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エピローグ

 かつて、戦争があった。


 超勇者と大魔王。それらが世界に振り分けたスキルという産物。


 超勇者のスキルは精神に宿り、行動をバックアップする。


 大魔王のスキルは生きとし生ける者の精神を侵食し、それを糧に力を与える。


 限界がある超勇者のスキル。限界を超える大魔王のスキル。


 比較するまでもなく、大魔王のスキルが世界を駆逐していくのは明白だった。


 超勇者のスキルを持つ人間がどれだけ努力しても、限界があるスキルと限界がないスキルでは行き着く先は明白だ。いずれ限界に到達したスキルは、限界を超えるスキルに負けるのは目に見えている。


 だがそれは、スキルという枠組みだけの問題だ。


 スキルだけの戦いなら優劣は明白だ。


 逆に言えば、スキル以外の要素があるなら結果は変わってくる。


 かつて、戦争があった。


 大魔王と超勇者のスキルの抗争。その血統を持つ【†魔族†】と【勇者】の戦い。


 全ての大魔王スキルを得た【†魔族†】と全ての超勇者スキルを得た【勇者】の戦い。次世代の大魔王と、次世代の超勇者の戦い。


 同胞全てを食らった【†魔族†】と人類全てを支配した【勇者】の戦い。かつての大魔王と超勇者の戦いの再来。


 ――に、なるはずだった。


 戦争を制したのは【†魔族†】でも【勇者】でもなかった。


 ただの人間。たった二つのスキルを有しただけの、人間。


 スキルに飲み込まれるでもなく、スキルを利用して己の思うままに生きた人間。


 その人間は高潔でもなく。


 その人間は高尚でもなく。


 その人間は正直でもなく。


 その人間は寛大でもなく。


 その人間は卑劣で低俗で嘘吐きで自分勝手で。


 そんなどうしようもない人間が、スキルによる戦争を終わらせたのだ。


 この世界に住むすべての存在がスキルに支配される未来を断ち切り、スキルと共に生きる未来を繋いだのだ。


 だがその人間にその自覚はない。


 ただ、己の欲望のままに生きたに過ぎない。酒に溺れ、美味い肉を食らい、無計画に借金し、女にうつつを抜かし、しかし己を曲げずに生きたに過ぎない。


 その人間の名は――

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