冷たい絶望、黒い影の中へ
正月、宮廷内は、まばゆい日差しの中でも、厳しい寒気が漂っていた。
だが、中宮殿は、そのどこよりもひどく冷たい空気が流れていた。真昼の太陽さえ届かないかのように、庭の影は曖昧な形を作り、中宮殿の空気は、まるで凍りついたように重く沈んでいた。
後継ぎを願う西人たちの嘆願書は毎日雨のように降り注ぎ、その全ての矢は、避けることのできない運命のように、王妃であるソイへと向けられた。もちろん、西人たちは王を圧迫しようとしたのだが、そのとばっちりはソイに燃え移り、毒々しい炎となって燃え上がった。
主上の盲目的な寵愛を受ける淑儀チャン氏が宮殿内を闊歩するほど、中宮殿の不安は冷たい氷のように固く凝り固まっていった。
いつまで…こんな人生を送らなければならないのだろうか…。
ソイの心は、真昼でも冷たい氷板のようだった。何もないお腹を撫でるたびに、心の奥深くに突き刺さった不安は、冷たい刃のように彼女の息の根を締め付けてきた。
「チョン尚宮」
低く抑えられた彼女の声が床に届く前に、扉が開いた。
「お呼びでございましたか、中殿様。」
ソイは一瞬、ためらった。
あれこれと気を使いすぎたせいか、頭が割れそうに痛かった。
「内医院に行って医者を呼んでくるように。診察をしてもらわねばならぬ。」
チョン尚宮は一瞬首を傾げ、頭を下げた。
「マダム、お加減が優れませんでしたら、お医者様を…お呼びいたしましょうか?」
チョン尚宮の言う通りだった。
王と王妃の体は、すなわち国の未来。そのため、一般の医者ではなく、御医の診察を受けるのが当然とされていた。
「いや、構わぬ。最近、叔父様が新しく迎え入れた医者がいると聞いた。その者を呼んでくるように。」
チョン尚宮はそれ以上何も言わず、静かに下がっていった。
彼女がこっそりと唇を噛む様子が、その心境を代弁しているようだった。
時を告げる鐘の音が正午を告げ、宮人たちが忙しげに一時退いた隙に、ソン医師は中宮殿の尚宮に連れられていった。
そして、まるで影のように中宮殿に入ってきた。彼の顔には、不安がはっきりと見て取れた。
「マダム、ソン医師様が参られました。」
ソイの目が大きく見開かれた。
そして、震える声で答えた。
「通しなさい。」
静かに開いた扉の奥に、彼は恐る恐る入った。竹のすだれが下ろされており、顔は見えなかったが、その佇まいから王妃の威厳が感じられた。
「すだれを上げなさい。」
中殿の命令に戸惑った二人は頭を下げた。
「ちゅ……中殿様……。」
本来、王妃の顔は誰でも見られるものではなかった。御医ではない医者の診察を受ける際は、細い絹の糸で脈を取るのが常だった。ソイの命令は、まさに衝撃的な言葉だった。
「上げろと言っているではないか!」
鋭く静寂を切り裂くソイの声に、尚宮と女官たちは慌ててすだれを上げた。
「皆、下がっておれ。」
彼女の言葉に、尚宮と女官たちは急いで外に出て行った。
ソイの顔は、日差しさえ凍りつかせるかのように、冷たく沈んでいた。
「近くに来て、私の脈を診てみよ。」
「な…何を確かめたいのでございますか、マダム…。」
ソイはそれ以上何も言わなかった。
ただ、冷ややかな眼差しで彼を見つめるだけだった。
怯えたソン医師は頭を下げて近づき、震える手で彼女の腕をそっと掴んだ。
張り詰めた静寂が中宮殿の寝室を押しつぶした。
長い長い数分が流れ、
しばらく脈を診ていた彼の顔から、血の気が引いていくのがはっきりと分かった。
ソイの心臓が激しく波打った。
「言ってみよ。私は懐妊できる脈なのか?」
彼女の眼差しは、ソン医師の唇から出るただ一言に、全てを賭けていた。
彼女の言葉に、医師の顔色は灰色に変わっていった。
すぐに再び脈を診てから、急いで後ろに下がり、ひれ伏した。
「……ま……申し訳ございません、中殿様。」
ソン医師の口からようやく絞り出されたその一言は、まるで鋭い刃のように彼女の心臓を貫いた。
頭の中が真っ白になった。
目の前がぼんやりとし、心臓が止まるかのような痛みが全身に感じられた。
「この者め!今、何という妄言を吐くのだ!もう一度診察をしろ!今すぐ!」
彼女の声は、叫びに近かった。
王室の嫡流を継ぐ唯一の王妃である自分が、懐妊できないだと。
これは、自分に下された死刑宣告と同じだった。
この事実が殿下に知られた瞬間、自分の全ての権威と存在価値は、砂の城のように崩れ落ちるだろう。それは破局であり、避けることのできない奈落だった。
「ちゅ……中殿様……この臣下、死罪に値する罪を犯しました。
しかし、長年マダムの御体が弱っていらっしゃったせいで、気血が全て塞がり、子宮が冷えて、種が根付くのが難しい状態でございます。
どうか、お怒りをお鎮めくださいませ。」
ソン医師は顔面蒼白になり、頭を地面に埋めたまま、小刻みに震えていた。
彼の震える声は、彼女の絶望をさらに深く、真っ黒なものにした。
狂気に満ちた眼差しで彼を睨みつけていたソイは、やがて
冷たく凍りついた顔で、冷ややかな笑みを浮かべた。
彼女の目からは、一滴の涙も流れなかった。
すでに涙では堪えきれない、あまりにも深い苦痛と怒りが彼女を蝕んでいた。
「この事実は……誰にも話すな。
一言でも漏らそうものなら……お前の命はもちろん、
お前の家族の命でも償いきれないだろう。」
彼女の声は、寒気が宿った蛇のように冷たく、ぞっとするほどだった。
ソイは、まるで正気を失ったかのように冷ややかに笑った。
この絶望の中で、彼女の目はすでに別の場所を向いていた。
私が懐妊できないのなら……なおさら、チャン氏を宮廷に置いてはおけない……。
しばらく思案に耽っていた彼女は、口を開いた。
「ソン医師。」
彼女の声は、まるで地獄の隙間から
響いてくるかのように、低く陰気だった。
ソン医師はゆっくりと顔を上げた。
中殿の眼差しは、すでに憎悪と悪意、そして狂気に満ちていた。
彼女の瞳の中には、冷たい氷のように固まった憎悪が揺らめいていた。
「淑儀チャン氏が内医院で診察を受けたら……
あの女が懐妊が難しいという診断が広まるようにせよ。
どんな理由をつけるかは構わない。
病が重くて子を宿すのが難しいと言っても、
気力が衰弱して懐妊は不可能だと言っても……
嘘を真実のように作り上げ、その事実を……宮廷内に密かに広めるのだ。」
ソン医師の顔は、驚愕を超えた恐怖で青ざめた。
しかし、ソイの眼差しがあまりにも強烈で、
あえて逆らう勇気さえ出すことができなかった。
彼の手が微かに震えていた。
ソイは口角を歪め、彼の目をまっすぐに見据えた。
「分かったな?」
「は……はい、マダム……お言いつけ通りにいたします……。」
冷たい空気の中、
中宮殿には狂気に満ちた静寂だけが漂っていた。
黒い毒となって広がる小さな火種が、彼女の手でぞっとするほど静かに灯されていた。