掴んでいなければならないではありませんか。」


彼女の眼差しは揺るぎなかった。


このすべての事実を聞いても、これほどまでに強固で冷静に笑えるという事実に、湧き上がる笑みを隠すことができなかった。


驚きと共に、血が沸騰するような戦慄が走った。


やはり私の妹だな。


「承知いたしました、マダム。そのようにいたします。」


頭を下げ、彼女の命を受けた。これ以上満足なことはなかった。ミン・ユジュンに向けられた刃は、もはや私ではなく、私の妹の手に握られることになったのだ。


私はためらうことなく体を返し、便殿へと歩みを進めた。


もう殿下の時間、そして私たちの時間が始まるはずだった。


お兄様が出て行って、しばらくの間、ぼんやりと座っていた。


私が、それほどまでに憎かったのだろうか。


それとも、ただ歴史通りに流れているだけなのだろうか。


単純な政争ではなかった。


ドラマでしか見たことのない宮廷の暗闘が、


実際は相手が死ななければ終わらない、生死をかけた戦いだということを知ると、鳥肌が立った。


下腹部がじんわりと固まるようだった。


そうだ、まだ何も終わっていない。


殿下を信じてじっとしているのも良いだろうが…


私は私の戦いをしなければならなかったのだ。


ミン・ユジュン大監は知っているだろう。


お兄様がカードを持っているということを。


だからこそ、さらに急ぐ必要はなかった。


私たちが持っているカードをすべて明かす必要はないのだから。


不安にさせて、相手を干からびさせるのも面白いだろう。


それが権力の頂点にいた人間であれば、なおさら。


もしかしたら、自分が生き残るために自ら中殿様を差し出すかもしれない。


そんな考えにまで至り、ふと我に返った。


待てよ…


そういえば、あの兄と私は同じ血筋じゃないか。


もしかしてチャン・オクジョンも…イカレた素質があるんじゃないだろうか。


そうでなければ、これが面白く感じられるわけがないじゃない…。


妙な違和感に、虚しい笑みがこぼれ落ちた。


赤ちゃん…こんなことは学んじゃいけないわよ…

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