二度目の脈診
正月の寒気が退き、宮廷内にかなり温かい気が漂う午後だった。就善堂の建物の中に差し込む温かな日差しに、体がだるくなるような気分。それと同時に、私の心はまるで綿毛のように軽く宙に浮いていた。
私のお腹の中に本当に新しい命が宿ったのか、それともただの勘違いに過ぎないのか。その小さな不安感が、私の心の片隅を静かに揺さぶった。
殿下は、あの日の私のイライラ事件(?)以来、毎日時間があるたびに敷居がすり減るほど訪ねてきた。
もしや機嫌を損ねてはいないか、不便なことはないか、もしや口に合わない料理を出したのではないか。散歩がしたいと言ったら、全身をぐるぐる巻きにして目だけを出し、外に出たことさえある。
懐妊の有無を周りに知らせるなと言っておいて、
殿下がここまでしたら、バレないわけがないじゃない。
大妃様の崩御後、とても苦しんでいた殿下が、期待に満ちた眼差しを送り、幸せそうな笑みを浮かべるたびに、幸せでもあり、不安でもあり、正直、二週間がどう過ぎたのかも分からない。
医官が入って脈を診ている今この瞬間も、私の手をぎゅっと握り、私よりも本人がもっと震えている顔で私を見つめていた。
当事者は私なのに、どうして本人がもっと緊張してるのよ……。
医官は困ったような顔で、一度糸を置いた。
「あの……主上殿下。その……淑儀様とそれほど近くにいらっしゃいますと……正確な脈を診ることができません。どうか少しだけでも……。」
医官の言葉に気まずそうに、すぐに私の手を下ろして、私を見てにっこりと笑った。
何だろう……この子犬みたいな感じは……。
一緒に座っているキム尚宮の顔には、私のときめきよりも深い緊張がこもっていた。
「淑儀様、糸を置いて直接脈を診させていただきます。」
慎重に近づいてきた医官の指が、私の手首の上に静かに置かれた。彼の顔には何の感情も読み取れなかったが、彼の眼差しは、静かな水面の下に隠された深海のように深く、重厚だった。
息遣いさえ慎重な静寂の中で、私はただ殿下の温かい眼差しだけを感じていた。
どれほどの時間が流れただろうか。
長く、長い沈黙の末に、医官がゆっくりと手を引いた。
小さく震えていた彼の唇が、慎重に開かれた。
「か……恐悦至極にございます、殿下。
淑儀様は、間違いなくご懐妊なされました。」
殿下の眼差しは一瞬、巨大な嵐に飲み込まれた海のように揺れた。彼は晴れやかな顔で無言のまま私の手をぎゅっと握り、慎重に私のお腹を撫で下ろした。
彼の手に触れると、まるで嘘のように、お腹の中で微妙な震えが感じられるようだった。
ああ、本当なんだ。子供が……殿下の子供が、私のお腹の中にいるんだ。
胸いっぱいの感激が波のように押し寄せた。心臓が破裂しそうなくらいに高鳴った。
世の中のあらゆる美しい歌の言葉を持ってきても表現できないほど、胸いっぱいの感情だった。
彼は私を腕の中に抱きしめ、しばらくの間、離してくれなかった。彼の頑丈な肩が細かく震えるのを感じながら、私も思わず彼の背中を強く抱きしめた。
その間に、キム尚宮は静かに医官と女官たちを下がらせ、部屋から出て行った。やはり、熟練した彼女の配慮が感じられた。
「母上が、私たちに贈り物を送ってくださったのだな。」
殿下の低い一言に、私も思わず涙が流れた。心と心が一つに繋がり、また別の感激とときめきを生み出した。
私の体が微かに震え始めると、彼はすぐに体を離し、手を伸ばして私の目に当てた。
「おや、朕が余計なことを言ってしまったな…。」
見上げた彼の眼差しは、相変わらず巨大な木のように頼もしかった。
「いいえ、殿下……わたくしも同じことを考えておりました。」
私の不安と交錯する幸せな気持ちを感じているのか、黙々と私を抱きしめる彼が、まるで頼もしい灯火のように感じられた。
しかし、冷徹な現実も同時に私の頭の中をよぎった。お腹の中の子供が世に出るまで、宮廷内の風はさらに強くなるのは明白で、中宮殿の刃はさらに鋭くなるだろう。
愛と感激、そして迫り来る嵐に対する悲壮な覚悟が入り混じった、複雑な感情が私の中で渦巻いた。
そして、私のそんな感情を知ってか知らずか、ただただにっこりと笑って喜んでいるあの男を見て、改めて思い出した。
私は今、どこまで来ているのだろう……。
巨大な渦の中でも、運命は順序通りに進んでいるように感じられ、思わず苦い笑みが浮かんだ。
その笑みに、私のお腹を撫でていた手を引いた彼が、再び私を腕の中に引き寄せた。
「大切なそなたと私の子は、朕が守る。
何も案じることも、心配することもせず、ただ幸せに、安らかにいてくれ。
残りは全て、朕がうまくやるから。」
低く響く彼の声が、まるで子守歌のように感じられた。
殿下も感じたのか、広げられた寝具に慎重に私を寝かせ、
頬にチュッと唇をつけた。
彼は私の髪をかき分けながら、優しくささやいた。
「ゆっくり休むのだ、オクジョン。
何も考えず、ただ私と子供だけに集中するのだ。」
彼の仕草はこれ以上ないほど優しく、愛情があふれているように感じられ、眼差しには相変わらず胸いっぱいの感激と共に、得体の知れない決意がこもっていた。
扉が閉まる音と共に、宮廷内の静けさが再び訪れた。
空になった部屋に一人残された私は、殿下の最後の言葉を心の中で繰り返した。
「残りは全て、朕がうまくやるから。」
まるで魔法のように、その言葉に不安だった心の動揺が一瞬にして静まった。
静かに目を閉じた。
温かい寝具の温もりの中で、彼の体臭を感じながら、
甘い眠りに落ちていった。