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朝鮮に落ちた女子大生、致命的な王に囚われる  作者: エモい姉さん
第二章 破局の始まり、そして深まる心
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冬の夜、咲く花




真っ白な雪が静かに降る窓の外を眺めた。これまでの出来事が、頭の中で一つずつ整理され始めた。母上を失った悲しみと、民を襲った疫病の恐怖が、私の心を押しつぶし、機能不全に陥っていた時間が、少しずつ元の場所に戻っていくようだった。オクチョンの賢明な手紙のおかげで、宮廷内の疫病はついに終息し、朝鮮全土に広がった疫病も完全に終結した。


彼女は、母上の最期を看取ってくれた。そして、私が背負った重荷を少しでも軽くしてくれた。すべての憂いがきれいに晴れるようだった。しかし、心の片隅に垂れ込めた影は、なかなか消えてくれなかった。夜が深まるほど、私の内の虚しさはさらに大きくなっていった。


眠れない夜、何かに惹かれるように寝所の扉を開けた。外は一面、白い雪に覆われていた。空から絶え間なく降り注ぐ雪の結晶は、宮廷の屋根や木々を白く染め、かすかな光を放っていた。静かな雪景色は、私の疲れた心に一筋の慰めを与えてくれた。


彼女に会いたかった。ただ、この美しい景色を一番に彼女と分かち合いたかった。


「サンソン(尚膳)、今すぐ就善堂チュソンダンへ行く。準備をせよ。」


もしかして雪が止んでしまうのではないか、この美しい景色を、美しい就善堂で愛する彼女と見ることができれば、この空虚な心が少しは満たされるだろうと感じ、焦る気持ちで足早に歩き始めた。


どれくらい歩いただろうか。就善堂に着く前に、遠くの庭に立つ一人の女性の後ろ姿が私の目に入った。白い雪の結晶がこんもりと積もった月明かりの中で、彼女は一人で輝いていた。青みがかった唐衣タンウィを着たオクチョンだった。彼女は、腕を少し広げて目を閉じ、空から降り注ぐ雪を全身で浴びていた。隣で戸惑っている尚宮が何か言っても、気にせず、ただ子どものようににっこり微笑んだ。


空から降る雪は限りなく美しかったが、雪を浴びながら静かに立っている彼女の姿は、まるで一枚の絵のようだった。何かに魅入られたように、ゆっくりと彼女に近づいた。冷たい冬の夜の空気の中でも、彼女から立ち上る温かい温もりが感じられるようだった。


いつの間にか彼女の後ろにたどり着いた私は、ためらいもなく彼女を強く抱きしめた。突然の抱擁に、オクチョンの体が少し固まったが、すぐに私だと気づき、安心して体を預けてきた。彼女の細い腰を抱きしめた私の腕に、力を込めた。彼女から伝わる温かさ、そして雪の結晶のように柔らかな髪から香る香りが、私の心の奥深くまで染み渡った。


「寒いのに、なぜ外にいるのだ。」


明るく微笑んでいた彼女は、静かに言った。


「心が乱れており、少し風にあたろうと出てきました。」


彼女を腕に抱いたまま、静かに彼女の肩に顔をうずめた。これまでに積もったすべての疲労と悲しみが、彼女の温もりの中で溶けていくようだった。母上が逝去されて以来、彼女は私にとって唯一の安息の地であり、慰めだった。疫病の絶望の中でも、最後まで私のそばを守り、光となってくれた彼女が、あまりにも愛おしかった。


オクチョンの体を向き直らせ、見つめ合った。白い雪を含んだ彼女の瞳は、星のように輝いていた。


「今日…朝鮮の疫病が完全に終息したという報告を受けた。」


彼女の顔には、喜びと驚き、そして私に向けられた深い愛情がこもった、明るい笑顔が咲いた。頭を下げて、彼女の赤くなった頬にそっと口づけした。チュッ。短く甘いキスに、彼女の笑顔はさらに深まった。


そして、子どものように明るく澄んだ笑顔を浮かべ、頷いた。


「殿下のおかげです。」


彼女の澄んだ美しい声が、冷たい冬の夜の空気を温かく温めるようだった。彼女の笑顔は、すべての憂いを一瞬で忘れさせるほど美しかった。


「寒いな、中に入ろう。」


手を差し出すと、小さくか細い手が絡みついてきた。すべての行動、言葉遣い、表情が愛おしくてたまらない、私の女性。彼女のおかげで、久しぶりに安らかに眠ることができそうだ。


暖かくも甘い彼女の胸の中で。

ついに第100話を突破いたしました:)

ここまで愛と関心を持って共に歩んでくださったすべての読者の皆様に、心より感謝申し上げます。

これからもより良い作品でお応えできる作家でありたいと思っております。

本当にありがとうございます。

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