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追放&復讐編Story4:この世界の魔法、スキル、そして帝国の貨幣制度について

今回は説明が多めで物語部分は少なめとなっております。

一方、セラフィーナと秋人を追放した二人は、ご機嫌で第二皇子の寝室へ入っていった。


 「うまくいったわね。アルド様。」


 「ああ、もう俺の好意を無下にした奴の顔を見なくて清々するぜ!」


 「第一皇子のディオニージ殿下に毒を盛った件もばれていないしね。」


 アルドは、慌ててマリアーナの口を押えた。


 「おい、どこで誰が聞いているかもわからない!滅多なことは言うものじゃないぞ。」


 「でも、あたし心配だわ・・・。」


 マリアーナは、口からアルドの手をどかすとベッドの上で体をくねらせて彼を誘った。


 「何がだい?」


 その誘惑にアルドは勝てずに服を脱いで半裸になって隣に座った。


 「だってえ・・・女の恨みって怖いわよ。何時か、アイツが復讐に来るかもしれないわ。」


 キスをしながらアルドは、彼女に甘い声である提案をした。


 「殺せばいいんだろ?」


 マリアーナは、自分が言ってほしかった答えを的確に答えてくれた彼に精いっぱいの笑みを浮かべた。だが、その笑顔はセラフィーナとは対を成すどす黒いものだった。


 「だが、殺すとはいっても皇帝直属の暗殺部隊は使えない。奴らは、俺ではなくあくまで父上に仕えているからな。」


 「あなたが握ったスキャンダルを使って皇帝陛下に暗殺部隊をけしかければいいじゃない。」


 「理由はどうするんだ?セラフィーナは陛下がたいそう懇意にしていた魔導士だぞ?いくらスキャンダルをこちらが握っていたとて、セラフィーナを殺すために暗殺部隊を貸してくださいなんて言えんぞ。」


 マリアーナは少し考えた後にパンと両手を叩いた。


 「じゃあ、フォレストウルフに殺させればいいじゃない。」


 「なるほど、彼らの縄張りはセラフィーナたちが行くであろう、Dランク冒険者の練習場『始まりの草原』が近いからな。」


 二人は、練りに練った計画を立てた後、その実行のために外で警護をしている近衛兵にある人物を呼ばせた。


 ・・・・・・・・・


 俺たちは、王宮を後にして石畳の道路にケルト音楽がどこからか流れてきそうな街並みを眺めながら、今晩泊まる宿屋を探していた。


 この世界を冒険していくうえで、必要最低限の知識を詰め込んでおこうと思った。


 「ところで、この世界の魔法やスキル、貨幣制度について詳しく教えてくれませんか?」


 「わかったわ。」


 セラフィーナさんによると、魔法の種類は主に防御、火、水、風、金、土、闇、光、無属性がある。ちなみに金は錬金術、土はゴーレム生成や地面を使った攻撃魔法といった具合である。


そして、何もバフがかかっていない状態の魔法を基礎魔法と呼び、その基礎魔法に魔力を付与エンチャントさせて威力を増大させる魔法を付与魔法と呼ぶ。


付与魔法はレベルが9段階存在していて、弱い順にディーカ、へコート、キーロ、ミガ、ジガ、テイラー、ピーター、イグザ、エクセとなっており、上に行くにつれて強力になるが、その分魔力もそれ相応に消費する。


 また、魔力を回復させるためには自然回復がほとんどだが、手っ取り早く魔力を回復するためにはモンスターや人間を殺す必要がある。だが、理由もなく人間を殺すことはこの世界でもご法度らしく、基本的にモンスターから魔力を得るようだ。


 そして、これらの魔法を習得するために魔法学校が存在するものの、学費が庶民には高すぎるところがほとんどで、庶民が冒険者として稼ぐ場合、ほとんど独学で学ぶ必要がある。


 ちなみに、日本語でやり取りができているのは彼女が対象の人物の周りだけ、波長を変える無属性魔法『レイラーブ・ライヒ(翻訳)』を使っているからだという。今までの魔法に関する話を聞く限り、彼女は魔力が尽きない限りかなり高度な魔法を使えるのだろう。すごい努力家だ。


 そして、スキルは、大人とみなされる15歳の時に地元の教会に出向き、そこで渡される聖餅を食べると発現する。スキルアップの条件は、スキル不足で死にかけた時か鍛錬を積むと上がるらしい。


 次に、貨幣制度だがこの国には通貨単位があり、安いものから順番にブロンズィニウム、グランデ・ブロンズィニウム(長いので基本的にグラブロと呼ばれている。)、シルヴィア、ゴルデン、プラチアーノ、ロムリアーノといった感じでそれぞれ、10ブロンズィニウムで1グラブロ、10グラブロで1シルヴィア、10シルヴィアで1ゴルデン、100ゴルデンで1プラチアーノ、1000プラチアーノで1ロムリアーノだ。


また、庶民一人の一食当たりの食費が約1シルヴィアなので、不便なく一日を過ごすためには最低でも5シルヴィアが必要である。


ちなみにロムリアーノといった金額になると、もはや貴族の中でも上流かそれこそ皇帝陛下でしかお目にかかれない代物らしい。


一通りの説明を聞き終わった俺は率直な感想を述べた。


「セラフィーナさんは、何でも知っているんですね。」


セラフィーナさんは、それでもうれしかったのか頭を掻きながら顔を紅潮させた。


「いやーハハハ、そんなことないですよー。」


「フフ、照れている姿も可愛いな。」


そこで俺はあろうことか心の声をポロリしてしまった。


「え?」


「あ?いや・・・もしかして今の言葉聞こえちゃいました?」


自分よりも顔を赤くして慌てふためいている俺を見て悪戯心をくすぐられたのか、セラフィーナはクスッと笑って満面の笑みでからかった。


 「ええ、でもあなたも子供みたいで可愛いわよ。」


 「あ、アハハハ・・・そ、そうかい?」


 〈チキショー!!!(若●ボイス風)〉


 再び場所は、王宮の第二皇子の部屋。


 「遅いわね。」


 マリアーナが爪を研ぎながら愚痴をこぼした直後にドアを叩く音がした。


 「きたか!」


 「魔導騎士団副団長のルドヴィーコ・ニコデモ・ランツァでっす。」


 「入れ。」


 「失礼しまっす。」


 ドアが開くとそこには、騎士と呼ぶにはあまりにも盗賊じみた姿をした、髪の毛の先を朱に染めた金髪碧眼で長髪高身長の男性がいた。


 「おお、マリアーナ先輩!この度は団長就任おめでとうございまっす!!」


 マリアーナは、研いだ爪を確認しながら興味なさげに返事をした。


 「おだてはいいから要件を聞いて頂戴。」


 「相変わらず僕には冷たいっすね。・・・で、アルド様。要件ってなんすか?」


 「ドライウインド盗賊団と深いつながりがあるお前にしかできないことだが・・・やれるか?」


 ルドヴィーコは口元を歪ませてにやりと笑った。


 「おまかせくださいっす!」


モチベーションアップと文章力アップにつながりますので、感想や誤字報告をよろしくお願いします。

追記、主人公の名前を間違えてました・・・。誤:天次郎→正:秋人

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